見出し画像

23年8月スキ小説

こんにちは、仁木碧と申します。

8月の「スキ」小説のご紹介です。

「スキ」小説とは、私が記事の「スキ」に対するお礼に設定している小説のことです。
詳しい説明はこちらをどうぞ

先月のスキ小説



1.『ハサミ男』殊能将之

これは普通の探偵小説とは違い、犯人視点の物語です。
美少女を2人を殺害し、ハサミを喉に突き刺すという凶悪な手口から、マスコミやメディアからは「ハサミ男」と呼ばれる主人公。

3人目の被害者となる少女を尾行していたある日、その少女の死体を見付ける。その喉にはハサミが突き刺さっていた。
自分ではない誰かが、自分の次のターゲットを殺していた。しかも自分と同じ方法で……。

「ハサミ男」が探偵役となり、「偽ハサミ男」の真相に迫る……。

「古典ミステリ」と呼ばれる程に長く愛され、「ミステリ」を語る上で外せない名作が、この『ハサミ男』です。

なかなか自分の中の読書欲とタイミングが合わず、ずっと読んだ事が無かったのですが、今年の1月にやっと読みました!

めちゃくちゃ面白かったです。
基本的に主人公の語りで構成されているので、分厚い割にはサクサク読めました。

「この本有名だよね!読んだ事ないけど」という作品を無くしていきたいです!



2.『准教授・高槻彰良の推察 2 怪異は狭間に宿る 』澤村御影

民俗学を研究している大学准教授の高槻先生と、その大学の1年生で、とある特殊能力を持つ深町くん、2人が織りなす民俗学ミステリ作品です。

先月、1巻をスキ小説で紹介しました。
こちらは、その続編で2巻となっています。

皆さんの学校に「怪談」はありましたか?
「トイレの花子さん」とか、「音楽室の絵の目が光る」とか、有る所は様々な話題があったかと思います。

その中で、「教室」の怪談はあったでしょうか?

勿論、「教室」の怪談がある学校も存在するとは思いますが、恐らく数は少ないことでしょう。
私は、この『准教授・高槻彰良の推察2』を読み、そのことについて納得のいく答えを教えてもらいました。

少しだけお話すると、そこには「日常」と「非日常」という差異が有ります。

怪異は「日常」ではなく、「非日常」に生まれやすいです。それは人間が「わからないことへの恐怖」を抱くからなのでしょう。
毎日クラスの皆と一緒に授業を受けている「昼間の教室」は、ある程度知り尽くした場所なので、そこには怪異は生まれにくいです。

しかし、あまり行くことのない「理科室」や「音楽室」は、そこに「非日常性」が有り、怪異が生まれやすいということなのです。
そこに「放課後」「一人で」が加わると、もっと恐ろしいですね。

この2巻では、放課後の教室で行う「こっくりさん」について語られています。
私は怖くてやったことがないです(笑)



3.『ジョーカー・ゲーム』柳広司

結城中佐という人間が帝国陸軍内に「D機関」と呼ばれるスパイ養成学校を設立し、訓練生を立派な「スパイ」へと育て上げる。
そして、その彼らの活躍が描かれています。

実写映画化やアニメ化もされたので、読んだことはなくてもなんとなくどこかで目にした方が多いかと思われます。

「スパイ」をテーマにした軍事ミステリ作品です。
そして、私の中の「スパイ」のイメージを大きく変えた作品です。

「スパイ」とは、「見えない存在であるべき」というのが結城中佐の教えです。
仮に自分がスパイであることを見破られそうになったとしても、そこで自決したり口封じの為に殺人を犯すと、警察が動き出してしまい、いづれ自分のことを徹底的に調べ上げられ、正体が明るみに出てしまいます。
よって、彼らはどんなに窮地に立たされても「自決」「殺人」の道は選ばず、どうにかして危機を回避しようと試みます。

また、「目立ってはいけない」ということから、この物語に登場する「D機関」出身のスパイ達は、個性的ではなくどこにでも居るような「普通の人」を演じて生きています。
こんなにも、登場人物の「顔」を想像しづらい小説があるのか……と驚きました。



今回は以上3冊でした!

では、また来月。


最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!
スキ♡していただいた方には、私の好きな小説をランダムでご紹介します📚

この記事が参加している募集

宜しければサポートお願いします。 頂いたサポートで素敵なカフェに行って本を読むのが夢です。