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旅にて

息の詰まる思いから、旅に出ることを計画した。
とにかく呼吸がしたかった。しかし私には、息を吸える場所など無かった。
呼吸は整わなかった。
旅とはそれを知るためのものだった。
帰路。
船は真っ暗闇をどこまでも進んでいた。
眠れないのはディーゼルエンジンの鈍い振動のせい、だけではなかった。


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