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【第526回】花粉症の人必見!これを見れば花粉症の最新情報も分かる!《2023年版》花粉症対策〜政治の力でどのように解決するのか?〜 (2023/03/01)【#山田太郎のさんちゃんねる】文字起こし風要約

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出演者:

  • 山田 太郎 参議院議員・全国比例 公式サイト Twitter

  • 小寺直子 山田太郎さんの秘書 Twitter

  • 萌生めぐみ めぐみ アシスタント・イラストレーター Twitter

山田さん:
 こんにちは、今日は皆さんご期待の花粉症特集、政治でもってこの花粉症にどう対応しているのか、政治で花粉症を解決できるのか、これをじっくりとやっていきますので、どうかよろしくお願いします。

花粉症シーズン到来 過去10年で最多の予測

山田さん:
 今年はすごい花粉が多いということで、東京では前年比150%ということで1.5倍、神奈川では194%ということでほぼ2倍、過去4番目、過去10年間では最多ということになっています。

 これは気象庁等に聞いたら、去年の夏の発育が良かったということで、それを受けて、今年の飛散量が多いということはわかってたらしいんですけれども、結構大変なことになっております。

山田さん:
 花粉症の有病率もすごい増えていまして、1998年段階では19.6%、2008年は29.8%だったのが、なんと2019年は42.5%、既に国民の半分は花粉症なのではないか。

 花粉症による経済損失もなんと1日当たりで2,215億円と言われていまして、もうこれは政治で何とか花粉症対策をやらなきゃいけないと思います。

小寺さん:
 やっぱり仕事してても薬でボーっとして集中力が持たない、鼻水も出てきてとにかく集中できないので、この経済損失というのはあながちオーバーじゃない数字だと個人的には実感しています。

花粉症は国策の失敗

山田さん:
 花粉症はヒノキもありますが、今日はスギに絞って見ていきたいと思いますけれども、過剰な植林、国の政策が失敗した結果とも言えます。過剰なスギ植林が引き起こした事は3つ、花粉と借金と鳥獣問題。

めぐめぐ:
 借金?

山田さん:
 実は国有林野事業は3.8兆円の累積債務があって、今でも毎年100億円の利子がつくということでこれを返してる状態、結構な借金が残ってしまった。

山田さん:
 日本は森林大国というふうに言われて、7割ぐらいが山だと言われてるんですが、このうち41%が人工林、天然林が54%ですけども、この人工林のうち約7割がスギ・ヒノキということで、これが花粉をまき散らしている。

山田さん:
 森林大国ということで昔は林業が盛んだったと言われていますが、今は諸外国と比べると、非常に自国の森林資源に対する年間伐採量が少ない。

 日本は木造家屋もありますし、家具等も木材を使ったりするんですが、実は輸入木材を使うケースがすごく多くて、非常に国内の伐採量が少ないという特徴があります。

山田さん:
 そして森林面積は増えてるわけじゃなくて、蓄積といってどんどん木を植えているので、人工林がどんどん増えている。バランスとしてはちゃんと、植えて切ってという形が必要だと思うんですけれども。

山田さん:
 もう1つ私有林が多いというのも特徴でありまして、日本は7割近くが民有林で、全体の57%が私有林です。国有林は国で管理されるんですが、私有林は民間が管理しています。

儲からない林業

山田さん:
 昔は山を所有して林業をやっていれば儲かったという時代もありましたが、だんだん儲からなくなると放置されて、山が荒れ放題になって、間伐も伐採もしないからさらに花粉が増える。

山田さん:
 林業というのは結構大変なものでありまして、苗木を買って植え付けをしたり下草を刈ったりで、森をつくるのに初期費用が1ヘクタール当たり180万円ぐらいはかかる。

