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私はタノシミ。涙をナガシミ。【インサイドヘッド2 感想】

映画感想文というのは難しいね。好きな作品程たくさん語ってしまうが、その分レビュー書くのに時間をかけすぎて他の物事を蔑ろにしてしまう。だってもうこんな時間深夜01:30ですよ?明日(というかもはや今日)も仕事なんだからはよ寝かせてくれ。

とりあえず渾身のレビュー書き切ったので読んでってください。んで今すぐ劇場に行ってください。

今年No1話題作(個人的)をついに鑑賞。

まずは前置きから。私の過去レビューを読んでくれれば話が早いのだが、私は『インサイドヘッド』を心の底から愛している。"好き"とか"面白い"じゃない。愛しているのだ。

特に主人公ライリーは、自分の娘の様に思っている(子供いないけど)。両親の仲がギクシャクしている中、間に入って空気を和ませられる優しさ。自分の思いを内に溜め込んで過ちを犯してしまう繊細さ。その長所・短所全てをひっくるめて愛しています。

………というか私がライリーの父親です。家族との団欒中サッカーの事しか考えてないマヌケは、さっさと親権を譲ってほしい。

そんなライリーが遂に中学生になった。こんなん見るしかないやん?なーに本国から2ヶ月も公開遅らせとるんじゃボケ。んで木曜公開だと?いねーよ平日ど真ん中に劇場行くやつなんか。しかも土曜は会社のイベント(強制参加)で朝イチから見ることも叶わなかったし、ホンマ踏んだり蹴ったりだったわ!

………とまぁ早く見たいのに見れないジレンマに苦しめられたものの、この度8/3、ミッドランドスクエアシネマ 17:25の回で遂に鑑賞してきました。

感想としては……………




まずは謝罪から。

作中のクライマックスにて、体を小刻みに震わせながら、野太い嗚咽を劇場内に響かせてしまい、大変申し訳ございません。

いやホント耐えられなかった。映画館で泣くの自体今まで1回もなかったけど、こんなにも心震わせられたのも本作が始めてかもしれない。

まず冒頭から泣くのを我慢するのに必死だった。だってだって、ライリーが大っきくなってるんだもん………!相変わらず前向きで優しくて、新しい親友と一緒にホッケーを楽しんでる様を見せつけられるこっちの身にもなってくれ。

……と、親として娘の成長に沁み沁みしていたら、早々に不穏な展開が。強豪ホッケーチームの監督から、合宿に招待されたのはまぁ良い。ただ親友の2人はそこまで乗り気でなく、それどころか同じ高校に行くつもりはないとのこと。それでも彼女なりに受け止め(車から出て一瞬泣く所とかもさぁ……!😭)、前向きに合宿に取り組もうとするも、新たな感情の登場により大波乱を迎えるわけだが………。

この合宿中、ヨロコビ達は司令室から追い出され、代わりに"シンパイ"が主導権を握る訳だが、コイツのムーブがとにかく酷い。推薦を得るために先輩に媚びを売り、自分の心に嘘をつき、親友達を蔑ろにし、監督の部屋に侵入し、挙句チームプレイガン無視してワンマンで得点を取りに行こうとする始末。終始「ライリー……違っ、そうじゃ……そうじゃないんだよ!」と、彼女の暴走を指咥えて見ている事しかできないのがひたすらに辛かった。

ただシンパイの行動全てを否定し切れないのが複雑な所。世の中、正直に生きるのがどれだけ難しいことか。時には本音を押し殺し建前を使わなきゃいけないし、善悪よりも損得を重視して行動しなければいけない状況が沢山ある。そんな厳しく残酷な世界を生き抜くために、"シンパイ"は必要なのだ。今回考えが極端すぎたのは問題だが、決してその存在意義まで否定してはいけない。

ヨロコビの極端な楽観主義も、安易に肯定していない作りも見事。ヨロコビにとってのライリーとは、明るく優しく、時に繊細で、基本的に正しい女の子。その理想に固執するあまり、作中それ以外の側面を否定し続ける。辛い思い出を記憶の外れに飛ばして忘れようとしたり、シンパイの暴走により倫理的に正しくない行動を取るライリーに対し「あんなのライリーじゃない」と拒絶する様が良い例だろう。

勿論、シンパイの行動は間違ってはいる。しかしそういった感情、考えになってしまうのも含めてライリーの人間性なのだ。しかしヨロコビは終盤までそれに気づかず、認めようとしない。それ故「まぁシンパイ止めたいのはわかるけどさ・・・ジブンラシサの花を持って行ったとてでは?」とずーっとモヤモヤしてしまい、脳内での冒険を素直に応援できない作りになっている。

