徹底解剖! 「タクシー営業企画部」の仕事とは?
ご乗車ありがとうございます。
日本交通(株)新卒採用担当です。
今回は、「日本交通のタクシー乗務員以外のお仕事」を徹底解剖します!
ぶっちゃけ、タクシー会社の乗務ではない仕事って社外の方からするとほとんどイメージが湧かないのではないでしょうか?
そこで今回は当社の「タクシー営業企画部」をピックアップ。新卒で日本交通に入社し、現在は営業企画に所属している社員2名と新卒採用人事1名で座談会を開催しました。その模様をお届けします!
座談会登壇社員
田中雄大
岡村 彪我
営業企画の仕事内容について
田中 仕事内容の質問が一番難しいね……ルーティンワークがほぼないから。僕で言うと、まず日本交通の業務提携会社(グループ会社)への業務提携料の請求書を作ったり、今だと主に岡村さんだけど乗務員用の接客マニュアルを作ったりしてる。
岡村 日本交通は変化の大きい会社だから、やることはその時々で全然変わってきますね。
――その”業務提携料の請求書作成”というのはどういう仕事ですか?
田中 業務提携料は、一般的に言う”フランチャイズフィー”のような、看板料のことだね。日本交通の看板を使ってタクシー営業している分のお金を、グループ各社から毎月の売上に応じて集めています。
あとは日本交通から備品(たとえば乗務員用のネクタイなど)をグループ会社が買うこともある。そういったものは営業企画でまとめます。それを各社に毎月請求するという感じ。
岡村 ただグループ会社と言っても、コンビニのチェーン展開みたいなイメージとは違うかも。我々は営利目的じゃないので。
田中 コンビニのフィーは30%くらいらしいですね。それに比べたら良心価格だと思いますよ。
――業務的にはグループ会社と関わることが多いんですね。実際そういった営業所に行くこともありますか?
田中 岡村さん、この前行ってたね。
岡村 そうですね。そこはルーティン業務にはなってないけど、たまに営業所へ顔を出すことはあります。
田中 今年改めてやりだしたんだっけ?
岡村 グループ会社の内勤職員も変化がありましたからね。加えて、コロナ禍の間にリアル会議がなくなってしまったので、顔合わせを兼ねて、今年(2023年)の夏に部内で分担して都内のグループ全社回りました。
――営業所に行ってどんな話を?
田中 「最近どんな感じですか?」っていう調子伺いだね。会議で言いづらいことや要望をヒアリングする。
岡村 我々の大きい仕事のテーマは「橋渡し」なんです。本社の各部署とグループ会社のつなぎ役。もちろん各社から直接総務などの担当部署に連絡を取り合うこともあるけど、これ何だろう?と困ったときには営業企画が助ける、そんなスタンスですね。
もう1個はグループ全体を取りまとめているっていう要素もあるから、「日本交通のタクシー」のルールや大まかな方向性決めをやることもある。最近だと、スタンダードマニュアル77(※日本交通タクシー乗務員の接客マニュアル)の改訂もそうだね。
――グループ会社からしたら、営業企画というのは本社にいる一番話しやすい人たちってことですか?
田中 そうありたいよね。
岡村 そうであるべきですね。
田中 サービスの運用について「これってどうしたらいいですか?」って質問は、DMでけっこう来るよ。
岡村 タイミングが合えばグループ会社の職員さんや社長さんと飲みに行くこともあります!
――営業企画っていう部署名ですけど、営業や企画をすることってあるんですか?
田中 自分たちが企画を作るというより、新しく開始するサービス等をどう運用するか、どうやってグループ各社に周知したりするかって仕事です。営業はないね(笑)。
1日の仕事の流れ
――1日の業務の流れを紙に書いて教えてください。このまま記事に載せますので。
田中 難しいな~。なんだろ……
岡村 出勤場所も色々あるしな~。僕なんか、好き放題いろんな営業所行っちゃうし。
田中 (やべっ、字わかんね)
岡村 (「こんな学がないやつでもこの会社はやっていけるんだ」って逆に学生さんに安心してもらえるかもしれないですよ)
田中 (これこのまま載るの? マジ?)
――(はい)
――本社出勤の日、めっちゃ会議が多いですね。
岡村 そうですね。タクシー部のほぼすべての会議に出ます。今は突発的な案件が多すぎてあまりできてないですがね。基本はタクシー部のいろんな会議があって、昨日なら配車会議、所次長会議、午後から品質会議、15時からは中身は言えないけど会議がありました。
――会議は営業企画が司会として入るんですか?
岡村 タクシー部の会議については基本は現場の職員さんが回してます。僕らが回すのは「役員報告会」など、グループ全体が絡む会議ですね。
――その「役員報告会」とは?