 その後の手入れも大変で、しかも鹿とかの防柵とか食害対策用のチューブも必要になったりで、林業は今非常に厳しい状態になっているということです。

山田さん:
 木材自給率は2000年にかけては輸入木材が増えてきたんですが、海外でも、特に中国とかが非常に木の需要が多くなったということもあって、2005・6年以降は少し国産材も盛り返してきた、輸出も一部で始めているという話もあったりするんですが、いずれにしても全体的には輸入木材が多い。

山田さん:
 昔は山を持っていれば余裕で食べていけると言われていたんですが、製材の価格がどんどん下がっています。

山田さん:
 どうしてかと言うと、日本の生産コストって高いんですね、特に流通コストが高くて、木を山から切り出して、それを町まで持っていって製材とかするんですけれども、その場所もとるし、なので結局港から、海外が大量に船で運んできた木材の方が効率的ということもあって、結構このコストが大変だということです。

山田さん:
 木の価格も今は少し上がってきてはいるんですが、実際には採算が厳しいということです。

山田さん:
 こういう状況であるにもかかわらず、これは推定なんですけれども、スギは今44億本の蓄えがある状態で、今の生産量で割ると290年分になります。

山田さん:
 スギはとにかくお金と手間がかかるということで、間伐費用などの維持費が国の税金で1,240億円、それから造林費で68%は国が補助金を出していますけれども、1,248億円という多額のお金がかかっています。

山田さん:
 鳥獣被害というのも大変で年間158億円、それを防止するために120億円ぐらいかかっています。

 なんでスギと鳥獣被害が関係あるかというと、日本古来の山は広葉樹でどんぐり等の実がなる、それをイノシシやシカが食べていたんですが、これが人工林になると、(スギは針葉樹で実がならないので)動物たちが住めないような状態になっているところがありまして、街にどんどん鳥獣が出てきている。

山田さん:
 全てそれだけが原因ではないんですが、そのために鳥獣被害というのが出てきていまして、ちょっと古いんですけれども2012年のデータで、イノシシは26万5千頭、シカはか27万2千頭、サルは2万5千頭というようなことで、実際に駆除されたりしているわけでありまして、そういうことにも繋がっているのではないかと。

山田さん:
 そういった意味で林野事業の失敗で売れないスギ、花粉の大量飛散、残った借金と動物の住めない森を作っちゃったということで、結構大変なことに…。

 スタートしたときは住宅需要だとか、戦後は家を作るための材料を作らなきゃいけないとか、当時は薪という形で結構燃料にも使っていたんですが、今は全部が木材ではないですし、海外からの輸入材が強いということで、事情が変わってしまったということです。

花粉症対策の全体像

山田さん:
 さて今日のテーマ、問題なのはわかった、ではどうするのかということで、花粉症撲滅の一筋の光になればということでお送りしたいと思っています。

 なかなか農水省や林野庁は国策が失敗したとは認めたがらないんですが、責めてるだけでは解決しないので、何とか対策をしなきゃいけないということで、ここからは対策編でいきます。

山田さん:
 うちの事務所の方で花粉症対策全体像を作りました。この4つのディメンジョンをそれぞれ見ていきますが、花粉症を考えるときに、まず花粉が出てくる生成、それが飛んでくるという飛散、その花粉を吸ってしまう暴露、それから実際に発症。

山田さん:
 それぞれの対策についてヒアリング等を実施しまして、どんな政策があるのか一覧でまとめました。

 生成というところに関しては、少花粉スギや無花粉スギ、花粉が出ないようなスギとヒノキをこれからは植えていきましょうということだったり、広葉樹の森に戻していこうという試みも行われてますが、残念ながら、全部入れ替わるにはまだ何十年もかかりますので即効力はない、ただ今後のためにはやっておく必要があるだろうと。

 飛散に関してはいつ飛んでくるのか、この3月がピークなんですけど、それがどう飛んでくるのか、一応予測をして対策を打てるようにしましょうと。

 それから曝露はマスク等を含めて、花粉に触れないようにしましょうというところ。発症は薬であったり、いわゆるワクチンみたいなもので何とか、くしゃみだとか鼻が詰まらないようにできないか、免疫療法でもって根治できるのかということです。

