ニケと歩けば quatre-vingt-un
北野には細く続く路地のような道があります。くすんだ土壁の色や、可愛いおうちも無形文化財です。
この道は二代目の柴の好きな散歩道でした。17歳で亡くなる一週間前まで、毎日往復して元気でしたが、ある日から誘ってもお座りのまま私の顔を見上げて「もう無理!」と言いたげでした。
また坂の多いのも北野ですが、それぞれに表情があります。
細い坂は石畳で遠くから黒い貨物船の汽笛が聞こえます。いびつな感じが好きです。
ここも石畳ですが、両脇の石塀が迫ってきます。左に折れると「うろこの館」です。さびた?色のレンガを触りたくなります。
大通リに出ました。ゆるやかな先に美味しいインド料理の店があります。
山本通はレストランやベーカリー、教会、レトロなマンションが並んでいます。
ここから東に行くと新神戸駅です。黄色い建物はおしゃれな写真館です。
時刻、天候、季節そして私の心模様で坂の表情は違っています。
今日はどんな表情を見せてくれるでしょうか?。そばを行くニケは7歳。
二代目の年齢にはまだまだ時間があります。私と一緒に年を重ねる相棒です。