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父ちゃんが父ちゃんでよかった

親が教師だと、言われること、、、、。
 親が教師だと、教師の子どもは、通う学校で色々言われるようです。
「お母さんが先生だと、テストの問題も分かるんでしょ。」
「親が先生だから、頭がいいんだよね。」
「宿題が分からなくても、教えてもらえるからいいよね。」
「うちも親が先生だといいな。うらやましい。」
「あなたが○○先生の子どもなんだね。なるほどね。覚えておくよ。」
 実際、我が子も、辛い思いをしたようです。

 我が子に申し訳ない思いをもっている私ですが、我が子からの言葉で、心に残っている言葉をいくつか紹介します。

1、「君が、○○先生の子どもなんだね。」
 新年度になり、教職員の異動があると、よく言われたそうです。名字も珍しいし、私自身、風貌が目立つ(髭づら)ため、我が子にも興味のある方が多いようです。
 でも、我が子にしてみると、なんだか目を付けられたようで、嬉しくないようでした。他の子と比べて色眼鏡で見られる気持ちになるようです。
 そのため、子どもなりに発言や行動に気をつけながら学校生活を送っていたようです。「自分の親は先生だから、それなりに行動しなきゃ行けない。」と言う感じです。

2,「父ちゃん、どんだけ友だちおるんじゃ。」
 正月になると、我が家に年賀状が届きます。私宛に届いた年賀状を見ていた我が子が、
「色んな県から来ているよ。外国からも届いてる。」
と驚いていました。私が他県や海外に住んでいたときの友人からのものなのですが、どうしたら、こんなに友だちができるのかと驚いたようでした。
「長く生きていれば、友だちは増えるから、普通だよ。」と答えました。
 その後、小学校で我が子が書いた詩の題名が、
「父ちゃん、どんだけ友だちおるんじゃ」でした。たまたま、参観日で廊下に掲示されたのを目にしたのですが、子どもにとっては、インパクトがあったのかもしれません。

3,「みんな! お父さんは、コソドロじゃない。」
 我が子の幼稚園の参観日に言ったときのことでした。階段を上がって教室に入ると、ある男の子が叫びました。
「みんな、にげろ、コソドロが入ってきたぞ。」
すると、教室内の園児が、一斉に教室の角に集まり、私をにらみました。明らかに不審者扱い。仮面ライダーの「ショッカー」でした。
どうしようと思う間もなく、我が子が、私に近づいて、一言。
「みんな! お父さんはコソドロじゃない。」
本当に嬉しい一言でした。人は外見じゃない、ありがとう、我が子よ!

4,「ぼくの父さんは、55さい」
 我が子の参観日には必ず顔を出していた私でした。ある参観日、そっと教室を覗くと、お父さんの顔を描いた我が子の作品がありました。作品の父さんは、ニコニコ顔で一目で私と分かるドーナツ型の髭もありました。そして、作品票には「ぼくの父ちゃんは、55さい」と大きく書かれていました。
今だから言おう。我が子よ、父ちゃんは、45歳、10歳も年寄りにするな。(当時)

5,父ちゃんが父ちゃんでよかった
 我が子も大学生になり、勉強をする中で、教育や政治、経済についても様々、私に意見を求めてくることがありました。その度に、電話やメールでやりとりしました。一緒に生活していた頃は面と向かって話さないようなテーマも聞いてくる我が子でしたが、私なりに、真剣に考え、答えていると、
「こんなに真剣に話してくれる親は少ないよ。友だちの中には、相談しない子もいる。父ちゃんが父ちゃんでよかった。」
 この一言、本当に嬉しい言葉でした。父親として認めてもらえた感じです。

 このように、我が家のことでお恥ずかしい内容もありましたが、教師である以上、我が子にも教師的な立場で接していたこともあったかもしれません。また、我が子も辛かった経験も少なからずあったようです。気づくのが遅かった私ですが、今から挽回できるところは挽回していきましょう。
                        四人の父親 大賀重樹
 

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