とあるレズビアンの精神科体験
精神科って聞くと、ネガティブなイメージがある方もいますよね。かつて私もそうでした。でも、実際行ってみると怖いところではないですし、行ってよかったと思うことも多いです。
ただ、LGBTQ+当事者だと、非当事者にはない心配事があるのも事実。これまで3つの精神科にお世話になりましたが、対応が様々だったので、参考になる方もいるのでは、と思って書いてみます。
前提として、
・レズビアン当事者の一例である
・昔も今も病名がつくような精神疾患はない
(複雑性PTSDだけど、精神疾患扱いではないし、診断書もない)
・必ずしもセクシュアリティの悩みから精神科に行ったわけではない
(不眠治療がメイン)
ということをお伝えしておきます。例えば、トランスジェンダーで診断書をもらう目的で行く、という方とは状況が大きく異なりますので、ご理解の上ご覧ください。
また、特定の病院の対応が良い・悪いと評価するのを目的としたものではなく、「こういうこともあったよ」という経験談を紹介するものなので、いずれも病院名は載せません。悪しからず。
①LGBTフレンドリーが前提の精神科
私の精神科デビューは、ちょっと特殊な診療所で、LGBTQ+フレンドリーを前面に出しているところでした。もちろん、当事者でなくても行けるのですが、元々当事者のために作られた診療所なので、非当事者の利用は少なそうでした。
私が行った理由も、セクシュアリティ起因の不安を解消するためで、カウンセリングが目的でした。ただ、不眠症状があったため、途中からカウンセリグとは別に、睡眠導入剤を処方してもらうための診察もしてもらってました。
LGBTQ+フレンドリーが大前提の場所だったので、セクシュアリティについての対応については問題なし! 安心して通うことができました^^
強いて言うならば、診療時間が限られていて、通うのがなかなか大変だったことでしょうか。精神科の他にも内科などがありましたが、小さい診療所だったので、全ての科が毎日やっているわけではなく、曜日によって各科の診察日と時間が分かれていました。また、完全予約制でした。
②とある田舎の精神科(古くからある大きめの病院)
こちらは、セクシュアリティとは関係ない理由(不眠が続いたり、生活の中での不安感が強かった)で受診した病院。選んで行ったというよりは、当時の生活圏では他にめぼしいところがなかった、という消極的な事情で行った病院でした。
診察で先生と色々と話したのですが、受診の理由とは直接関係ないものの、話の流れで説明しておいた方がいいかと思い、セクシュアリティのお話しもしました。
それが、この時はある意味失敗で……^^;
LGBTQ+について、差別的な先生ではなかったものの、知識が今一つなのか、それとも、私の説明が悪かったのか、相談内容を何かとセクシュアリティと結び付けようとする態度を取られてしまいました……。
診察後は睡眠導入剤を処方してもらい、特にその対応で問題なかったのですが、何となく消化不良。後から知ったのですが、その病院は高齢者、特に認知症の方が多く通われている場所のようで、そういった方々への対応を得意とする先生が多いようでした。担当してくださった先生も年配の方でしたし、その地域の患者の傾向や、先生の世代で対応に差が出るのも当然かなぁ、と、消化不良ながらにも納得した出来事でした。
ちなみに、その後そこに行くことはありませんでした^^;
③とある田舎の精神科(小さな新しい診療所)
こちらは、個人で開業されている先生の小さな診療所。それなので、発達障害や摂食障害は専門外ですよ、というように、対象の患者をある程度絞っているところでした。
こちらに行った理由はシンプルで、近場で睡眠導入剤を出してくれそうなところだったから。はい、不眠は私の永遠の課題です^^;
とはいえ、初診では1時間程度、色々と聞かれました。その中で、セクシュアリティのお話しも。すると、「すみません、そういうの、扱ったことなくてよく分からないんですよね」と、はっきり言われてしまいました。
でも、ネガティブな反応ではなくて、「よく知らないから、もし失礼なことを言ってしまったらごめんなさいね」というスタンス。話は真剣に聞いてくださいましたし、LGBTQ+の基礎知識を確認するような質問も受けました。知らないと言いつつも、差別的・否定的な発言はありませんでしたし、結果としては気持ちよく診察を受けることができました。分からないと言われて一瞬不安になりましたが、中途半端に思い込み・決めつけで診察されるよりは、ずっと良かったです。
セクシュアリティ起因の受診なら下調べを!
たった3例ではありますが、対応が全然違いました。①は例外として、②と③、もし私がここに、セクシュアリティ起因の相談をしに行ってたらと思うとちょっと怖いですね^^; ただでさえメンタルやられてるから精神科に行っているのに、変に決めつけられたり、分からないと言われたりしたら、場合によっては受け止めきれないと思うのです。
もちろん、全ての精神科で適切な対応をしてもらえたらそれが一番ですが、すぐには変わらない現状もあると思います。それなので、もしセクシュアリティ起因で精神科に行きたいと思うなら、せめて自分ができる範囲で下調べや問い合わせをすることをおすすめします。数は少ないですが、LGBTQ+フレンドリーが前提の病院も実際ありますし、対応できないなら先にそう言ってもらうことで、無駄に傷つくのを防げると思うのです。
また、もし私のように、セクシュアリティと直接関係ない理由で行くのであれば、無理にカミングアウトしないのも手なのかなと思います。実際、②や③では、言わなくてもどうにかなった気がします。特に②の場合、言ってしまったことで「全部セクシュアリティのせい」みたいな雰囲気になっちゃったので^^;
長々書きましたが、とりあえず言いたいことは、LGBTQ+が余計な心配せずに行ける精神科が増えるといいなぁ、ということと、精神科って、眠れないなぁ、くらいの理由で気軽に行ってもいいんだよ!ということです。
少しでも誰かの参考になれば幸いです^^
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