岡村 本体営業所は月に1回「職員会議」というのがあって、そこには社長以下役員が参加して、営業所職員が営業所の収支や採用・事故等、営業所の現状と課題の報告をするんです。一方「役員報告会」というのは、本体以外の直系子会社が報告をする会のことです。営業企画が担当するのは、その会議進行と各社が報告用に使う資料の取りまとめですね。資料内の数字が間違ってたら会議に先立って修正してもらうなど。
――ほぼすべての会議に出る?
田中 なるべくね。営業企画は会社のことを把握しておくべき部署だから、会議に出て会社のことは知っておかないといけないってこと。
印象に残っている仕事
――今までやった仕事で印象に残っていることは?
田中 今で言うとニセコモデル(※)関係ですね。ちょっと前に沖縄にも乗務員さんが出向したことがあって、それに携われたことが印象に残っています。自分がメインで携われたのは大きかった。
――面白そう。具体的に教えてください!
田中 主に打ち合わせですね。例えば車両の手配や遠隔点呼の打ち合わせ。タクシーアプリ会社のGOとのやり取りや、札幌の北海道ハイヤー協会の方とやり取りすることもあります。
――この全体ミーティング(10時~12時)ではどんなことを決めたんです?
田中 ニセコモデルをやるにあたって、派遣する乗務員さんたちの宿泊場所や食事をどうするかなど実際の運用面について議論しました。GOが全体のスキームを決めたものを、日本交通が実際に運行するにあたって具体的にこのように落とし込んでいきますということを話しました。
――細かいところの調整を各所と詰めるというイメージですか?
田中 そう。その会議では決定事項についての報告を受けて、それに対して疑問点を聞いたり、提出しないといけない書類を準備したり、そういうことをやってたかな。
あとは社内調整。乗務員を派遣するにも、従来の歩合給でやるのか固定給にするのか・一人暮らしの人の派遣期間中の家賃をどうするのか・福利厚生はどうか……そういうことを本社の人事や総務と打ち合わせして詳細を決めます。いろんな部署やGOの方と話すので、いろんな人との関わりができたのは面白かったね。
――札幌へも出張したんですよね?
田中 2回くらい行ってきた。今週の日曜も行くね。ニセコの出発式が18日(2023年12月)にあるから。最初出ない予定だったのが、上司から田中さんも参加して!って言われて(笑)。
――この遠隔点呼ミーティング(13時~14時)とは?
田中 今葛西営業所とニセコの営業所の間で、遠隔点呼っていうのをしてます。普段は対面で点呼(※)するんだけど、今は運行管理者が向こうに常駐していない状態だから、遠隔でやる必要がある。現地で運用する前に、ちゃんと機材を使って遠隔で点呼できるか、本社と葛西の間でトライアルとしてやってみたってこと。今、ニセコの方で問題なくできてるそうだから大丈夫なんだろうね。
――社内・社外の調整役が多い……!
岡村 料理で言うと塩コショウみたいな役割ですね。味を調える。これ、恥ずかしいので記事には書かないでください(笑)。(編注:書きました。)
――岡村さんの印象に残った仕事は?
岡村 仕事とは逸れるけど、ちょっと前は現場の運行管理者をやっていたんですが(※経歴参照)、営業企画に来てからは「当時あんなに悩むこともなかったな」って思うようになりましたね。営業企画になって全体を外から見る立場になったので、冷静に物事を見れるようになったという意味では、自分の視点の変化は印象的。
あと、田中さんのニセコの案件もそうだけど、いろんな案件が舞い降りてくる部署なので刺激はありますね。飽きることはない部署です。
――誰がどの案件を担当するかはどう決まるんですか?
岡村 基本は皆で協議して一個のタスクを片付けるスタンスだよね。でも田中さんはグループ会社の仕事やデータまとめなどの細かい仕事が多いし、僕は主に本体と直系子会社関連の仕事が多いっていうふうにふんわり決まってる。
GOの施策を日本交通でやるときには営業企画で対応して、実際の運用方法を、現場とも相談しあって詰めたりする。
――GOとの施策は、たとえばどんな?
岡村 最近だと、GO PREMIUM(GOアプリで高級ワンボックス車を呼べるサービス)をGOが始めるときに、どうやったら実施できるかを決めました。実際に運行させたときに、どれくらい利益が出るのかざっくり試算しながらね。
田中 今は終わったけどGO Dineもやってたよ。(※GO Dine:タクシーによる食事のデリバリーサービス。2023年7月31日をもってサービス終了)
――GOから来た企画を実現するときは、営業企画が動くってことですか?
