【実像】道半ばの「政策株」縮減 株価水準・取引先の応諾がカギ
損害保険業界で発生した不祥事に伴い、政策保有株式に再び焦点が当たっている。銀行界では縮減に向けた動きが進展してきたものの、まだ道半ばだ。政策保有目的から純投資目的へ区分変更した銘柄の合理性の説明や、保有目的を記載した文面の具体化、持ち合い株式の売却交渉など、対応すべき難題は依然として多い。縮減に向けた課題を探った。
試されるゼロへの道
大手損保4社は、企業向け共同保険の保険料を調整したとして、金融庁から2023年12月に業務改善命令を受けた。問題が起きた原因の一つとして指摘されたのが、「政策保有株式」だ。持ち合い株式の割合が、保険契約の幹事やシェア獲得に影響するため、各社は持ち合いの形を選んでいた。大手損保4社は、不正の温床となった政策保有株式の縮減に向けた業務改善計画を提出。30~31年末までに「ゼロ」とする方針を定めた。削減額は、4社合計で6兆円を超える。
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