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避難訓練に教員の資質・能力ベースを


東日本大震災から11年がたった
あの日、私は八戸市で4年生の授業をしていた
震度5強。
教室がゆらりと揺れた
子どもたちがすぐに机の下に隠れた
ギーギーと音を立てて、蛍光灯が大きく揺れ続けた
これまでの地震と全く違っていた
長い。大きい
あの経験から、避難訓練の仕方を考えてみたい


結論から先に

学校は、状況に合わせて、それぞれの学校で避難訓練を考えるべきだと思う
教員の選択・判断力を鍛える避難訓練こそ必要だ
① 海から近いのか遠いのか
② 海抜は高いのか低いのか
③ 冬なのか夏なのか
④ 余震の可能性はあるのか
これらの状況を考え、何が最善なのかを考える
「おはしも」を守れて100点?
本当にそうなのだろうか?


急いで逃げる必要はなかった私の学校のケース


東日本大震災は圧死・損壊死等は4.2%
さらに、八戸市は校舎の耐震化工事がすでに終了している
大きな地震にも耐えられる
さらに、私の学校は海からは離れ、川もなく、高台にあった
であれば、慌てて逃げることよりも、何が必要か?
教員が職員会議などで話し合ってから、避難訓練を実施するのはどうだろうか
実際、3月11日は小雪がちらつく寒い日だった
私の学校では、きちんと防寒具を着せてからグラウンドで保護者の迎えを待つことにした
しかし、寒い
真冬であれば、もっと寒かったであろう
停電、ガソリンもない。そんな中で風邪をひかせることは危険だ
校舎の中で待つことに判断を切り替えた
停電していたので、反射式のストーブを出した
こうしてすべての子どもを無事に保護者に引き渡すことができた
慌てて逃げることより、大切なことを判断できた結果だったと思う


海や川に近い学校のケース


東日本大震災の死因の90.6%が溺死
全壊した建物の約90%が津波によるという調査結果が出ている
学校が、川や海に近かった場合、私の学校とは、全く状況が異なる
であれば、どのように逃げるべきか
歴史的背景、逃げられる高台、逃げるルートなど参考にして
先生たちが地図を前にシミュレーションしながら話し合うのはどうか?
休み時間の場合、授業中、放課後、部活動中…
考えなければならないケースはたくさんある
教員たちで考え、判断すること
本当に必要なことは、その都度変わる状況に、どのように対応するか
私たちにこそ、キーコンピテンシーベースの研修が必要ではないだろうか

そして、いつ来るかわからない様々な災害から、子供の命を守る教員でありたい

                       三浦 健太朗

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