![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73784028/rectangle_large_type_2_a195fc13cf155694671f80d79b5e4cd9.jpg?width=1200)
今日はみやげの日
素子は大慌てで、辺りを見回したが人通りはなかった。
素子
米子さん、スマホ、スマホ、救急車を呼ばないと…
米子は悠然と言い放った。
米子
あー、アタシ、ずんぐりむっくりの体内に居るモノたちの声を聞いたのを今、思い出した。気の毒な話よ、ずんぐりむっくりなんてほっときゃ死ぬわ。
食べることでしか充足感も、自己表現も出来ない臆病者の怠け者。モノたちだってウンザリしていたのよ。
自業自得なんだから、助けてさぁ、後遺症なんか残ったら余計かわいそうかもしれないし。
素子
えー、米子さん、でも救急車呼びましょうよ。
米子
アンタ、なんでそんな余計なことしたいの?
素子
今、やれることをやらないと後悔するような気がするんですよ、私、ずんぐりむっくりなんかどうでもいいんですけど、
今日のこの日のことをいつか思い出した時に、あの時どうして自分は救急車呼ばなかったんだろう?なんてしなかった事、
もう、引き返せない事で悩みたくないんです。自分の心のために救急車呼びたい。
米子
アンタさぁ、野良猫に餌やってはいけないって言われてるのに、平気で餌やるタイプよね。
素子
はい、米子さん、私は飢えて苦しんでいるモノがいる時に、ルールだから、それが正しい事だから、としても自分は与えられるのに、それそをしない、そういう人と仲良く出来ません。
米子
そんなお土産拾うなんて真っ平よ!!アタシとアンタは馬が合わないわ。
米子は冷たく言い放ち、その場を後にしょうとした。
つづく
いいなと思ったら応援しよう!
![ポリポリ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/41052442/profile_7e254d68806416ecc2ac8f2f5eb374c5.jpg?width=600&crop=1:1,smart)