服用者には多分教えてない嫌な薬の副作用
検診で異常があるとやたらと処方される薬に、結構きつい副作用が報告されています。その一つについて紹介しますが、その重症さについてまさか話していないってことはないでしょうな。
血液検査を受けて、コレステロールや脂質が高いと、スタチンという薬を処方されることがあります。
コレステロールを下げる目的ですね。
この薬は一時世界最高の売り上げを誇っており、極めてよく処方される薬の一つです。
この薬には、もともと横紋筋融解症と言って、筋肉が溶けていく副作用があることが知られていました。10万人に1人くらいですね。
僕は薬学部に行っていましたが、その大学の研究室の一つは、この薬の副作用の発症モデルを研究していたりしていました。
しかし、この横紋筋融解症とは異なり、最近の報告によると、自分の体の物質に対する攻撃(自己免疫と言います)が起こって、筋肉が損傷していく病気が知られてきました。
抗HMGCR抗体関連免疫介在性壊死性ミオパチーと言うおどろおどろしい名前ですが、
筋肉に痛みが生じたり、力が入らなくなっていきます。
スタチンを中止した後にも起こるとされています。
しかも、検査がうまく引っかからないと、筋生検といって筋肉をとって調べないといけないのと、正確に診断されたとしても、その後、免疫抑制の治療を行うケースもなります。
具体的にはステロイド剤、メトトレキセーとなどの免疫抑制剤を使うそうです。
割合としては、10万人に数人だそうですが、よく知られた横紋筋融解症と同じくらいかやや多いですね。
ここでは軽く触れるにとどめますが、そもそも、健康でコレステロールが高い人の病気の発症は、日本の研究では低下している調査もあったり、すでに病気のある患者にスタチンを投与する効果があるとする研究はありますが、それを根拠にして健康な人に投与していいとするのは飛躍があったりします。
10万人に数人程度の副作用の発症率で、実際の現場で発症した時は免疫抑制剤が必要なほど重篤なケースもある、という説明はあんまりされないんじゃないかと思います。
そうなると、医者側は、稀な副作用が発症した時に、学会にまとめたり、文献で発表するのでしょうが、それって飲んでいた人にとってはたまったものじゃないですよね。
食欲が異常に湧いて、良質でない脂肪をたくさん摂れるように設計された食品をつい食べてしまう習慣を断ち切るような、心理学的な手法も明らかになっています。オプション的な方法の導入を検討するのはいろいろな意味で難しいでしょうが、よくない食品を野放しにして、薬だけ処方すると、全体としての問題の量は増えてしまうかも知れませんね。
でも、個人としては、行動で回避できるんじゃないでしょうか。
ちなみに、横紋筋融解症について研究していた大学の教授は太っていて、自身もスタチンを飲んでいました。なんとなくですが、こういうデブは信用しないほうがいいかも知れません。