式辞 卒業生に伝えたこと
春近し あれほど積もっていた雪も日ごとに少なくなり ○○の春はもうすぐそこまで来ています.今日の天気は快晴です。
さきほど、卒業する皆さん一人一人に小学校六年間の学びを終えた印として卒業証書を手渡しました。四十五名の皆さん、ご卒業おめでとう。心からお祝いの言葉を贈ります。
卒業生の保護者の皆様、お子さんのご卒業おめでとうございます。お子さんのご誕生からの十二年間は、決して 平穏ではなかったことと 思います。
それだけにお喜びも格別のものと、心からお祝い申し上げます。また、来賓を代表して○○PTA会長にご臨席いただきました。 誠に ありがとうございます。
さて、卒業生の皆さん、この瞬間もこの地球上では、戦争が行われ、みなさんと同じ歳の子どもたちが 命を落としています。
先だっては、夜中に地震が起こり、卒業式を予定通り実施できない学校もあります。それが現実の一つなのです。今、こうして、ここで卒業証書授与式を迎えられることは、本当に奇跡だと感じています。
卒業生の皆さんが、一才を過ぎた頃におこった東日本大震災、小さなみなさんの命を守るため、おうちの方々は、どんなに
苦労されたでしょうか。
そして、六年前、皆さんは小学校に入学しました。自分たちで登下校し、日々の生活の中で、できることが増え、たくさんの活動を経験する中で、心も体も見違えるほど、たくましく成長しました。
けれども、ここ二年間は、新型コロナウイルスが全世界で猛威をふるい、皆さんの命を脅かすことと、なりました。皆さんのご家族は、災害や事故を心配するだけでなく、様々な感染予防対策をされたことと思います。それだけに、今日、皆さんが 無事に卒業できる喜びは、何物にも代えがたいものなのです。
「命は一つ」
「命より大切なものは何もありません」
これからも、自分の命、周りの人の命を大切にして生きて欲しいと願っておられることと思います。
ところで、先週、卒業する皆さんに、授業をさせてもらいました。 の中で「人生曲線」を一緒に書きました。生まれてからこれまでの十二年間をふり返り、縦軸に幸福度のプラスとマイナスをとり、グラフにしました。
「案外、幸せに生きてきた」
「友達ができるまで、大変だったけど、友だちができたら 楽しくなった」
「ケンカやいじめもあったけど、家族がいたから大丈夫だった」
などとと、書かれてました。マイナスからプラスに 曲線が目まぐるしく変わった子もいました。一人一人が違う人生曲線を描いていました。四十五通りの人生を歩んできたのです。
そしてさらに、人生曲線の続きをかいてもらいました。
「未来のことは何も分からない」
「受験、大丈夫かな」
「世界進出する」
「ボランティアをしたい」
と感想を書いてくれた子もいました。
その中で、心に残ったのは、○○○○さんの言葉です。
「これからの人生、困ることもあるけれど、何があっても諦めないと思う」
力強い言葉です。この十二年間での確かな成長をこの言葉から感じました。
人生には いいときもあれば、つらいときもあります。
3月20日に、国連が発表した世界幸福度ランキングでは、世界146カ国中、一位は、5年連続でフィンランドでした。
日本は、54位でした。
「どうしてだろう。」
「もっと上じゃないかな。」
と思った人が、いたかもしれません。しかし、幸福度を決めるのは、周りでなく、自分自身です。自分が幸福だ と思える人生を歩んでいけばよいのです。自分の決めた道を力強く進めばよいのです。
卒業生の皆さん一人一人が、どんな人生曲線を描いていくか、本当に楽しみです。「今が一番つらいとき」と思っていても、更につらいことが、起こるかも知れません。
反対に「最高にうれしい出来事」と思っていても、その十年後にもっと幸せな出来事があるかも知れないのです。困難な出来事は、これからも起こることでしょう。 そのたびに、それを克服し、新たな高みへと力強く進むことを信じています。
皆さんは、今年度 四十周年を迎えたこの小学校の誇りです。堂々とこの学び舎を巣立ち、未来の新たな道へ進んでほしいと願っています。
そして、皆さんを心から応援する家族、友達、下級生、地域の方々がいることを決して忘れないで下さい。
終わりに 本日卒業する皆さんの前途が幸多からんことを願い、卒業のはなむけの言葉と致します。
令和4年3月22日 ○○小学校 校長 大賀 重樹