真・女神転生3を遊んで「センスねーな」と思った話
まず最初に言っておきたいのは、このゲームの世界観と根幹にある戦闘、育成のシステムは大変良く出来ていて面白いという事、
そして、私が遊んだのは、オリジナル版ではなく、Steamで公開されているPC版であるという事。
そして、自分自身も遊ばずに文句を言っている訳ではなく、一通り強いと言われている悪魔を作成し、裏ボスまで倒した上で感想を書いているという事もご承知おきください。
ベルゼブブにアイアンクロウも覚えさせました。
問題点1:ダンジョンの構成が悪い
プレイヤーと仲間のHP, MP, アイテムの所持量などの総合した資源の量が、
一個のダンジョンを攻略するのに必要な量にやや足りない、
もしくはギリギリ足りる程度に調整されている事が多く、これがストレス。
特にMPは終盤まで安定した回復手段というものが存在せず、
回復薬の仲間や、ボス戦で活躍して欲しい仲間のMPが枯渇すると、
冒険を切り上げて、回復できる拠点まで帰らざるを得ない。
確かに資源管理はRPGの面白さの肝の一つである。
しかし、やはりそこの調整も厳しくしすぎれば、
「難しさ」ではなく、単なる「理不尽」になってしまうと思う。
ある程度どれくらいの資源が必要か目途が立っているからこそ、
その準備する工夫や駆け引きというものが成立するのであって、
むやみやたらにダンジョンが長くて、
常に資源が足りないというのは、理不尽な初見殺しのようなものだ。
そして、何より後述する、ダンジョン内のパズルのつまらなさや、
戦闘のバランスの悪さと組み合わさる事で、
ダンジョンの長さというのが駄目な要素になっていると思う。
問題点2:ダンジョン内のパズルがつまらない
言語化するのが難しいというか、
言葉だけで伝えるのがやや難しい点なのだが、ダンジョン内のパズルが手間がかかるだけで全く面白くない。
ゼルダの伝説のパズルのように、プレイヤーにヒントを与えて、
発想力で解いてもらうようなパズルではなく、
ただ時間と作業量が多くかかるという類のものばかり。
例えばだが、何もない場所にノーヒントで別の地点へワープしてしまうトラップや落とし穴が配置されていれば、
プレイヤーは何か思考して問題を解決するというより、
ひたすら突き進み、ひたすらどのワープトラップでどこにワープするか、
どの落とし穴がどこに落ちるようになっているかを、
ひたすら検証し、記録して、パズルを解かなければいけない。
ゲームの造りとしてもダサいし、すごいストレス。
何なら攻略サイトなどをみて、正解が解った上で進めても、
移動量などが多く、必然的に時間がかかるようになってる。
問題点3:初見殺しばっかりのボス
特定の属性、状態異常の対策をしていないと死ぬボス。
そのボスしかしてこない特殊行動の対策をしていないと死ぬボス。
特殊な倒し方をしないと復活してしまうボス。
これらはRPGの定番ではあるのだが、
こいつらが前述の糞長くてつまらないダンジョンの先に、
ノーヒントで存在しているのが酷すぎると思う。
リトライ性が高いゲームであれば、
一旦死んでもらって、そこで正解の行動を覚えてもらうのでも良いと思うが、
かならずしもボスと回復やセーブの地点が近い訳でもなく、
死ぬほどだるい探索の末に、初見殺しで作業が全部無駄になるのは、
本当にストレス。
これも難易度と単なる全滅率をはき違えた理不尽要素だと思う。
問題点4:万全なチームを作っても運が悪いと雑魚戦で死ぬ
ポケモンが解る人に言うと、
先制で麻痺にされた上に、りゅうのまいを二回積んだギャラドス、カイリューあたりの相手をさせられるというのに近い状況が起こる。
弱点の属性を突かれると、相手の行動回数が増えるという仕組みと、
状態異常の強さがこの原因なのだが、
序盤から中盤はプレイヤーも仲間もその弱点属性をカバーしたり、
状態異常を予防するような手段が乏しく、これが原因で簡単に死ねる。
無茶苦茶準備しまくれば大丈夫なんだというような事を言う人がいるかもしれないが、少なくとも普通程度の準備だと、そういう事が割と起きる。
というか、その辺はネット上でも似たような感想を上げている人がいるので、参考にして欲しい。アトラスゲームの売りの一つでもあるらしい。
問題点5:演出が長すぎる
戦闘、移動などの合間に入る演出が長すぎる。
プレイヤーは、ある設備を利用して、セーブをしたり、ダンジョンは町の間を移動したりする事が可能なのだが、セーブとワープの度にその設備が起動するアニメーションを見せられる。繰り返し何度も移動しなければいけない場面も多いため、長時間遊んでいるとこれが無茶苦茶ストレス。
戦闘の技演出もスキップするか、高速化する機能が欲しい。
オリジナル版で調整不足の不便さならしょうがないけど、わざわざPCに移植してるんだから何とかならなかったのかな、と思う。
問題点6:UIの不便さ
演出の長さとややつながる部分があるのだが、
仲間のステータスの確認方法とかがごちゃごちゃしすぎ。
あと、なんか演出アニメーションの後の切り替わりとか、
選択肢の選択後の切り替わりとかが、
やたらボタンが軽くパッと進んでしまう場面と、
逆になんかヌルっとゆっくり切り替わる場面があって、
焦って「決定」ボタンを連打してると、間違えた選択をしてしまう事が多々ある。
問題点7:不必要な不便さ
RPGにありがちなダンジョン脱出用のアイテムとか、長距離をその場で移動できるような手段が無い。
毎回セーブポイントに向かって、そこで長い演出を見た後、移動しなければいけない。
別に難しさにも、面白さにも繋がってないと思う。
総評
全体的に難しさと、単なる全滅のしやすさ、理不尽さ、不便さの違いがわかっていないなという印象でした。
ストーリーの演出やビジュアル、設定などかっこい部分が多く、総合したクオリティは決して低くないのですが、同時期にFF10、同じアトラスでも数年後にペルソナ4などが生まれている事を考慮すると、ややセンスの無さが光るというか、まぁマニア向けの作品という位置づけにはなってしまって当然という感想でした。