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多文化共存から共生へ 都市計画 / デザインにできることは? 「世界難民の日」に考えてみた

「都市計画は分断を生むのか?共生を生むのか?北欧及び日本における多文化共生」小池 直己 日建設計 都市・社会基盤部門 都市デザイングループ アソシエイト 難民/移民とは?国連高等難民弁務官事務所(UNHCR)によると、世界で紛争や迫害により故郷を追われた人は1.2億人。ほぼ日本の人口と同じです。難民は紛争や迫害など、自発的でない理由で移動を強いられる人々、移民は本来の居住地を離れて移動をしたあらゆる人々を示します。難民と移民は別個のものではなく、移民の中の一部の人々が難民で

大阪PYNT|町工場の技術と設計者の視点で「ゴムとものづくり」の新たな可能性を開く

福山 久美子 日建設計 コーポレート部門 広報室 アソシエイト オープンイノベーションを支援する共創プラットフォーム日建設計「PYNT」、大阪へ展開日建設計は2023年4月、東京オフィスのリ・デザインを皮切りに、各拠点の刷新にあわせた新たなワークプレイスの実証的取り組みを開始しました。東京本社ビルの3階には、社外の共創パートナーとのオープンイノベーションにより、複雑な社会課題の解決を目指し、まちの未来に新しい選択肢をつくる共創の場として「PYNT(ピント)」が新設されました

中長期目線で「ありたいまちの未来」を実現するPYNTの「FUTURE COLLECTIVES」とは?

吉備 友理恵 日建設計 イノベーションデザインセンター 柄澤 薫冬 日建設計総合研究所 都市部門 「まちの未来に新しい選択肢をつくる」共創プラットフォーム:PYNTPYNT(ピント)は、「さまざまな専門性や課題意識をもつゲスト」と「建築や都市の専門家」をつなぎ、まちの未来に新しい選択肢をつくる“共創の場”。 まちと暮らしを自分たちで良くしていくための新たなアイデアや仕組みを生み出します。 PYNTが掲げる「ありたいまちの未来」:FUTURE COLLECTIVESPYNT

2050年のリジェネラティブな都市とは ~新たな繋がりをいかにデザインするか?「NIKKEN NEXT MISSION」3rd SEMINAR

石川 貴之  日建設計総合研究所 取締役所長 リジェネラティブな都市 2050に向けた萌芽金行美佳:まずは日建グループから、金行、佐藤の順でインプットをいたします。現在、都市づくりを取り巻く課題として、「都市の均質化」「生活スタイルの多様化」があげられます。また、自然災害など予測不可能な事象が多く発生する中、「自立した都市づくりの必要性」も説かれています。そこで、環境や社会・経済の持続可能性を超えて、積極的に改善し再生する「リジェネラティブな都市づくり」が注目されています。

2050年の自然とコミュニティ 「みどり」を「Commons」に変えるには?〜都心と地域のデザインアプローチ 「NIKKEN NEXT MISSION」2nd SEMINAR

石川 貴之 株式会社日建設計総合研究所 代表取締役所長 これからの未来は「不確実」で「非連続的なこと」が起きると言われる今、そのような未来の社会や都市を見据えた時、私たち日建グループは「どのような中長期的な視点を持ち、どのような市場と課題を捉えて都市・環境ビジネスに取り組むことができるのか?このような問いを立て、社内外の人々と議論していくこととしました。   「NIKKEN NEXT MISSION SEMINAR」と名付けたこのイベント。第2回目のテーマは「2050年の自

地域の視点(レンズ)から、都市の未来を構想する。日建設計×ゼブラによる共創事業「FUTURE LENS」に込めた思い

大松 敦 日建設計 代表取締役社長 吉備 友理恵 日建設計 イノベーションデザインセンター 人、組織と建物、都市をつなぐ、日建設計の社会環境デザイン阿座上:日建設計は大規模な都市開発などを手掛けています。改めて業務内容や大切にしている価値観を教えてください。 大松:日建設計は「社会環境デザイン」を行う会社です。街や建物といった目に見えるもののデザインだけではなく、その根底にある仕組みや制度、条例、組織、あるいはステイクホルダーとの「つながり」をデザインしています。 社会