このシンパイとヨロコビ、どちらにも共感できる箇所・できない箇所が混在している物語は、観客の感情すらも複雑に入り組ませてくるのだ。

そして何より語りたいのがクライマックス。点を取る事だけ・・に固執したライリーは、ラフプレーで友達を傷つけた挙句退場させられてしまう。結果精神的不安定さが更に加速し、シンパイと共にパニックに陥るのだが、そこでやっと、今まで目を背けてきた負の感情と向き合うことになる。記憶の外れに放置してきた嫌な思い出が信念の泉に流れ、喜怒哀恐嫌羨憂怠恥、様々な感情が入り乱れたジブンラシサの花が形成される。そしてついにライリーは、自分の欠点を素直に認め友人に謝罪し、あの頃のように純粋な気持ちでホッケーを始めるのだ。

ここで私の顔面はグチャグチャでした。そうだよねライリー・・・君は楽しいからホッケーをやってたんだもんね・・・強豪校に入りたいとか、憧れの先輩に認められたいとか、そんなんじゃなかったもんね・・・やっと気づいてくれたんだね・・・うぅっ・・・うわーん😭。



・・・このレビューを書いていたらまた泣きそうになってしまったので、一旦気持ちを切り替えよう。

本作、ライリーの不安定な感情を中心に物語が構成されている都合、全体的に暗く重いテンションで話が続くのだが、その中で貴重なコメディパートもあったのでそれにも触れておきたい。

まずはブルーフィーとポーチー。ライリーが小さいときに見ていた子供向け番組のキャラクターで、今でも好きなのにそれを周囲に知られるのが恥ずかしいからという理由で、保管庫に閉じ込められている可愛い可哀そうな奴らだ。「どうやったら目の前の問題を解決できるかな?」と観客に語り掛ける様はまーんまドーラ。同じディズニー繋がりという意味だと、クラブハウスのミッキーとトゥードルズの方が適切かもしれない。あの子供向け番組のノリがツボに刺さって、内心爆笑でした。解決するための道具がダイナマイトとかいう物騒過ぎる代物なのも笑いを誘う。ただ劇場だとシーンとしていたから、他の観客はあんまりピンと来てなかったかもしれない。日本の子供向け番組とは若干ニュアンスが違うからやむなしか。

あとはランス・スラッシュブレードね。・・・何あのクラウドもどき。PS2レベルの解像度しかないポリゴンが、悲しい過去を匂わせたり十字移動しか出来なかったら笑うしかないやん。

まぁ彼らが居ても尚、本作の重苦しさは中和されないわけだが、一瞬だけ明るい気持ちにさせてくれる良いキャラクターたちでした。

・・・まずい、語りたいことが多すぎてどんどん長文になっていく。最後に2点だけ・・・2点だけだから!

えーっと、ファイアーホークスの描写が、私の大嫌いな体育会系のノリ過ぎて見ていてしんどかったです。メンバー一人のミスでチーム全体が罰を受ける連帯責任システムとか、先輩のいやーなイビリとか、世界共通なんすね。もはやヒトの習性なのかもしれない。

あとこれはちょっとしたモヤモヤなんだが、ヨロコビたちの冒険が行き当たりばったり過ぎる気がした。ジブンラシサの花を手に入れて、指令室に戻るという目的ははっきりしているものの、そこに至るまでのプランが漠然としていて、状況によって道筋がコロコロ変わるため、「え・・・んであとどれくらいで記憶の外れにたどり着くんだっけ?」と混乱させられた。それ故せっかくライリーパートでガッツリ感情移入していたのに、ヨロコビパートに入る度に少し冷めてしまう作りになっていたのは勿体なかったかな。ヨロコビが感情的になった所を、あのイカリが怒らず落ち着かせてくれる件とか、グッとくるシーンはたくさんあったのにね。



総括、間違いなく今年No1、もっと言えばピクサー史に残る大傑作です。前作以上に複雑な感情に翻弄されるライリーと、彼女が行き着くラストはあまりにも美しいので、皆さんも是非劇場へ。

続編フラグとしてなのか、ナツカシがチラッと出てきたけど、まさか大人編が今後作られることはあるのだろうか・・・?仮にライリーの結婚・出産からの育児とか描かれたりして・・・


いやー見たくねぇー!ライリーは死ぬまで純潔を貫くんだーい!




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