【書評】伝わる・揺さぶる! 文章を書く 山田ズーニー
最近様々な提案書や企画書、メールを見てると、もったいないな、と思う事が多くあります。
で、いろいろ何がいいかと探していたのですが、 やっぱりこれに行き当たってしまいましたw
伝わる・揺さぶる! 文章を書く 山田ズーニー著 に。
すでにベストセラーになっている本なので読んだ人がいると思います。
なのでその人は、さくっと「ああ、今頃ねww」って思ってください。
より「伝わる」文章・企画を書く上でどうするか、という事でこの本を読んだことがない人は読んでみるといいかなぁ。と思います。
なんで読んだらいいよなぁ。と思ったかというと・・・。
文章を書くというのは「伝える」という目的を持つわけで
自分の考え、自分の立場、問題点 etc
を、読み手に。
ということになります。
しかしこれがなんと難しいことか。ということはみんな知っていると思います。
プレゼン作成のためのご成敗式目というのをまとめた事があります。
そこではテクニックが中心だったので、「それ以前」の何を考えるかという前提や、「見せ方」ではない文章構成のテクニックとしてとても良いと思います。
(以下ネタバレ)
この本で一番のエッセンスは
「何のために書くのか」
ということ。この「何のために」には、
・相手にどう理解されて
・どういうアクションを起こしてほしいのか
⇒自分にどういう印象を持ってほしいのか
⇒何かをして欲しいのか
⇒何を納得してほしいのか etc
が含まれています。
「何かを書く」ということに必ず「相手」がいる、ということが大事だ、と繰り返し
書かれています。
最初に書かれている7つの要素は本当に大事です。もう自分的にはかなり「イイ!」という印象です(失礼ですけどね)
1.意見 −自分のいいたいこと
2.望む結果 −誰がどうなることを目指すか
3.論点 −自分の問題意識
4.読み手 −読む人はどんな人か
5.自分の立場 −相手から見たときの自分の立場
6.論拠 −相手が納得する根拠があるか
7.根本思想 −あなたの根本にある想いは何か
普段自分が書いている文章は、1.と3.ばかりが先行していないか確認してみましょう。
「自分が・・」「自分は・・」を伝えることに夢中になっていないでしょうか。
それぞれ、どう書くかについては、本を読んでぜひ味わってほしいです。
書き方についても、とてもわかりやすく書いてあります。
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基本的な文章の構成として
1.論点 何についてか、自分の取り上げた問題は何か
2.論拠 意見の理由
3.意見 自分が言いたいこと
を
「読み手の納得・共感を得る文章」
で書くという事となっていて、この最後の「 」の分が肝!本当に肝!
応用編はいろいろあるけど、このシンプルな構成は本当に素敵です。
基礎の基礎として頭に入れておいた方が絶対いいと思うのです。
#ちなみに順番がこれで決まり 、ということではないです。
特におすすめなのが第2章4節の
「関係性」自分の立場を発見する
−相手に応じてかき分ける
−相手の側から見る
−他者の感覚を知る
これを意識できるようになると、「相手に伝わる」文章になると思います。
何かを書く、ということは相手がいるということだから、相手を忘れて
はいけない。自分がわかるように、ではなくて相手がわかるように。
これ基本だと私も強く思うのです(難しいけど)。
何かしら発見があるはずなので、読んだことがなければ読んでみてください!
ちなみに一緒にみつけた
「頭がいい人の文章の書き方 小泉十三著」は日本語のお作法としては役に立つんだけど、
これは伝えるべき事がきちんと構成できるようになってから、のお話でした。