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もし就活で学生と企業の立場が逆だったなら

学生&企業:これってもしかして、私たち・弊社たち、立場が入れ替わってる~!?

ー202X年ー

未だかつてないレベルの超売り手市場に突入した新卒採用マーケットでは、学生と企業の立場が逆転していた。学生が企業を選考しているのだ。

学生と企業の双方の様子を少し覗いてみよう!

学生の様子

僕の名前は、猫田爪男(ねこたつめお)。

熱血大学経済学部の3年生で成績上位20%のTHE優等生だ。趣味は野球で、野球サークルの活動にコミットしているのだが、最近は就職活動の影響でサークルを休まざるを得ない日が増えてきているのが不満だ。

さて、今日は土曜日。

企業から届く1週間分のES(エントリーシート)を選考する日だ。僕のスペックだと1日平均で5社程度のエントリーがあるが、今週は……ふむ、どうやら38社か。

えっ? 応募企業の数が多い? 僕もそう感じるのだが、こればかりは人気大学の宿命だと思うしかない。ちなみに、これでも売上フィルタリングをしているんだ。売上10億円未達企業は門前払いをしている。それにも関わらず、これだけの数の応募が来るわけだ。

大量のESを目の前にすると軽く目眩がするわけだけど、新卒採用という企業の一大プロジェクトの成否を左右するESを無下に扱うわけにはいかない。でも、時間の制約がある。1枚のES選考にかけられる時間は2〜3分だ。

企業は、人気大学に入る学力を優秀さに直結させるロジックじゃなくて、自社に合った学生はどんな学生なのかを考えた上で的を絞って応募すればいいのにって思うよ。

選考する側の身にもなってほしいものだ。

企業の様子

私の名前は、犬山牙男(いぬやま きばお)。

アニマル商事の人事部で新卒採用チームのリーダーにアサインされている。昨今の超売り手市場のインパクトで新卒というゴールデンエッグの採用活動はハードファイトを極めている状況だ。

最近は、人気大学の学生50人にESを提出するのが朝一の日課となっている。1枚1枚のESをファイティングスピリットでクリエイトしているので時間がかかる。朝一に始めたのに気づいたら夕方になっていた、なんてことは日常だ。

しかし、しかしだ。そこまで頑張ってもES選考の通過率は3割しかない。

・売上フィルタリング
・市場成長率フィルタリング
・配属ガチャフィルタリング

学生が仕掛けてくる多重フィルタリングに太刀打ちできる企業はそうはないだろうから、ES選考の通過率が3割もあって御の字と思うべきかな。

ちなみに、ES選考通過後に待ち受けている面接は学生都合で土日の日中か平日の夜に実施されるのだか、こっちは働き詰めで、いつ休めばいいんだよ?  パトラッシュ、僕は疲れたよ。

応募する側の身にもなってほしいものだ。

おしまい。

(相手の立場で考えてみると、互いの理解が深まり、歩み寄れるのかもしれません。どうかな?)

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池田信人
最後までお読みいただきありがとうございました!