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ジェットコースター人生 その14
慣れない仕事と人間関係で毎日くたくたになりますが朝はいつもすがすがしく起きれるのは健康だからでしょう。 事務所で帳簿を見ているとせわしなくおじさんたちが出入りします。特に夏はかき入れ時で毎年超のつく忙しさになる商売なので、「高校野球の時はみんな機嫌が悪くなる」と姑が言ってましたがまさにそのとおりです。
夕方には戻ってくるのでキンキンに冷えたビールを用意しました。のどがごくごくなるくらいの勢いで飲み干しています。やっと顔が緩みました。
その時電話が鳴りました。一斉に視線が私に向けられます。
注文の電話です。相手は「いつものが足りないからすぐに持ってきてほしい。」ガチャン!とせわしなく切れました。
どの帳簿にもない屋号です。ほころびが見えました。さあどうする?
ココは確信できないので、その旨一人に伝えました。
本人は、いつになく愛想笑いをして配達に出て行きました。
なぜだか嬉しくなったのです。少し尻尾が見えたのですから。
この調子でしばらくは尻尾の数を勘定していくことにしました。
帰り道は満天の星空がきれいでした。「また明日も頑張ろう!」自分に小さくエールを送りました。