山田さん:
 国による花粉症対策の実態ということで、花粉症に関する関係省庁担当連絡会議というのが、年に1回行われている。それから花粉症対策研究検討会というのが、平成17年に2回やっただけ。

 本気でやる気ないじゃないかと、これだけの経済的な損失、もう国民の半分が罹患してると言われている状態で、しかも国策も絡んだ問題で。

山田さん:
 今年の関係省庁担当者連絡会議は1月19日に行われまして、わずか1時間、Web会議で各省がいろんな資料を持ち寄って説明をしあって、それだけで終わっています。

花粉症の発症メカニズム

山田さん:
 では先ほどの画像の一番右側の発症について。このメカニズムといいますか、花粉症は何で起こるのか、どういう対策があるのかを、できるだけ簡単に説明しますので、専門家の人たちから見るとちょっと違と言われてしまうかもしれません。

山田さん:
 花粉症のメカニズムは2段にわかれていて、花粉症になっている人とまだなっていない人は何が違うかというと、上の段は花粉が体の中に入ってきて、それを敵だと認識するプロセスなんですが、花粉自体は無害なんです、別にウイルスとかそういうのではありませんので。

 くしゃみをするのはウイルスにやられたからとかではなく、花粉を敵と認識して外に出そうとしてるんです、別に大丈夫だから無視すればいいのに、これがいわゆるアレルギーなんです。

 問題はここからなんですが、閾値というんですけど、花粉が少量だったり浴びる期間が短くてIgE抗体が少ないと肥満(マスト)細胞も反応しないんだけど、それが蓄積していってある程度を超えてしまうと、花粉を敵と認識してヒスタミンなどが放出されて、それが花粉症の症状を引き起こします。

山田さん:
 だから薬を含めて対応策の1つは、このマスト細胞で抗体が花粉と結びついてヒスタミンを出すところを押さえる。花粉が入ってきてもヒスタミンを出させない、抗体と花粉が結びつくところを弱めたりする。でもこれは一時的な効果しかない、薬が切れちゃったらまた戻ってしまう。

 だから上の段のヘルパーT細胞だとかB細胞からIgE抗体ができるところを止めてしまう、花粉は敵じゃないんだよと教えてあげることによって、下の段に行かないようにすれば、花粉症ではなくなるということになります。

山田さん:
 どういう対策をするかというのは、一応厚労省の方でもガイドラインが作られています。

小寺さん:
 選択肢はだいぶここ最近で増えてきて、特にこの重症・最重症というのができたのは2020年からなんですけど、普通の薬だけでは効かない人向けに、3回ぐらいのステップを踏んで、血液検査をして点鼻薬を1週間やってみて、それでも効きませんという人に対しては抗IgE治療薬というのも出てきました。

山田さん:
 気をつけなきゃいけないのは、IgE抗体が作られるメカニズムを全部壊しちゃったらまずい、本当にウイルスが来た場合は死んじゃうから、免疫システムを殺すわけにはいかない、花粉と結びつくIgE抗体に関してのみ効力がなくなるように、あんまりヒスタミンを抑えてしまうと、本当に必要な免疫機能まで失われてしまうので、それはそれで問題があってすごく難しい。

小寺さん:
 なのであくまでも最重症の人のみで、医者に3回4回通って初めてやります。

小寺さん:
 花粉症の有病率は東京都が独自で調べたりアレルギー学会が10年ごとに取っていて、厚労省は正式な数値を持ってませんというのが2年前までの回答だったんですけど、国として花粉症の数を把握せずにどうやって対策するのというところで相当詰めて、ようやく2022年から研究を始めて、39%という数字を国として出したというのが最近の大きな進捗です。