岡村 そうだね。GOも新しいことを始める時、営業所にいきなり「これやります!」じゃなくて一回営業企画を挟むので「こういう風にしようと思うんですけどどうですか」「導入にあたって現場の懸念点とかありますか」とかを詰めるんです。
いきなり現場に伝えると現場は大混乱して質問が飛び交いすぎるから、そこを前もって調整しておくのが営業企画。
――本社とグループ会社の橋渡しだけでなく、GOと営業所の橋渡しもしているんですね!
岡村 そうですね。営業企画は何でもそういうポジション(笑)。田中さんのニセコの件も、GOと日本交通の橋渡しでもありつつ、北海道ハイヤー協会とも橋渡ししつつってことですもんね。
仕事のやりがい
岡村 シンプルに嬉しいのは現場の職員さんのサポートをして感謝されたときですね。報告会の資料でも「所長、ここ違いますよ!」って言ったときに「ありがとな! 助かった!」って言われるのは嬉しいですね。
田中 そうそう。依頼や質問が来てそれに答えられたときとか。
岡村 「これってどんなルールでしたっけ?」とか。グループ会社の社長さんと連絡取ることがたまーにあるんですけど、そういうときフランクに接してくださるのが嬉しいです。
仕事において大変なこと
岡村 大変なことはないっすね、正直。でも、学生さん向けの記事で大変なことないって書いたら、逆にこの会社大丈夫かって思われません?(笑)
――(笑)。無いって言えるのはどうしてなんです?
岡村 そう思ってないからとしか言えないな。タイムリーな話をすると、先輩が一人異動しちゃうからそのプレッシャーはあるけど、ある意味それもチャンスだとも思うし。田中さんは?
田中 ニセコが始まったから落ち着いた。暇なときは大変だけど。
岡村 そう! 逆に暇なときが大変! やることないし、とりあえず営業所に顔出してみるか~って感じ。(※2024年2月現在はとても忙しいです by田中・岡村)
田中 営業企画はそれが大事だよね。
営業企画に適性があるのってどんな人?
岡村 フットワークは軽くないとできないですね。フットワークが重い人が営業企画に来たら、評価されないかもしれない。
田中 あといろんな人と連絡を取らないといけないので、他人とのコミュニケーションが取れる人がいいです。僕、実は人見知りするタイプなんすよ。でもこの部署でいろんな人とやり取りするようになって、自然と改善されていきました。いろんな人と仲良く、でも言う時は言うってスタンスが大事です。
乗務員経験が活きたこと
田中 前はけっこうあったんですけど、もう僕、乗務員を降りて結構たってるから、今のアプリ配車の経験がなくてわからないことも増えてきましたね。それで言うと岡村さんは、比較的最近まで乗ってたからどう?
岡村 シンプルに話のタネになりますね。それに、グループ会社の社長さん含めて、現場の職員さんとコミュニケーションを取るときは、乗務員さんの気持ちは分かっていないといけないので、そこで活きてます。
「新しく何かをやります」ってときに「乗務員さんはこう思うだろうな」っていうのを前もってわかっていないと説明が難しい。いざ質問が飛んできたときに答えられないから。
そういう意味では活きたというか、乗務員を経験していないとこの仕事は無理です。新卒で乗務員経験ゼロでうちの部署っていうのはできないです。もっと言うと営業所職員の経験もないと難しいと思います。
――営業所職員の経験はどう活きてます?
岡村 まだ異動して日が浅いので、今の営業所のタスク量や現場の感覚とかが分かります。ルールはこうだけど実際現場はこう回しているという具体の部分ですね。営業企画内で「これって営業所ではどうだろうね」って話になったときに、ぱっと「今現場はこうやってます」と言える。
新しいルールを社内に周知させるときの流れは
①まず営業企画でルールを決める
②それを各営業所に周知する
③各営業所から乗務員さんに伝える
という流れなんですが、するとそのルールに対して乗務員さんから職員さんに質問が来るわけです。
それを職員さんも分かっているから、自分たちでも新しいルールを噛み砕いて想像して、乗務員さんからの質問に前もって準備します。その過程で職員さんからこちらに確認の質問が来ます。こういう場合はどうなの?とか。職員経験があるからこそ、職員さんが知りたいことを逆算して前持った準備ができるんですよね。
二人の座右の銘は?
「なんとかなる」
田中 物事ってだいたいそう。やばいなって思ってもなんとかなっちゃうじゃないですか。今までなんとかならなかったことってある?
――ないです……!
岡村 致命傷以外はかすり傷。これは恵豊自動車時代に所長から言われたことの受け売りですけど。「これ結構重大な案件じゃないですか?」って言っても「大丈夫、大丈夫」って構えている方でした。要は慌て過ぎないようにということです。最初「頑張ってれば」も頭につけたけど、なくていいよ。
田中・岡村 なんとかなる!(ドン!)
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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インタビュー実施:2023年12月14日
協力:タクシー営業企画部 田中さん・岡村さん
Text、Interview:飛田 Photo:堀江