テストがなくなって嘆くのは誰か
子どもの通う小学校で、なんとペーパーテストが廃止された。
新学期からきた新しい校長先生が改革したらしい。
このまえの懇談会で知ってびっくりした。
厳密には国語や社会など一部のテストのみ、らしいけど、なかなかの改革だと思う。公立小学校でも、できちゃうものなんだね。
懇談会で直接校長の説明があったんだけど、情熱的に語っていた。
趣旨はこんな感じ。
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これからの学校教育はどうあるべきか、先生達も模索しています。
だって、知識だけをつけていても、コンピューターには敵わないじゃないですか。今までみたいに、4つの中から正解を選びなさいなんてテストで測れる力で、将来本当に役に立ちますか。
本来学びというのは、もっと深く、周りの友達との話し合いや気付きを通して高め合うもので、それが人間にしかできないことなんです。
コロナで3年間、話し合いも思うようにできず、学びを深め高めることが難しかった。
同時にその重要性にも気づきました。
まずはペーパーテストを廃止して、だったらどうやって子どもたちを評価するのかを今、先生たちは賢明に話し合っています。
前例が少ない中ではありますが、ご理解ご協力をおねがいします。
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新しいもの好きなので、素直に「へぇーいいね!」と思った。
横をちらりと見ると、うなずいている先生もいれば下を向いている先生もいたので、現場には色々あるんだろうな…と思ったけど、変化が苦手な学校で断行したのはすごいことだ。
「とりあえずテストやめてみよ」でスタートしちゃってから、対策を考えるってのも良い。
変化が苦手な集団は、やる前に100%の準備をしようとする傾向があるから、結局「やらない言い訳」まみれになったりする。
結果、コロナとか不祥事とか、どうしようもない状況になって初めて慌てて話し合うというのがほとんどだと思う(学校だけでなく)。
いやーすごいなぁ、いいねいいね、と夕飯のときに子どもたちにワクワクで聞いてみたら、反応は意外なものだった。
「ノートきちんと書かなきゃいけないから、テストのほうが楽だった」というのだ。
うーん、そうかぁ。
確かに自分が小学生でも、楽な方が良いと思っちゃうだろう。
その力が将来役に立たなかった、なんて大人になってから振り返って、初めて分かる。
仕事の成果だって、ノルマとか時間とか数字でわかりやすいほうが楽だし、納得感があるもんな。
じゃあノートとか生活態度なんかも点数化して評価すれば良いのかってなると、昨日読んだやり過ぎ教育みたいになるのよね。
今は過渡期だから、試行錯誤していくものなんだろうけど、正解がないというのは難しいね。
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