「2050年の社会とビジネス」を考える –「NIKKEN NEXT MISSION」1st SEMINAR

石川 貴之 株式会社日建設計総合研究所 代表取締役所長 「NIKKEN NEXT MISSION SEMINAR」と名付けたこのイベント。第1回目のテーマは「2050年の社会とビジネス」です。ゲストには、アントレプレナー・フューチャリストの小川和也さん、エデルマン・グローバル・アドバイザリー マネージングディレクター兼日本代表の郡裕一さんをお招きし、日建設計から都市計画部長の西館沙織、設計グループ部長の羽鳥達也の2名をパネリストに加え、取締役常務執行役員の奥森清喜をファシリ

"Climate Migrants"気候難民とわたしたち ―2050年までに全世界で2億人―

藤村 美華 日建設計 海外事業部門 海外拠点グループ 石橋 七都希 日建設計 コーポレート部門 コーポレートグループ 今回のイベントは、日本が2023年末より第2回グローバル難民フォーラムの共同議長国を務めることを受け、国連UNHCR協会との「ONE MORE STEP INITIATIVE JAPAN」プロジェクトとコラボし、日建設計の有志のグループ「難民を考える会」が内容を検討、日建設計の気候変動への取り組みと難民問題を重ね、「気候難民」をテーマとして企画しました。

”+エアモビリティ”のまちづくり|空飛ぶクルマで未来のまちはどう変わる?

渡邉 修一 日建設計 設計監理部門 グローバルデザイングループ 兼 都市・社会基盤部門 スカイスケープデザインラボ課 スピーカーと取り組みのご紹介伊藤 貴紀さん(以下敬称略):まずは、経済産業省に所属していた時、なぜ空飛ぶクルマのための「次世代空モビリティ政策」を立ち上げたか、基本的な概観を話します。 エアモビリティに明確な定義はないものの、「電動」「自動」「垂直離着陸」が1つの共通イメージです。自動車が電動化・自動化するのと同様、航空機も電動化・自動化が目指されています

渋谷で2万人が帰宅困難に!? 災害時の行動変容を促す、ハードとソフトのデザインとは

染谷朝幸 日建設計 テックデザイングループ SDL(Safety Design Lab) ダイレクター スピーカーと取り組みのご紹介金山淳吾さん(一般社団法人渋谷未来デザイン ジェネラルプロデューサー / 渋谷区観光協会代表理事、以下敬称略):私は渋谷区の新しい観光資源づくりや文化イベントのプロデュースなどに携わってきました。今日のゲストの牧野さん、小野川さんと同じく、広告業界出身です。広告プロデューサー的な視点で、渋谷という街の運営について考えています。   牧野圭太さん

人にとって良い ”生物多様性” とは?| まちも、森も、家も、ヒトも、生物多様性!

須藤 伸孝 日建設計 都市・社会基盤部門 都市デザイングループ ランドスケープ設計部 ランドスケープアーキテクト スピーカーと生物多様性に関する活動のご紹介藤木庄五郎さん(株式会社バイオーム 代表取締役、以下敬称略):バイオームは生物多様性の保全をビジネスにすることを目指す、2017年設立のベンチャーです。私自身は京都大学で生態学を研究し、マレーシアのボルネオ島で2年以上キャンプ生活を送るなどの経験の積み重ねから、「環境を守るには、経済活動の中で生物を守っていく必要がある」

Web3×まちづくりの可能性|ブロックチェーンでまちづくりはどう変わる? 地域資源活用から市民参加まで

小松航樹 日建設計総合研究所 都市部門 研究員 道家浩平 日建設計 都市社会基盤部門 都市開発グループ 都市開発部 プランナー まず、Web3とはなにか?Web3は一般的に、ブロックチェーン技術を使って実現する、特定の管理者がいない分散型ネットワークと定義されます。Web1.0は、Googleの検索結果に出てくるような、一部の配信者から一方通行の情報の流れがある状態。Web2.0は、SNSのように、双方向の発信ができるもの。Web3は、参加者全員が分散して、データを保持・保

インクルーシブなデザインをどう考える? |当事者の視点を交えたプロジェクトをつくるには

車戸高介 日建設計 都市・社会基盤部門 都市開発グループ 企画開発部 プランナー なぜ今「インクルーシブデザイン」なのか?車戸高介さん(日建設計 都市開発部):今、世界の人口の15パーセント、約13億人が障がいを持っている(*1)と言われており、大きなインパクトとなっています。そういった方々がより社会参加できる、サステイナブルな社会の実現に向けたダイバーシティ&インクルージョン(D&I)が求められています。 一方、日本財団のD&Iに関する意識調査(*2)では、「日本社会に