山田さん:
 新しい治療薬やアレルゲン免疫療法の開発なんかも始めていて、早く結果を出してほしいんですけど、先ほど言ったように免疫系の仕組みはすごく難しくてですね、全部止めちゃいけないし、副作用もすごく強かったりするので、このあたり慎重にやっているということだと思います。

山田さん:
 これは国から助成金をもらって大学等で、どれぐらいの研究が花粉症等に関してされてるのかっていうことをまとめてもらったんですけれども、数はそれなりに多いように見えるんですが、1つ1つを細かく見ていくと、結構基礎研究なんですよ、それから若手研究とか、何それみたいな。

 おいおいもっと特効薬に繋がるとか、そういう研究はないのかという話なんですが、残念ながら基礎研究がほとんを占めていて、直接的に決定打になるような研究はすごく少ない。

山田さん:
 ワクチン開発ということで、2種類のスギ花粉を使ったものでスギ花粉の構造を壊すんだって、だからIgE抗体が反応しないから、ヒスタミンも出てこないということで良い線まで行ったんですが…。

山田さん:
 安全性と有効性は認められたものの、舌下減感作療法(後述)に比べてあまり有効ではないということで、残念ながらワクチンの研究は中止されてしまいました。

舌下免疫治療法

小寺さん:
 もう1つの舌下免疫療法なんですが、これはすっごい時間がかかる。何年も治療を続けなきゃいけないし、それに副作用がすごく強いので、定期的にお医者さんに通って、大丈夫かどうかをチェックしながらやらなきゃいけないので、なかなか仕事をしていると正直厳しい。そうするとやっぱりワクチンの方が良かったなって思います。

小寺さん:
 効果はすごく高いんですけど、さっき言ったように何年もやらなきゃいけないとか、お医者さんに通わなきゃいけないというような課題はありますが、薬は自宅で服用できるのと、保険適用も何年か前から認められたので、薬代も安価になってきたというメリットがあります。

小寺さん:
 周りの人の話を聞くと、やった人はほとんど効果が出ている、最初は毎日欠かさずやらなきゃいけないので大変だけど、普通に薬を飲むのが習慣になってしまえば楽になったと言っていました。

 これを普及させなきゃいけないというのは厚労省もよくおっしゃってるんですが、なかなかやっぱりハードルが高くて実際には普及していません。

花粉緩和米

山田さん:
 では他に何かないのかということで花粉緩和米、これは国の機関が開発しているものでありまして、さっきの舌下吸収だとダイレクトに体に入れちゃうからすごくリスクが高い、なので食品として花粉の素を体に入れて、ちゃんと大丈夫よだって腸に届けて働きかける。

山田さん:
 腸が実は免疫機能の入り口のところを司っているので、多くの薬等は実は胃酸だとかでほとんど効果がなくなっちゃう。この米を少し組み替えて花粉の素みたいなものを入れて、それを腸まで届けることによって、花粉は敵じゃないんだよと教えてあげるというのがありまして、舌下免疫療法よりも安全でお米なので取りやすいんじゃないか。

小寺さん:
 普通のお米に少量混ぜるだけなので、味もほとんど変わらないですし、普通のお米として食べられます。

山田さん:
 メリットはさっきも言ったように、アナフィラキシーショック等が抑えられるのと、抗原が腸まで届くということ。

山田さん:
 これに関しても研究がずっと行われていまして、医療センターとかで臨床の研究が行われているんですけれども、出口が2種類ありまして、1つは薬にするということも出来ますが、もう1つの機能性食品でいくのが一番いい。

 ただ機能性食品になっちゃうと(花粉症に)効くとは言えない、効くということはそれは薬ということになる、薬にしちゃうといろいろ難しい、手に入れにくい等の問題もあったりするので、できれば機能性食品としたい。

