健康診断・人間ドックの適当さ

健康診断・人間ドックの仕事には唖然とします。
僕の経験では、実施施設は、異常とされた画像検査のデータの詳細を、更なる詳しい検査をする医療機関に送ってきません。
貴重なデータをシェアせずに病気の判定が間違ったらどうするんでしょうか。
値段の割にいい加減さが目立つ仕事です、責任逃れとビジネスに徹しているからでしょうか。

健康診断・人間ドックで病気を早期発見すると、大きくならないうちに治療できて良いと安心したいところですが、
うまくいくケースばかりではありません。

平均するとほとんどの早期発見は意味がありません。
とても運が良ければ、無症状で進行中の重大な病気が見つかって、早めに治療できて助かる人がいる、くらいです。
「症状のない人に検査を積極的に受けさせて、みんなを健康にしよう」というスタートアップや支援するコンサル会社がいますが、頭の中お花畑です。

その話は別の機会にするとして、それ以前の問題があります。

仮に異常が見つかったとしても、
特に根拠もなく、訳のわからんアルファベットの判定をプリントするだけです。

例えば、超音波で腎臓に嚢胞(水の袋)があると判定された人がいて、
C(医療機関で詳しい検査を受けてください)となって来院された方がいます。

最悪の例を経験したのかもしれませんが、どっちの腎臓で、どんな嚢胞かも書かれていません。
だいたい、腎臓の嚢胞は、ほとんど良性病変で、超音波で決定できてしまいます。
しかも、数m mとかの嚢胞だと、病院にある他の検査ではもう判定不能です。
なぜそんなものを病院で更なる検査をしないといけないんでしょうか。

こう判定されると、お客さん(健康診断・人間ドッグを受けた人は患者ではないです。民間企業もやっているし)は、病院に受診しますが、
どこに、何が見つかったのか、どんな様子だったのか、検査のデータが送られてこないです。
検査を請け負った施設の見逃しの責任回避のためでしょうかね。

最初の検査の時と比べて大きくなっていたのか、変化したのかといった時系列の情報があると、悪性腫瘍の判定に有用ですが、
ないと、判定が困難になってしまうケースがあります。

あと、よくあるのが超音波で異常が見つかったから、CTやMRIで検査しましょうというものです。

大きいのなら超音波でわかるし、小さいと超音波の方が優れているので、意味がないという場合もよくあります。

また、もともとの情報があれば、次の検査をうまく組み立てることができますが、
ないと、手探りで検査することになり、無駄になってしまうことも多いです。

また、意味がどこまであるのかわからない検査も存在します。

例えば、無症状の結核はレントゲンではわからないのがほとんどですが、自治体のレントゲン検診を知らせるポスターでも「結核の発見のため」とありました。素人が監修しているのでしょうかね。

自由に値段設定でき、利益率が高いので、保険診療の赤字の穴埋めのために推奨している病院もあります。(明言してきた病院もあります)

不安を煽り、高い値段を設定することで、安心が買えているつもりのサービスになっているのかもしれません。