病気のジェンダー
女性には起こりやすいけど、男性に起こると重大になる病気があります。
医師にとっては当たり前ですが、性別で対応を変えることができない医師は、ヤブの可能性が高いです。
ヤブ医者の見極めに使えるコツをご紹介しましょう。
病気に性差がある場合があります。
卵巣癌とか、精巣癌とか、生殖器にまつわる病気はパッと思いつくと思います。
他にも、女性器によるもの、つまり、乳腺とか子宮の病気は特徴的ですね。
でも、男女変わらないのに、なぜかわからないけど、頻度が変わる病気もあります。
例えば、全身性エリテマトーデスという、顔に皮疹ができたり、関節炎が起きたりする膠原病と呼ばれる免疫の異常の病気がありますが、これは8割女性と言われています。
(僕は研修医の時男性の患者さんを受け持った時がありますが、これはちょっとレアですね)
この病気は特殊ですが、
ありふれた病気として、腎盂腎炎、膀胱炎があります。
腎盂腎炎とは、腎臓に細菌が感染した病気で、
膀胱炎は、膀胱に細菌が感染した病気です。
これらは女性に多いです。
なぜなら、女性は尿道が短く、体表の細菌が容易に膀胱に達し、腎臓へと達するからです。
尿は汚いとされていますが、医学的には通常かなり綺麗です。
なぜなら、無菌だからです。
無菌の臓器に菌が感染すると、菌が増殖しやすくなります。
腎臓や膀胱は無菌なので、感染しやすくなるんですね。
ちなみに、腎臓→尿管→膀胱→尿道という経路で尿は排泄されていきます。
http://www.jinzouzaidan.or.jp/jinzou/
尿道から菌が逆行してくるんですね。
逆に、男性は陰茎があり、尿道が長いので、これらはほとんど起こりません。
診察上どうしても起こっているようにしか見えない場合は、不気味な感じがしなくてはなりません。
どこかで、尿が詰まって、尿が滞留しているので、細菌がのぼりやすくなって感染している可能性が高くなります。
尿が詰まって、滞留しているということは、原因はいくつかありますが、
多いのは、尿道の周りにある前立腺が肥大して(加齢によって大きくなってきます)、尿道が狭められて尿が出ない状態(尿閉)になっていたり、神経因性膀胱と言って、排尿する神経がイカれて膀胱に尿がたくさん溜まっている状態もありえます。
これらなら、まだわかりますが、
必ず頭に置いておかねばならないのが、癌です。
尿管に癌ができる時があり、大きくなって尿が滞ります。
また、他の癌が尿管に浸潤したりする時があります。
僕が経験した例では、膀胱に近い大腸(S状結腸)に癌ができて、その癌が大きくなって、膀胱に突破したという患者がいました。(膀胱炎で受診されました)
その患者の主治医は、「男性で、膀胱炎の症状は何かおかしい」と言って僕に相談しにきてくれました。
でも、たまに、男女の病気の頻度を忘れてしまって、女性と同じように薬出して終わりのカスがいます。
医師が別の医師に相談をするとき、プレゼンテーションをするわけですが、この時、まず話さなきゃいけないのが、年齢と性別です。
この二つが必須です。というか当たり前のようにできるはずです。
こんな簡単な情報で違和感を持つ、先述の主治医は真っ当な方だと思います。
男性の方は、女性に多い症状に自分がなった時、要注意です。
適当にあしらわれたら、次回の受診を待たずに他の医者に変更するのがいいんじゃないでしょうか。