虹乃美稀子

シュタイナー幼児教育者 東仙台シュタイナー虹のこども園で園長・担任を務めています。 オ…

虹乃美稀子

シュタイナー幼児教育者 東仙台シュタイナー虹のこども園で園長・担任を務めています。 オンライン講座では「子どものスピリュチアリティの育て方」シリーズを開講中。(第4期は2024年6月スタート) 子どもが、子どもらしく、子ども時代を過ごすために大切なことをお伝えしています。

マガジン

  • 東仙台シュタイナー虹のこども園マガジン

    虹のこども園HPに毎月はじめに掲載される「園だより」と新月・満月更新の連載エッセイ「小さな声が聞こえるところ」を中心にお届けします。 (以前の同名マガジンからこちらに移行しました) 園だよりは「牛乳・卵・白砂糖を使わないシュタイナー園のおやつレシピ」が人気です。 連載エッセイは、子育てや保育に関するヒントや気づきを中心に書いています。 これまでのマガジンに掲載されていました記事は、こちらからお読みいただけます。 https://sendaiyunta.com/essay/

最近の記事

小さな声が聞こえるところ152「”私らしさ”とは”人間”らしさ〜シュタイナー教育が導くもの」

「 シュタイナー教育で育つと、どんな立派な子どもになるの?」 時折、少しからかうように聞かれることがあります。  「教育者」という職種は、一見なんだか立派な肩書のようですが、世の中ではそう歓迎されたりもてはやされるものではありません。 堅物なイメージだったり、まじめで世間知らずだろうと暗に揶揄されることも、実際少なくないのです。 そしてそんな肩書きの人が「〇〇教育」などという西洋人の名前を冠にした教育などを実践しているとなると、それだけで形式ばったことをやっているように思

    • 小さな声が聞こえるところ151「学校に行きたくない」

      夏休みが明けました。 園では3日間の仙台市郊外の分室での夏季保育を経て、今週から本園での通常保育が始まっています。 園の夏休みは、市内の学校に準じているので、園児たちの兄姉も同じタイミングで学校が始まっています。夏休みが終わって学校や園に集うのが楽しみな子もいれば、憂鬱な子もいるでしょう。とくに長い休みが明けるタイミングで「学校に行きたくない」と言い出すケースは多いものです。  長い休みがあると、心身のリズムを取り戻すのに時間がかかるのは、大人の私たちもよく感じること、

      • 虹のこども園だより9月号/2024

        虹のこども園だより9月号出ました。 今月の牛乳・卵・白砂糖を使わない シュタイナー幼稚園のレシピは、甘酒クッキーです。 サクサクで、優しい甘さのクッキーなので、ジャムなどをつけても美味しいです。 ぜひ作ってみてくださいね。 8月の各クラスの保育の様子、9月の日程などもこちらからどうぞ。 #虹のこども園だより #自然食おやつ #アレルギー対応 #食育 #発酵食

        • 小さな声が聞こえるところ150「西から、”虹の龍”が」

          この夏、京都は綾部で”虹の龍”に呼ばれたミラクルは、特筆すべき夏の思い出です。 虹のこども園を巣立っていった子どもたちが、全国や海外にまで広がっていますが、その子どもたちがどうも、虹の種まきをしてくれているようです。 ここからまた、どんな花が咲いていくのでしょう。 いろんな流れが重なりあって、新しい扉が開かれていく予感です。 響き合ってくださっているみなさん、ありがとうございます。 連載150回目を迎えました! #綾部 #虹の龍 #nomusicnolife

        小さな声が聞こえるところ152「”私らしさ”とは”人間”らしさ〜シュタイナー教育が導くもの」

        マガジン

        • 東仙台シュタイナー虹のこども園マガジン
          17本

        記事

          小さな声が聞こえるところ149「キャラクターに寄りかからない」

          園には、いわゆる子どもの好きな「キャラクター」は見当たりません。 時代ごとに移り行くその時代のキャラクターはもちろんのこと、 国民的人気の丸いお顔の○ラエモンや○ンパンマンも。 私がかつて勤務していた30年前の公立保育所では、子どもたちがキャラクターのプリントされた服や持ち物を身につけてくることはあっても、園の壁面装飾に使ったり、保育士のエプロンにキャラクターをアップリケしたものをわざわざ身につけるということはほとんどありませんでした。 そうしたことをしようとすれば「なぜ

          小さな声が聞こえるところ149「キャラクターに寄りかからない」

          虹のこども園だより8月号/2024

          毎日暑いですね! 今月のレシピは、先月のひじきのもとのアレンジバージョンです。 毎日暑くて、お台所に立つのも億劫になりがちですが、まとめてこのひじきのもとを作っておくと、短時間でいろんなおかずができますね。 こちらからどうぞお読みください。

          虹のこども園だより8月号/2024

          小さな声が聞こえるところ148 「トットちゃんのトモエ学園」

          窓際のトットちゃん、80年代の超ベストセラー。 黒柳徹子さんが、90代の今でもテレビ司会を務めている驚異の生命力、子ども時代の過ごした日々を伺うと、納得するものが。 トモエ学園の創設者の小林宗作は大正自由教育運動に感化された人でした。 子どもたちに自由で芸術的な音楽教育をと、ヨーロッパ留学しフランスでリトミックを習得してきました。 大正自由教育運動はルドルフ・シュタイナーがドイツを中心として活躍していた時代にちょうど重なります。 その頃はおそらくまだアントロポゾフィ

