見出し画像

あだ名で呼ばれる 教育者のマインドセット改革 #8

子どもがあだ名で呼んでくる。

それが公認であったらいいけども、そうではないとき。
信頼関係ができていないのに、こちらがよくわかりもしないキャラクターの名前で呼んでくる。

そんなとき、あなただったらどんな気持ちになりますか。

真面目な方ほど、そういったイジリが耐えられなくて、どう返せばいいのかわからなくて苦しむのではないでしょうか。

教育者のマインドセット改革 #8
今回は実際にあったことをもとに、考えていきます。
それではいきましょう。


1、現状

相手は小学6年男児。多感なお年頃。

勉強が苦手。片付けも苦手。学校に楽しいことがない。
人と違ったことをして、笑いをとろうとする。
人をいじって笑いをとることが多くなった。

担任には反抗的な態度をとっている。
クラスでとった現在の学級についてのアンケートでは、そういった態度を良く思っていない児童が多数いることがわかっている。

先日、教室に入った時に「先生、〇〇大佐に似とるなあ」と笑いながら言ってきた。
その時は「そのキャラクター知らんけど、それはほめてるの?」と言うと適当にはぐらかしていた。

担任が不在で朝の会を担当することになった。
彼が教室に入ってくるときに、「おはようございます〇〇大佐」と言い、先に来ていた普段から仲の良い二人の友達もクスクス笑っていた。


2、普通なら

〇イライラパターン

なんつー失礼なやつ。

「は? なんて言った? 誰に向かって言ってる!」


〇ズキズキパターン

なんて言い返せばいいんだろう……
でも何も言わなかったら、このままじゃなめられるし……

「あだ名はダメでしょ!」
「何でそんなこと言うの?」


3、最強無敵のマインドセットなら

「おはよう。けど、その呼び方。そのキャラクターのことも知らないし、とても嫌な気持ちになるんだけど。そこでクスクス笑っている二人についても、いい気分じゃない」

「人のことを勝手にあだ名をつけて呼んで、笑っている状況はとても不愉快です。そのような態度をとる人を、先生は大切に扱おうとは思わない。それでも今の関わり方をしたいなら、私はそんなあなたとは仲良くはしないし、話も聞きたくない。そして、あなたが誰かを傷つけるのを全力で邪魔する。それが先生の在り方だから」

「出したものが自分に返ってくるから。気をつけるといい。そして、選んだらいい。どんな自分が好きかを」


4、関係するマインドセット

  1. 自分を大切にするものが、相手を大切にできる

  2. 人は分かり合えるわけがない

  3. 発したものが返ってきている

  4. 人はそれぞれにしかわからない地獄を生きている

  5. 無意識で行動している。自分の意志ではない。

  6. 好きな自分で在り続けること

「嫌な気持ちになった」ということを、そのまま伝えることが大切。
それが伝えられないのは、相手がどう思うかを気にしているから。
関係が崩れるのが怖いから。

自分の気持ちを言わないということは、相手には伝わらないということです。
私達はこの体の都合上、相手のすべてを理解することは絶対にできない。
だから言葉に置き換えて伝えるしかない。

相手に変わってほしければ、自分が変わるしかない。
「自分の気持ちを大切にする」と宣言する人は、他人から気持ちを大切にされます。
逆に自分の気持ちを出さずに隠している人は、相手から理解されず、その気持ちをないがしろにされます。

人のためにと思って、不平不満を言わず、気持ちを押し殺して残業を続けると、「〇〇さんならいつでも残業を頼んでいい」と思われるのと同じです。
自分の気持ちを大切にしないから、相手からも大切にされないのです。

しかし、そんな関わり方をする子は子で、そうならざるを得ない環境を生きてきており、インプットされた情報に対して、無意識の反応をを繰り返しているだけ。

勉強も苦手。楽しいことはない。笑いをとることで自分の承認欲求を満たしているのかもしれない。人をいじることにより、自分は上であるとマウントをとることができる。つまり、マウントをとりたい、とらなければならない人生を生きてきたのかもしれない。

彼の在り方にも理由がある。そう思えたら、怒りの感情は少し収まるのではないでしょうか。

それでも、言うべきことは言います。
その結果彼が何をどんな選択をするかは彼の自由。
自分の在り方を大切にするからこそ、彼の選択の自由も大切にできます。

その結果ぶつかることがあったとしても、それは致し方ないこと。

たいていの場合は、よほどのことがない限り、あえてぶつかる選択をする人は少ないと思います。

もしそのような選択をあえてするとしたら、それはそんなにも「あなたに覚えておいてほしい」のです。自分のことを印象付け、自分という存在を相手の記憶に残したいのです。


5、まとめ

今回のケースは、シンプルですが、たくさんのマインドセットが関わっています。

他人を馬鹿にして、優越感を得る人もいる。
しかしその原因は、誰かに同じように馬鹿にされてマウントとられてきたせいです。
人は与えられてないものを、与えることはできません。

単純にそれが良くないことだと知らない場合も多いです。

しかし、相手を大切にしない言動を繰り返すことで、次は自分が大切にされずに辛い思いをする。そうやって経験を通して学ぶことも、本当はとても重要です。

良い道だけを通ってきた人は、良くないことをする人の気持ちを理解できません。良い子であるだけでは、偏ってしまうのです。
人間は善も悪も併せ持つ不安定な生き物で、教育者はそのような子どもたちを相手にするのですから。

子ども達が良くないことを経験することも重要なのかもしれませんね。

こんなことを言ったら、教師失格だと言われるかもしれません。
しかしながら、どんな経験も他人を理解するためには役に立つのです。
それは事実です。

どんな経験も等価値だ。だったら好きな在り方で生きよう。
それが自分軸の生き方です。
そうやって自分の気持ちを大切に、自分の在り方を大切にしていきたいですね。

このケースでも大切なのは、自分を大切にすること。それが言葉になったものがアイメッセージです。きちんと相手に伝えましょう。
そしてあなたは、あなたの好きな生き方をすればいいのです。


教育者のマインドセット改革 #8、これにて終了!

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

これからも気になる!と思われる方はぜひフォローをお願いします♪


いいなと思ったら応援しよう!