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ニケと歩けば cent sept

何十年ぶりかで宝塚ホテルに行ってきました。

以前の宝塚南口にあった旧館はすでに取り壊されていて、大劇場の西隣に移転しています。

大正時代に建てられたクラシックな建物は落ち着いた雰囲気でこじんまりしているものの風格がありました。家族の大好きなホテルで、宝塚ファンの叔母たちに連れられて観劇に行く途中このホテルが見えると、こんなところで結婚式を挙げたいなあと漠然と思ったものです。

夢は現実に成るときもあります。結婚式を挙げた何十年前のことは遥か遠くになり、その淡い思い出を期待して阪急北口に降り立ちました。この駅は宝塚ファミリーランドへ行く時も乗り換えで利用する「お楽しみ」が始まるところです。

久しぶりに待ち合わせスポット、カリヨン広場でお会いした方は20年以上になる長いお付き合いの素敵な婦人です。

いつも穏やかで透き通った声で話されます。

外見からは想像できないほどダイナミックに人生を送られてきた大人の女性で、私のお手本です。

宝塚ホテル2

北口駅からのどかな速度で阪急電車は走ります。

宝塚駅に着くとすでにほかの駅にはない華やかな雰囲気があります。階段を下りて花の道を少し歩くと真新しい建物は周りの風景に溶け込みながら、以前のホテルの名残がありました。

インテリアは劇場衣装や小道具も展示されていて宝塚ファンが訪れるのにぴったりの雰囲気です。少しカジュアルになったような若々しくなったロビーはちょっと大劇場の大階段を思わせる造りです。

宝塚ホテル3

天井のシャンデリアは旧館から持ってきたそうです。うまく馴染んでいます。

コンセプトが「夢のつづき」だそうで観劇の余韻をこちらで鎮める?にはぴったりのようです。

ランチをごちそうになり話は尽きません。70歳半ばになっても社交ダンスに挑戦されてそのいつまでもあきることのない好奇心にはいつも驚かされます。私もこうありたいと改めて思いました。

このホテルが一つ手前の駅近くからこの地に移転して、名前は同じでもすっかり歌劇の街と一体化していることはまさしく「テセウスの船」です。

淡い思い出に浸ろうとした私をロビーのシャンデリアは何か言いたげでした。


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