夢の終わり
いつだってそれが夢だとは思わない、現実のように必死に追いつこうとカメラを回している。僕は登場人物にはなれはしない、よくてカメラだった。それでも時折主人公の目からものを見てしまって、ああ、なんてひどい世界だろうなあ、と思う時だってある。ある、けれども、それはすべて幻で、ただの記憶の整理で、それだけなのだ。
それでも起きた時に、涙がこぼれたような心地だけは遺しておきたい。そんなふうに願ってしまうのは僕にとっては、その必死なカメラだけが、憑依体のような人生だけが、本来現実であるのだと知っているからだろうか。
▼夢日記「はざまに鬼」
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