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「私には力がない」と思ってしまう 教育者のマインドセット改革 #5
クラスを任されているのに、うまく子ども達をまとめられない。
授業もうまくいかない。
保護者との関係もうまくいかない。
私には力がない…… 教師には向いていないと思う……
教員になる方は基本真面目な気質の方が多いですから、そのように思われる方も多いでしょう。
そういうときって負のループに入ってしまうから、何もかもうまくいかないんですよね。
わかります。その気持ち。私も基本的に根は真面目なので。笑
その負のループから抜け出すには、まず最初に自分自身のマインドセットに気づくことが大事です。
マインドを変えることで、一気に事態が好転することもよくあることです。
自分自身が楽になるために、自分のマインドを振り返ってみましょう。
教育者のマインドセット改革 #5
今回は構成を少し変えてみました。(約3400字)
それでは、いきましょう。
「私には力がない」と思ってしまう
1、現状
クラスに厄介な男の子がいる。
学習が苦手だが、プライドはものすごく高い。
嫌いなことはしないが、好きなことは周りを仕切ってでもやる。
五教科の学習では悪態をついて取り組もうとしないのに、体育はいきいきと活動しており、「好きなことだけする」という態度に嫌悪感を感じている。
子どももこちらを嫌っており、関係は明らかにうまくいっていない。
反抗的な態度をとっている。
それに加えて、2学期に入ってから学校を休みがちになっている。登校した時も別室で他の先生についてもらって、学習をすることもある。
その現状を鑑みて、管理職がクラスに入っている。
しかし、最近体調不良のため、授業準備がおろそかになっており、その授業自体を管理職に見られることもとてもストレスになっている。
毎回管理職に何を言われるかが気になってしまい、そわそわしてしまう。
管理職の前で失敗したくない気持ちがある。
管理職が入らなければならない状況を作っている自分を責め、二重のストレスを感じている。
いつもうまくいかず、どんどんストレスが溜まっていく。
口ぐせのように「私は教師向いていないんです……」と言うようになった。
2、なぜこうなってしまったのか
これだけ先に伝えておきたい。
大丈夫。この方は何も悪くない。
この方も子どもも、ただ「反応」しているだけだからだ。
まず、嫌悪感を感じる、「こいつは嫌だ」と感じる理由は何か。
それは自分の中にある「認めていない自分」もしくは「『認めてはダメだ』と教えられた自分自身の良くない部分」を、相手が好き勝手に披露しているからだ。
本当は自分も「好きなことだけして生きていたい」と思っているのだが、「でも……そんなことは許されない」と信じ込まされている。
「そんなことを認めてはいけない」と思うような経験を積んできているのだ。
だからこそ、彼の在り方が腹立たしくなる。
自分が「好き勝手に生きるのが人生」と教えられ、そのように生きてきていれば、そんな子どもの姿を見たら「いいね。どんどんいこ!」とその在り方を肯定するだろう。
それができるのは、好き勝手に生きる自分を認めているからだ。
「こいつは嫌だ」と思うときというのは、相手が自分のしたかったことをしているときや、「してはいけない」と教えこまれてきたことをしているときだ。
自分が相手を嫌うと、たいていの場合態度に表れる。つまり、相手にとっても自分が敵になる。
明らかな敵意を向けてくる相手に対して、あなたは心を開き、素直に相手の発言を受け入れるだろうか。否である。
今回であれば、相手は子どもだが、こちらが敵と認めれば、子どもも教師が敵になる。
逆に、その在り方とそうならざるを得なかった人生を受け入れ、味方になることができれば、相手も自ずと味方になる。
「私はあなたを認める。私はあなたの味方になる」という気持ちをぶつければ、おのずと壁はなくなっていくだろう。
なかなかそうはできないよ……と思ってしまうのは、先ほどの「認めてはいけない自分」が心の中にいるからだ。
