政投銀、移行金融支援を加速 〝起債〟で資金需要の受け皿に
日本政策投資銀行は、邦銀初のトランジションボンド(移行債)発行によるリスクマネー供給などで温室効果ガス(GHG)多排出産業の脱・低炭素化支援を加速している。2月に「GX経済移行債」を世界で初めて発行した政府の動きに呼応。関連プロジェクトの資金需要の受け皿を拡充しつつ、「移行金融」に対する民間企業・投資家の認知度を高め、化石燃料依存の高い国内の円滑なグリーン社会実現を後押しする。
「全ての産業が〝一足飛び〟に脱炭素化が可能なわけではない。トランジションの役割はとても重要」(財務部)。石油・石炭燃料の割合が高いエネルギー構成の日本。急進的な脱炭素化は既存のビジネスモデルに打撃を与える恐れがあるため、中長期計画に基づく段階的なグリーン社会への移行が不可欠。グリーンボンド(ローン)などでの調達が難しい電力・ガスや鉄鋼といったGHG多排出産業では、トランジションファイナンス(移行金融)による調達ニーズが増している。
2023年度に策定のトランジション方針に基づき、大手・中堅企業への資金供給や課題解決支援を推し進める政投銀は、今夏にギアを一段上げた。
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