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寓話 「急募アルバイト求む」
アルバイトの求人を見て応募することにした。地元で有名な手打ち蕎麦店。昼間5時間程のアルバイトだ。勿論、アルバイトだから地域の最低賃金だ。定着率が良いので久しぶりの求人とのこと。連絡して翌日面接に行くことになった。
さて当日、提出した履歴書を見ながら、店のオーナーと和やかな雰囲気で面接が始まった。ところが話を聞いていくうちに、何だかかみ合わない。よくよく聞いてみたら、募集していたのは従業員じゃなくて奴隷だった。私は勘違いを詫びて、丁重に断った。 身長180センで立派なお腹をした店のオーナーも、「それではしようがないね。」と笑顔だった。私も笑顔で挨拶して、店を辞去した。四十雀(しじゅうから)が「ツピツピツピ」と元気に鳴いていた。