まずは、自分自身の中にある「認められない自分」について知ることが重要。
そのために、嫌いな人がいるのだ。
子どもとの関係がうまくいかないせいで、誰かの力を借りなければならないというのは、教師にとってとてもしんどい状況だ。
その気持ちは、痛いほどよくわかる。
なぜなら、その現状こそが「自分に力がない」ことの証明になるからだ。
邪魔をしているのは、プライドである。
自らの存在意義を証明できないことが、たまらなく苦痛なのだ。
それはつまり、自分自身が「力を証明しなければならない」環境で生きてきたことを意味する。
「勉強ができたらOK」「良い子ならOK」「教師としての力があればOK」のように、条件付きで認められることを条件付き肯定というが、これは今の学力偏重社会では当たり前となっていることである。
「あなたは何もできなくても素晴らしいの」なんて小さい頃から言い聞かせてもらった人は少ないのではないだろうか。
だからこそ私達は、「認められない自分」が多い。ゆえに、嫌いな人が多いのだ。
「どんな人も大好きだ」と言える人は、どんな自分も丸ごと愛されてきた人であり、どんな自分も丸ごと愛すことができている人だ。
そんな人に敵は存在しない。まさに無敵だ。
普通はそうではない。
しかし、それでいいのだ。
そんな自分も愛おしいではないか。
子どもとの関係がうまくいかない自分も愛おしい。
不完全な私も素晴らしい。不完全だからこそ、素晴らしい。
完璧な人間などいないから、助けてもらっていい。
助けてもらったら、助け返せばいい。
そう思えたら、気分がすっと楽になってくるはずだ。
「まぁいっか」と思えたらそれでよい。
3、最強無敵のマインドセットなら
勉強が苦手でしんどいよなあ。
体育は得意だから、そちらで活躍してもらおう。
それぞれが輝ける場所で、輝いたらいいのよ。
子ども達に
「勉強が苦手な人もいるよなぁ。でも体動かすのが得意な人もいるよなあ。
その逆もあるよなあ。どれもいいじゃないの。得意な分野で誰かの役に立って、お互いに助け合えばいいのよ。みんな完璧じゃないからさ。だから、みんなが困ってたら先生が助けるし、先生が困ってたらみんなも助けてちょうだい」
「勉強が苦手でも、あなたは素晴らしいよ」
管理職に、
「どんどん入ってください! お願いします!」
「しんどくて教材研究できてないので、変なこと言ってたら教えてください」
「いつも助かります。ありがとうございます」
「教頭先生が困っている時に、私を呼んでください!」
4、どんなマインドが関わっているか
人はそれぞれにしか分からない地獄を生きている。
嫌いなのは、その行為を「認めていない自分」がいるから。
どんな自分も愛していい。不完全な自分を愛していい。
迷惑はかけるもの。そのかわり、迷惑をかけられたら助ける。
5、まとめ
「力がない」と思ってしまうと、「力がない」ことの理由を探すように脳はできています。その通りに認識してしまいます。
何度も言い聞かせるほどに、その刷り込みは強くなり、うまくいかないことがたくさん起きるでしょう。
そうなるとさらに思い込みを強化してしまう。
これが負のループの仕組みです。
その起点にあるものは自分自身の思い込み。マインドです。
「力がなくても私は素晴らしい」と思えたら、もう楽になれます。
そもそも「力がない」ことにも良さがあるのですよ。
力がないからこそ、助けてもらえるし、人とつながれますしね。
悪いことと捉えなければ、負のループすらも正のループに逆転することができます。
すべては捉え方次第で。
①嫌いな人を見つけたら、自分の中の「認めてはいけない自分」に気づける。
②「そんな自分もいるんだな、そんな思い込みがあるんだな」と認める。
③「そんな自分もいい。私はいつだって素晴らしい」と思い直す。
④相手の人生に思いをはせる。「大変な人生だったんじゃないだろうか」と思えたら◎
この記事を読んでくださっているあなたが、どんな自分も受け入れ、愛することができますように。
教育者のマインドセット改革 #5、これにて終了!
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