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昨日、大学に通う教え子からラインが来た。

「お久しぶりです。先日、母に先生から教わった5回のありがとう?の話をしました。詳しく知りたいとのことなんですが、また教えていただけませんか?私の記憶も定かではないのでお願いします」

覚えていてくれたんだ、とうれしくなった。
岡野雅行さんの「人生は金より『世渡り力だ』」という本の中に、「何かしてもらったらお礼は4回言おう」というお話があり、今から8年ほど前に子どもたちに読んで聞かせたのだった。

小児糖尿病の子のために、指してもいたくない注射針を完成させた岡野雅行さん。世渡り力で、小さな町工場から、世界的な仕事を成功させている。世渡り力を磨いた小さいころ、下町のお姉さんからおしえてもらったことは、
「いいかい、人様に何かしてもらったら、4回お礼を言うんだよ。何かごちそうしてもらったら、1回目にごちそうさまでした。2回目は次の日に昨日はごちそうさまでした。3回目は次の週に会ったら先週はごちそうさまでした。4回目は次の月に会ったら、先月はごちそうさまでした」
だったという。ここまですれば、相手もうれしくなって、またあいつに何かおごってやろう、という気持ちになるだろう、ということ。感謝は、そこまでしないと伝わらないのだ。

私は教え子に岡野さんの本の詳細と、ありがとうは5回ではなく4回だった、ということを伝えた。もしかしたら5回の方がよいかもしれないが…。

子どもたちに何気なく読んだあの日の本の内容。もしかしたら、そうした些細なことの積み重ねが大切なのかもしれないと思った。

                        三浦健太朗

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