パワフル母、60歳の抱負
この間、うちの母が60歳になった。
還暦。60の干支が一巡するほどの長く生きてきた人生の先輩。そんな大先輩が描く未来って?
気になって、聞いてみた話。
よく寝てよく笑ううちの母。自分にはお金も時間もあまり使わず、いつも私たちを優先してくれる。そんな母が還暦を迎えた。
と同時に、実家に残ってた姉が巣立って行った。姉は大阪で一人暮らしを始める。
新横浜駅まで姉を見送りに行った。
改札に着くと一気に旅立つ実感が湧いた。
姉はいつも通りにじゃあね〜と明るく手を振って、意気揚々と旅立って行った。姉の背中が消えていくまで私と母は見送った。
今日で母の子育ては完結したんだなぁ。
27年間。母にとってはどんな時間だったのかな。
今、母は何を思うんだろう。寂しさ?達成感?
マスクで母の表情はわからない。
「お母さん、これからの抱負は?」
私は母にヒーローインタビューしてみた。
瞬間、母の目はきらりと光った。
「綺麗に歳をとる!
これからは自分に尽くしてあげるのよ。
第二の人生!って感じ!楽しみで仕方ないわ〜」
うそ、意外。笑
感傷に浸ったりしないの?笑
子離れに時間かかるタイプかと思ってたよ。
母はこれからの人生にわくわくしてしょうがないらしい。さらに母は楽しそうに語っていた。
「私、もともと美人じゃないから若い時は他の子に負けてたけど、ここからは努力次第!
きれいなおばあちゃんにはなれると思うのよ。」
なんと。還暦超えてから女磨きをしたい母。
なんだか、いいな。
これからは自分のために生きる人生。
かっこいい。
独立して一歩を踏み出したのは私や姉だけではない。この瞬間は母にとっても出発点みたいだ。
またパワフルな一面を見てしまった。母は歳を取るたびに強くなっていく。
「歳とるって、意外と悪くないのよ。」
言い放ち、ははは!なんて笑っていた。
母がまぶしい。