          小さな声が聞こえるところ148 「トットちゃんのトモエ学園」

          小さな声が聞こえるところ147 「眼差しこそが、愛」

          子どもにとって、大人が目を瞑っていることは「この場を共有していない、ここにいるのにいない」状態を表していて、とても不安になるのです。 大人がふざけて寝たふりなどするのを、幼い子どもたちが嫌がったり怖がったりするのもそのためです。 心は、見えない大いなる力への畏敬の念に満たされながら、目覚めた意識で、眼差しはしっかり子どもたちに向けている。 目を開いてしっかり眼差しを向けていることほど、愛情深い態度はありません。 「見守っている」眼差しは、肯定的な言葉や寄り添った応対を

          小さな声が聞こえるところ147 「眼差しこそが、愛」

          虹のこども園だより7月号/2024

          お庭のビワの実、大豊作。 たくさん採れて、おやつにしたり、各家庭におみやげにしたりしました。 このビワの木の種を最初に植えた子どもたちは、もう今年は成人です。 いま食べている子どもたちは、むかし園に通っていたお兄さんお姉さんが植えたビワだよと聞いて、大事そうに種を持って帰っています。 今月の連載レシピは「ひじきのもと」。 ぜひアレンジいろいろ応用して、おいしいものつくってみてくださいね。 こちらからお読みいただけます。

          虹のこども園だより7月号/2024

          小さな声が聞こえるところ146「井の中の蛙にならないために」

          先日、新聞に子どもが外遊びをしなくなった、という記事がありました。 とくに幼児は、半数が平日に園以外での外遊びをしておらず、12人に1人は1週間のうち1日も園外の外遊びをしていないそうです。 記事自体は驚くものではなく「やはりそうだろうな」という印象でした。 単純に考えて共働き世帯が増え、比例して保育時間が長時間に渡るようになり、大人もお子どもも家庭にいる時間は極端に減りました。 家に帰ればご飯を食べさせ、お風呂に入れて、寝かしつけるのが精一杯というのが現状でしょう。平

          小さな声が聞こえるところ146「井の中の蛙にならないために」

          第4期講座の始まりに寄せて

          5月が過ぎて、いよいよ明日から一年ぶりにオンライン連続講座が始まる前夜。 午前の親子クラスから夜の小学生クラスまで走り抜け、やっと初回スライド資料を用意したところです。 2020年のコロナの真っ最中に始まったこの講座も、はや5年目。 その間の私たちの世界の変化について、改めて思います。 変化が大きくて、 早すぎて、 大人たちも息切れしそう。 いつからこんなに生きることが大変になったんだろう。 そんな声も、聴こえてきます。 ・ モノの豊かさから、 心の豊かさの時代へー そんなこ

          第4期講座の始まりに寄せて

          小さな声が聞こえるところ145 「終の住処にならない水槽」

           お弁当にと、ゆで卵を包丁で半分に切る。 そのとき、包丁についた卵の黄身の少しのかけらを見て「メダカの赤ちゃんにあげなきゃ」と思ってから「ああ、もうメダカはいないんだなあ」と思い直す。 そんなことが続いていたこの季節。 園では、2017年から6年間、野生メダカを飼っていました。 ほぼ毎年卵が孵化していました。 「野生」というのは、東日本大震災で被災した仙台のメダカのことです。 メダカは、同じ種であっても遺伝子レベルでは地域によって異なる集団に分けられるそうで、その地域のメダ

          小さな声が聞こえるところ145 「終の住処にならない水槽」

          虹のこども園だより6月号/2024

          新年度を迎え2ヶ月ほど。 新入園の子どもたちも、もう泣きません。 明日は幼稚園お休みとお家で言われて泣いたりするほどに、 みんなどんどん、幼稚園が大好きになっていきます。 幼稚園は楽しいところ、みんなのもうひとつのお家です。 6月号、下記のリンクからお読みください。

          虹のこども園だより6月号/2024

          小さな声が聞こえるところ144「立っておしっこできるかな?」

          私は女性なので、いわゆる「立ちション」の経験はないのですが、幼稚園の先生というのは時に「立ちション」の仕方もガイドする場面があります。 洋式便座が普及し、便器をなるたけ汚さないために?男性も座って用を足すようになってきた現代の暮らしの中では、子どもたちが立ちションを覚える機会が実は少なくなっていますー 排泄に自信のない子どもが増えていますが、排泄は自立の第一歩です。 園の連載エッセイ、満月更新しました。 こちらからお読みいただけます。 #小さな声が聞こえるところ #立

          小さな声が聞こえるところ144「立っておしっこできるかな?」

          小さな声が聞こえるところ143「小さなシュタイナー診察室」

          昨年度より、アントロポゾフィー医療(シュタイナー医療)の小さないずみの会の、おもに看護師による手当と医師による診療の会場に園の分室が使われています。 そうです、園の分室はときどき、小さなシュタイナー病院の診察室になっているのです。 今年度は会員外の方も、リズミカルアインライブング(オイルケア)の療法も体験いただけます。 医療としては治療のひとつとなりますが、健康な人にとっては深いリラクゼーションをもたらすものです。 体験日程は本文にあります。 こちらからお読みください

          小さな声が聞こえるところ143「小さなシュタイナー診察室」

          虹のこども園だより5月号/2024

          前アカウントを間違えて退会してしまったために、新たにフォローいただいたみなさん、ありがとうございます。 こちらでも改めてどうぞよろしくお願いします。 虹のこども園だより、5月号でました。 今月のおやつレシピはじゃがいもクラッカーです! 「じゃがいもはシュタイナーは”悪い”食べものだと言うんですよね」と時々言われますが、ドイツの食事のように主食のような量をたくさん食べるのでなければ、問題ありません。 新じゃがの美味しい季節、ぜひじゃがいものおやつも試してみてください。

          虹のこども園だより5月号/2024