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資産形成の備忘メモ ~総合商社の株式がオススメな理由②~

オススメの株式と説明しながら、「そこそこ有能な」ディーラーがいるアクティブファンドと説明しました。なぜ、「そこそこ有能な」という但し書きを付けながらも、総合商社の銘柄を購入しようとしているのか?ということをまとめていきます。

直近10年間の商社銘柄の株価推移

まず、商社の株価推移を見てみます。

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こちらの図は、日経平均と商社5社の株価をまとめたものになります。2010年1月の始値を100として推移をまとめており、月ごとの月初めの営業日の終値をプロットした図になります。
(※豊通の時価総額が丸紅を超えたため、丸紅ではなく豊通を記載)

日経平均を見てますと、アベノミクス効果を経て、コロナの影響を受けて、足元では行き場の無い資金が流入したことに伴い、上昇していることが見て取れます。

商社の株価を見ると必ずしも日経平均と連動しているわけではなく、三菱商事・三井物産・住友商事の株価は2010年頃と比較して、大きく差はないことが見て取れます。それまでの株価の推移を見ても日経平均の推移よりもビハインドしていることが見えます。

一方で、伊藤忠の株価は日経平均より大きく上昇していますが、岡藤氏(現会長CEO)の影響および市場からの期待感や個人への人気などの影響が出ていると思われるので、例外的な値の外れ値として考えています。

このように株価上昇によるキャピタルゲイン(値上がり益)が期待できない銘柄に見えるわけですが、それでも保有したいと考えている理由は確実に出る配当金になります。

直近10年間の商社銘柄の配当について

こちらに、配当金および配当金利回りについてまとめています。

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これらの図は、各会計年度の配当金および配当金利回りについてまとめています。こちらを見て気がつくことがあります。ざっくり見て、配当金が大きくなっていることが見て取れます。また、株価を加味すると、株価それ自体が大きく上昇していない三菱商事・三井物産・住友商事は、10年間で配当利回りが3倍程度に上昇しており、一方で株価自体が大きく上昇している伊藤忠でも10年間で配当利回りが2倍程の上昇が見られます。

2010年3月期には既に資源関連の投資が花開いており、当期純利益が数千億円まで上昇していた段階で、そこから大きく配当性向に関する考え方を商社側が変えて、配当額が継続的に上昇していることが見て取れます。

特筆すべきは、三菱商事・三井物産は連結赤字を計上していた2016年3月期のタイミングでも、両社は配当を実施しています。これらのことから、直近10年間で商社サイドの配当に関する考え方が変わっているのではないかと感じます。

「とりあえず、何が何でも配当は出す」という考え方が商社サイドに根付いており、中長期的な保有によりインカムゲインは手堅く期待できると考えています。

まとめ

総合商社の銘柄は、キャピタルゲインを大きく望むことは難しい銘柄かもしれないですが、既に日本国内の中で比較できる企業が無いくらい事業を多角化しているため、『何かが悪くても、何かが良い』というザックリした理解をすることができ、各社の中で勝手に最適化を目指して事業ポートフォリオを組み直してくれる企業体になります。

このため、「そこそこ有能な」ディーラーがいるアクティブファンドして考えています。決して、インデックス投信に勝てるわけでは無いのですが、元本割れは可能な限り回避しながら、継続して配当は出してくれるファンドのようなものです。一般的なアクティブファンドは数%の手数料が毎年必要になりますが、単体銘柄を保有しているのであれば、保有することに対する手数料もかからないので(売買時に証券会社ごとで定めている手数料が必要)、下手にアクティブファンドに手を出すことと比べて、総合商社の銘柄を抑えておくことはアリかといえます。

総合商社の銘柄と同時並行的に購入を行っていく「再投資型」インデックス投信は、時間が経過することで価値を高めていきます。これに対して、総合商社は配当をしっかり出してくれるので、決算期毎に小金をもらいたいという人(私も配当が魅力なので保持しています。その配当金は基本的に再投資になりますが・・・笑)に対してオススメな銘柄です。


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