ブランディングを始めたBtoB企業によくある悩み話
皆様こんにちは。日経リサーチ ブランドチームの有馬です。私はこれまでBtoB、BtoC問わずブランド調査の企画・実施を担当してきました。最近ではBtoB企業の新規サービスの受容性調査やCS調査等も担当しています。
ブランディングに力を入れ始めたBtoB企業の担当者とお話をする際によくきかれる質問があります。今回はその中から2つの質問をご紹介します。
「認知が低いからブランド調査は意味がない?」
この質問は建設業の方からいただきました。お話を伺うとブランドの現状把握をしたいが、一般生活者の認知はほぼないだろうから調査の意味があるのかというお悩みでした。たしかにブランド認知者や理解者でないとその企業との接点やイメージなどを答えるのは難しいです。
そのためBtoB企業のブランド力を測るときは、大きく一般生活者全体を対象とするのではなく、調査の目的に応じて細かいターゲット設定が必要になります。例えば同業者におけるブランドの立ち位置把握であれば建設業従事者など、認知が見込めるターゲットに絞って調査を始めるのがよいでしょう。
またリクルーティングに課題を感じているのであれば学生やその親などをターゲットにすることも考えられます。
まずは調査目的に立ち返り、何を明らかにしたいかに応じてターゲット設定をしていきましょう。
「ブランディングに取り組むBtoB企業はどんな指標を追っている?」
こちらはとある素材メーカーさんからいただいた質問です。その企業はあまりブランディングに力を入れてこなかったものの、市場環境の変化をうけて差別化のためにブランディングに取り組みたいとのニーズを持たれていました。
指標というと例えば認知度や取引意向、継続意向などが思い浮かぶかもしれませんが、それ以外にBtoB企業のブランディングでいうと以下のような指標も挙げられます。
【ビジネスパートナー度】その企業が自社の新たな可能性を引き出してくれるかどうか
【ビジネス有用度】その企業が自社のビジネスにおいてどの程度役立つか
その素材メーカーさんは今後グローバル市場の強化にあたり、企業パートナーを増やしたいと考えており特にビジネスパートナー度を目標とすることになりました。
どうしても調査にあれもこれも盛り込んでしまいたくなりますが、どの指標を重視して見ていくかを調査設計時に決めておかないと分析時に迷ってしまいます。調査目的や今後の戦略を踏まえた調査項目や指標の検討が重要です。
以上、ブランディングに力を入れ始めた企業からよくいただく質問についてご紹介しました。
(日経リサーチ ソリューション本部 ブランドチーム 有馬知也)