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ジェトコースター人生 44

読書三昧の日々は約2年続きました。

推理小説は学生の頃に松本清張の作品「点と線」「ゼロの焦点」「砂の器」などにはまって、歴史の中での弱い人間模様など戦後の日本を見ることができました。人間の弱さと怖さ、一人の中に何人もいるその不思議。

ちょっと飛びすぎる感はありますが、多重人格の小説「24人のビリーミリガン」「アルジャーノンに花束を」「五番目のサリー」とダニエル・キイスの信者?になりました。

多重とまでいかなくても私にも2人ぐらいいるような。

まだまだ謎多き人間の内側をえぐる作品でした。

その後9.11以降の壊れていく世界と人の心に警笛を鳴らすとして「預言」を

刊行されています。

当時ニューヨークに息子と旅行の計画を立てていたのですが、どうしてもチケットが取れなくて、ヨーロッパに予定を変更しました。

パリから帰りの飛行機に乗ったところ何やら乗務員の険しい顔と、緊張した機内の空気に何か大変なことがあったのだとは思いましたが、次のヒースロー空港に降りられるかどうかとというアナウンスもあり機内はざわめきました。

何とか東京行のANAに乗ったとたん新聞の一面、あの衝撃のビルに突っ込んでいく飛行機の写真が飛び込みました。

現実に起こったこととは到底信じられません。もしその場にいたらどうなっていたのだろうと思うと体から血の気が引きました。

今年もまた、追悼式が行われていますが、あれから人はますます不安定な世界を生かされているように思います。

横道にそれました。本に戻ります。あと好きな作家はアガサ・クリスティー「そして誰もいなくなった」「オリエント急行殺人事件」「ナイル殺人事件」は映画にもなりましたが、やはり本の現場を表現するには物足りません。

アガサ・クリスティーの幼少期の母親との葛藤、婚約者を取られたり、主人に愛人がいた実体験が作品のヒントになっているそうです。「毒殺の女王」は手を汚さず小説の中で仕返し?に成功したのかもしれません。

何度も結婚して裏切られた彼女の作品はミステリーであって恋愛小説のような切なさがありました。

さて隠居もどきの生活は束の間の休暇でしかありませんでした。

まだまだ働くことから逃げることは許されないようです。







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