山田さん:
 もう1つの問題は作る過程において、これは組み替えをやっているので、組み換え食品等になると、隔離しなきゃいけないとか、安全性の問題の確認というのもあって、クリアしなきゃいけない問題があってなかなか難しい。

山田さん:
 どれぐらいかかるかというと、基礎データ収集で約4年、実用化されるまでに5~6年かかるとういことで、結構大変ということです。

小寺さん:
 正直政治で今何かできるフェーズではなくて、とにかくデータを集めなければいけない。

山田さん:
 政治でやるとすると、この審査の優先順位を上げて急いでやるということだと思うんで、だってこれだけ被害が大きい花粉症対策を優先してやるべきだと思います。

花粉の飛散

山田さん:
 ということで、できれば発症のところを抑えたいんだけれども、花粉が飛んでくる、飛散のデータも見ていきたいと思います。

山田さん:
 たぶんちょうど今がつらい方が多いと思うんですけども、スギ花粉のピークはまさに2月末から4月上旬くらいまで。そしてスギと少しズレてヒノキ花粉があって、だいたいゴールデンウィークを過ぎてくると、少し楽になってくると思うんですけど、イネ科の花粉症の人もいるんです。

山田さん:
 スギとかヒノキにも花粉前線というのがありまして、地域によって飛んでくるタイミングが違うので、中には移住じゃないですけども場所を変えて、花粉が少ない沖縄や北海道に逃げるケースなんかもあります。

山田さん:
 あと時間帯というのもありまして、圧倒的にお昼過ぎ、2時3時の間ぐらい、もちろん風がどのくらい吹いてるとか、日照の関係もありますが。

山田さん:
 林の面積というのもあって、都道府県によっても違う。

山田さん:
 海外に逃げるという話もあるんですけれども、一応三大花粉症と言われていてですね、スギ花粉症ばかりではありません。

山田さん:
 海外でも花粉症はあって、アメリカはブタクサ、南米はイトスギ、オーストラリアではミモザ、ヨーロッパはイネ科ということで、逃げる場所を間違えたらそちらでもやられてしまう。

小寺さん:
 スギは日本固有の花粉症と言われていて、世界的にもここまで短期間で急激な花粉が出るところは世界でも珍しいので、割と世界から花粉症対策の政策は注目されているという声も聞きます。

花粉の曝露

山田さん:
 それから飛んでくるものに対して、何とか吸ってしまわないようにしましょうということで、実は環境省もちょっと頑張って『花粉症環境保健マニュアル』というのを作ってくれています。

 こちら↑のホームページからダウンロードできます。

山田さん:
 曝露を防ぐ方法は、有り体の事ですが掃除をするとかマスクをするとか、窓や戸を閉める、うがいをするとか。

山田さん:
 マスクの外側にスギ花粉がつくということなので、ガーゼと不織布でどう違うのかということ。

小寺さん:
 これはTwitterでバズったので知っている方もいるかもしれませんが、環境省の花粉症マニュアルに紹介されている、効果があるマスクの作り方でして、ガーゼの中にコットンを丸めて入れて二重にして、マスクをつけるというやり方なんですけど、ちょっと息苦しいんですけど、やってみると効果はすごく感じました。

小寺さん:
 インナーマスクをするとどんなタイプのマスクでも、99%以上の花粉除去率を示したというようなデータもありますので、本当につらい方はおすすめします。

山田さん:
 やっぱりマスクと、特に花粉症用マスクと花粉症用の眼鏡をすると全然違う。

小寺さん:
 私も外に出るときは伊達眼鏡をしてるんですけど、それだけでも全然違います。

山田さん:
 次に服装なんですけど、ウールは花粉がたくさん付着して、花粉を家の中まで持ってきてしまうので、これは避けたいという話。

小寺さん:
 家に帰って寝るときに苦しいという人は、一度洋服の素材を見直してみると、全然違うと思います。

花粉の発生に対する対策

山田さん:
 最後に生成、元を絶てばということで、スギは全部伐ってしまえという人も多いんですけど、その発生源についても見ていきたいと思います。

山田さん:
 3本の斧ということで、私もかなり、農水省含めて林野庁に花粉症対策の指針を出してきました。

 1本目はスギを伐採して利用する。2本目は無花粉スギや少花粉スギ、もしくは広葉樹、そういうのに植え替える。3本目は出させませんということで、花粉が出来ないようにおしべにカビをつけて死滅せるとか、そういった形で対策をする。

