IR推進のためのギャンブル依存症対策は要らない
今、IR誘致と依存症対策ではなく、コロナ禍と依存症対策ではなかろうか。
コロナ禍、そしてその後の社会的課題は、経済の疲弊によるさらなる解雇・倒産の増加。移動・集会・対話の回避・共食の自粛などと人間の基本的営みの委縮。そして、今後を見据えた制度改革だろう。もちろん経済の悪化、人の営みの委縮はもちろんだが、とくに制度改革と規制改革が絡んで加速するとなると、それは社会活動全般に深刻な影響をもたらすことになるだろう。既得権の喪失、新たな制度に馴染めないことによる自殺、依存症(間接自殺)問題が顕在化するのは明白だ。それは世界の近代史を少し掘り下げてみれば、容易に理解できるはず。そういったためにも、依存症対策にかかわる人材育成は疎かにすべきではない。しつこいようだが、だから何故、依存症治療の実績も実態もない長崎大学病院精神科が今、依存症拠点病院なんだろか?
今、行政はこのコロナ禍、そしてその後さらに顕在化するに違いない自殺、依存症対策に傾注してほしい。それが実践され、有効に機能すればIR推進のためのギャンブル依存症対策は要らない。
追記)これまで、臨床研修医が精神科において研修しすべきことは、「統合失調症」、「うつ病」、「認知症」とされてきた。しかし、厚生労働省の医道審議会医師臨床研修部会において2018年3月までに臨床研修で経験すべき到達目標の疾患として「依存症」をあげている。ただその後、直ちに研修必須の疾患とはならなかった。これは、総合病院の精神科を含めて、精神科医療機関で臨床研修医のための症例の準備(レポート作成)ができないためだと推察する外はない。
だが、今年はコロナ禍で総合病院よりの研修医のローテーションは、10月からだった。そこで、2020年10月1日に某総合病院より研修医受け入れで判明したこと。2020年より「依存症」疾患が研修医のレポート作成の要件に追加されていたのを知った。ただ、ニコチン、アルコール、薬物、ギャンブルのいずれかとなっている。精神科領域の依存症疾患のレポートがどの程度作成されるか注視した。
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