なぜ水を飲むべきか①
運動後の体調の悪さに関する知り合いから相談が来ました。
腎臓を障害する病気でしたが、今のところ後遺症もなく過ごしています。
ただ、また再発するかもしれないが、今後好きな運動が続けられるかが心配なようです。
知り合いからこんな相談が来ました。
マラソン大会の出場のため、ジムのランニングマシンで走ったあと、赤黒い尿が出ました。
が、まもなく、尿はしたいけど全然出なくなり、3日くらい尿が出なくなったあと、
下肢からむくんできたそうです。
この症状は、医師の国家試験にもでるもので、運動誘発性横紋筋融解症+急性尿細管壊死と呼ばれる病気です。つまり、筋肉が分解し、分解したできた物質によって腎臓がうまく働かなくなることです。腎臓が働かなくなると、尿が出なくなり、その分体に貯まるので、浮腫んできます。
暑い夏とかに、長時間の有酸素運動をしたりすると、筋肉が崩壊して、ミオグロビンという物質が尿の中に出てきます。この物質によって尿が赤黒く染まるのです。
ミオグロビンによる直接または間接的な作用によって腎臓がやられて壊れてしまいます。
危険因子として、長時間の運動や体温、体内の水分量の低下などがあります。
今回はいろんな状況が重なってなってしまったんですね。
症状は数日で治り、尿も出るようになっていましたが、病院を受診したところ、マラソンはもうやめるようにと言われたとのことです。
この療養指導(つまり医者からの命令)は、理にかなっていて、確かに正しいです。腎臓の機能は元に戻らないので、将来的に腎臓の機能が下がってきたときに、困ってしまいます。
しかし、やはり走って運動したい希望がありました。
車を運転して交通事故を起こしたなら、車を運転しないのが正しいかもしれませんが、それだと現実やっていけないですよね
この指導は確かに正しいのですが、医者からすると何も考えなくて良い簡単な作業です。教科書通りに話しておけば、責任も問われません。
実際の患者は、その上で、どうしたらいいかを望んでいる場合が多いです。
もっと難しいのです。
この知り合いは、他に仕事があったので、別にマラソンしなくても済みます。
でも、マラソン選手などは生活がかかっているからやめられません。
かといって、やっていたらもう一度再発する確率は常にあります。
逆にいうと、マラソンできるくらいの強度かつ持続時間で運動できる体力のある人だから起きるのかもしれませんね。
そもそも、それをできている時点で、危険性もある程度付きまとってくるのかもしれません。
使えるエビデンスも多くはなく、おそらく、体のコンディション、気温、水分量など、ある一定の条件がたまたま重なったときになったのでしょう。
日常生活をしていると、それらを定量的に測定したり記録することがあまりないので、エビデンスが成り立ちにくいんじゃないかなと僕は考えています。
そこで、僕が専門外の相談をされて困った時に、質問できる顧問の先生に聞きながらどうしたらいいか考えることにしました。
相談したところ、もちろん完全に防ぐことはできないものの、水分摂取がキーだということがわかりました。
エビデンスがない時は、経験や印象、感触といったものにガイドしてもらわないといけません。
続く