 ただ林野庁の方針としては、基本的には少花粉スギに入れ替えると、でも入れ替えるためにはまず伐らないといけないから、木を伐って利用するということもセットでやらないといけない。

山田さん:
 一般のスギと無花粉スギということで、スギをビニール袋に入れてバサバサって振ると見えるかな?花粉の粉が入ってるんですけど、無花粉スギの方はほとんどない。

山田さん:
 ここがポイントなんですけど、どれぐらい花粉の少ないスギの苗になったのか、結論から言うともう既に半分まできました。

 私がこの問題に取り組み始めたのが2013年ぐらいから、2016年に一気に倍になったりしてですね、最初は数%とかだったのが半分まで来たというのは感慨深い。

 できれば100%にしたいんだけど、なぜ進まないかというと、地域によって苗が違うんです。例えば雨が多いところだったり、乾燥してるところだったり、日照が多いとか地域によって苗の特性が違うので、少花粉スギ・無花粉スギを作るにしても、どれだけその地域に合ったものを作れるのかという問題で、まだまだ全部にはならない。

 というのと、実際に植林をしている人たちもやっぱり生産性のことを考えますから、少花粉スギや無花粉スギでしっかり生育するのかどうかが心配だから利用しないという人たちもまだまだいる。

 使う側の理解と、それぞれの状況に合う苗を作っていって100%を目指す、そうすれば時間はかかるけれども、論理的にはスギ花粉症はなくなる。

 ただ残念ながら入れ替わるためには20年とか30年は最低でもかかりますので、全部がなくなるのは50年後とか、まだ生きてるかどうかわからないというぐらいになっちゃいますが、ただ諦めちゃいけないし、後世に花粉症を残さないようにしていきます。

山田さん:
 それから飛散防止剤、こちらは即効性がありまして、スギの雄花を死滅させるようなもの、これは黒カビの一種なんだけども、これがスギのおしべのにくっつくと、花粉を付けるところだけが死滅する。

 ただこれはスギに直接散布しないとくっつかないので、森の中とか山の中に人間が入ってやるわけにもいかないので、ヘリコプター等でうまく散布できないか、ドローンとかを使えばうまく行くんじゃないかと。

 ただかなり大量に撒かなきゃいけないのと、スギ以外の樹木にも影響しないかどうか等を含めて検討中ですが、これができれば1つの決定打になると思います。

小寺さん:
 これは元々自然界にあったカビを使っているので、生態系に影響ほとんど及ぼさないだろうということと、スギのおしべにしか作用しない、森に元々あったものを使ってるということで、これができれば、かなり世界的にも注目された結果になると思います。

 ただやっぱりコストの問題で今苦戦してるみたいで、実用化にはもう少し時間がかかるというところです。

スギの有効活用

山田さん:
 それから伐らないと入れ替えができないので、CLT材っていうんだけれども、木材を上手く強くして、超高層のビルでも建てられるようにしましょうというのがあります。

 木材の家は今は2階から3階建てぐらいまでしか建てられないんです。それからもう1つ問題なのは、木材はやっぱり燃えやすい、上に火が行ったときに崩れやすいというのがあるので、防火に対する技術というのもやらなきゃいけない。

山田さん:
 改質リグニンというのもあります。これはスギのチップから改質リグニンというものを作って、材料として使っていこうというもの。木がプラスチック等の代わりになる。

