あっという間の長い1日。③
紹介された病院では、院長の方が色々と冷静に説明をしてくださいました。
CT検査では全身麻酔が必要になること。
今はどうにか息をする方法を自分で見つけて頑張ってくれているが、麻酔から覚めた時に分からなくなってしまい、息ができなくなる可能性があること。
腫瘍の場合はかなりの種類があること。
レントゲンから見て、まず手術ではどうにもならない見込みだということ。
腫瘍の種類によって、抗がん剤が効く場合があったり、放射線が効く場合があること。
または、もう手の施しようのないものもあること。
いずれにしても検査をして見ないことには、何も言えませんし、治療の金額などもお伝えはできないとのことでした。
また、治療をしない場合、この呼吸状態では、
いつ命が尽きてもおかしくないこと。
もし検査をするにしても、明後日の検査になること、それまで猫ちゃんが頑張れるかは保証できないこと。
検査を受けられても、結果が出るまで息があるかは分からないこと。
たくさんのことを冷静に話して下さり、
私たちもたくさん質問をしました。
検査をするもしないも、私たちにしか決められないので、しっかり考えてくださいと。
私たちは検査をすることを決断しました。
今の状態で車で帰り、また車で連れて来ることはリスクがかなりあると判断して、検査まで入院させてもらうことになりました。
猫ちゃんをお渡しする際、看護師さんは猫ちゃんの名前を呼んで下さり、「猫ちゃん、『行ってきます〜』って言ってますね!」「しっかりお預かりします」と笑顔で対応してくださいました。
私は涙が溢れてしまい、しっかりと行ってらっしゃいと言うことができませんでした。
なかなかの泣き虫で、すこぶる弱い人間の私ですが、
大好きな猫ちゃんがしんどくなってしまってからは、忙しさもあり一度も涙することはありませんでした。
しかし、院長の方が話してくださった内容が、
何度も頭の中をぐるぐると回り、
この時は溢れた涙が止まりませんでした。
帰りの車でも、寝る直前も、寝ている最中も、
夜中眠ることができないほ苦しそうな猫ちゃんや、車の中での辛そうな猫ちゃんの姿が頭から離れませんでした。
これでお別れになってしまったらどうしよう。
入院ではなく、お家に帰ってきてもらった方が良かったのではないか。
本当に検査を受けることが、あの子の為になるのだろうかと何度も何度も考えていました。