山田さん:
 これがもし利用できれば日本は資源大国になり、環境にも優しいということになります。

山田さん:
 この改質リグニンを使った試作された車のボンネットだとか、内装関係の一部も作られています。

山田さん:
 これが実際に改質リグニンを使って作られたボンネットです。

山田さん:
 改質リグニンでできる製品は幅が広くて、先ほどの車の部品であったりだとか、フィルムであったりだとか、電子部品であったりとか、そういったものにも応用できるということで、結構用途が広い。

山田さん:
 木の中の成分として3割がリグニン、残りはセルロースと言われる紙の原料で、今まではリグニンの部分は捨てていたんだけど使い道がある。

山田さん:
 ただ質の問題で、なかなか安定してリグニンが取れない、バラツキというのは、聞いたら木の中でも部位によってリグニンが多かったり少なかったりというのがあって、なかなかリグニンを取りにくいということでした。

山田さん:
 スギは日本固有種なんだけれども、構造上バラツキが少なくてリグニンが安定してとれるというところもあって、そういった意味でリグニンを作るには有利だということ。

山田さん:
 活用されていない森林資源に関しても、特に廃材で30%がぼぼ未利用となっていますので、有用材と言われるもの以外もぜひ使っていこうということ。

山田さん:
 木質は石油よりも優秀で安価でできるかもしれないということで、本当に日本が資源大国になるかもしれないと期待されています。

山田さん:
 あとはコストダウンを何とかして量産効果が出ないと、実験段階ではかなり高いコストになってるんだけれども、これをたくさん作ることによってコストを下げていこうということ。

小寺さん:
 まだまだコストの面で難しいと思いますけど、これこそ政治でどんどん応援したいですよね。

山田太郎は花粉症に対して何を取り組んできたか

山田さん:
 過去の国会質疑で何をしてきたかということもおさらいしつつ、政治で何ができるかというところを見ていきたいと思います。

山田さん:
 2013年ぐらいから取り組んできた、国会議員になったのが2012年12月なので、もう次の国会ですぐに花粉症対策について取り組んでます。当時の林芳正農林水産大臣に対してしっかり花粉対策をやってくれと、そしたらちゃんとやっていきますということでした。

山田さん:
 その次の年も、花粉対策に対して農水大臣の所信表明等に入れろということで、少花粉スギへの植え替えなんかもしっかりやっていくということで言質を取っています。

山田さん:
 さらに次の年も花粉症対策や経済損失に関してもはっきりさせて、しっかり予算をつけていこうということで、その結果さっき言ったような研究が行われたり、花粉対策はここからここから本格的に始まったと自負しています。

山田さん:
 残念ながら効果はすぐには出ないということですが、ずっと継続して本当にしつこくですね、担当大臣に迫ったりしてきました。
 というわけで、花粉の生成、飛散、曝露、発症とやってきましたが、皆さんどうですか、少しは期待が持てましたでしょうか。

めぐめぐ:
 10年前まで何も取り組みがなかったものが、山田さんがやってくださって半分(の苗が少花粉スギ・無花粉スギ)になったってすごいことだと思います。

山田さん:
 だから政治家の1人だったとしても、やろうと思えばできるのだということです。また花粉症等に関して動きがあれば、随時ご説明していきたいと思います。



虹杜コメント:
 今回の文字起こしは以上です。今回もある程度要約・カットした部分がそこそこありますし、ラストの今週のトピックス等は丸々カットしていますので、しっかり内容を確認したい方は是非動画の方をご確認下さい。

 こちらの文字起こし要約は自由に切り抜いてTwitter等で利用して頂いてかまいません。ここまで読んで頂きありがとうございました、もしよろしければスキを押していただけると幸い(お礼文はランダム表示)です。

 山田太郎さんを応援したい方は、山田太郎公式ホームページの『山田太郎をSNSで応援する』や『山田太郎をもっと応援する』からどうぞよろしくお願いします。