新人賞に受賞する確率を知っておこう
崖っぷち作家のニジマルカです。
目指しているジャンルがあるとして、そのジャンルの新人賞で受賞する確率がどのくらいか計算したことがありますか?
したことがないなら、一度計算してみるといいです。
数字を見るとショックを受けるかもしれませんが、現実を直視した方がいいと思います。
今回は「新人賞に受賞する確率」の話です。
計算は簡単
計算は簡単です。
受賞確率 = 受賞者数 ÷ 志望者数
ですね。
ここで難しいのは、あるジャンルの新人賞を目指している志望者の数をどう見積もるかです。
実例を出して考えていきましょう。
今回は「男性向けライトノベル」で考えてみます。
進め方
進め方はこんな感じです。↓
新人賞の数を調べる
各賞の応募数を調べる
1,2から1年で応募される作品数がわかる
3で出た作品を何人で書いているか推測する
受賞者数を調べる
5の受賞者数と4の志望者数で確率を計算する
さっそく始めていきましょう。
1.新人賞の数は?
ライトノベルの新人賞には、角川系の電撃文庫、富士見ファンタジア文庫、その他、集英社、講談社、小学館などがあります。
今回は男性向けのライトノベル新人賞で考えてみましょう。
ざっくり数えてみると、12ほどあるようです。
新人賞の数 = 12
2.各賞の応募数は?
では、各賞の応募数はどのくらいでしょうか?
ざっと見たところでは、各賞300〜2000作で、角川系の電撃文庫だけ突出して5000作ほど応募があるようです。
よって、間を取って1300作の応募がある賞が11あり,電撃は例外で5000作あると仮定しましょう。
応募数 = 1300作が11賞、5000作が1賞
3.1年間の応募総数は?
上で書いた応募数を足せば、1年間に応募される作品総数がわかります。
1年の応募作品数
= 応募数1300作 × 新人賞の数11 + 電撃応募数5000作
= 19300作
けっこうありますね。
4−1.使いまわしはどのくらいあるか?
さて、この応募総数から使いまわしを除いていきましょう。
使いまわしとは、ある賞に出した作品を別の賞にそのまま出すことです。
数えたいのは新作なので、旧作である使いまわしは除きます。
どのくらい使い回すでしょうか?
これはわからないので、適当に2割ほどが使いまわしだと仮定します。
すると、使い回しは
使いまわし = 19300作 × 0.2 = 3860作
ですから、新作は
新作 = 19300作 ー 3860作 = 15440作
となりました。
まるめて、新作は15000作品としておきましょう。
4−2.何人で書いているか?
さて、上で見たように、1年で15000作の新作が書かれます。
これを何人で書いているかがわかれば、志望者の数がわかりますね。
1人1作とは限りません。
ですが、全員が2作書いているとも思えません。
ですからここは、1人1.2作ほどと仮定しましょう。
すると、志望者数はこうなります。
ライトノベル作家志望者数
= 15000作 ÷ 1.2作/人
= 12500人
ざっくりと13000人ほどいる、という結論になりました。
5.受賞者数は?
では、各賞の受賞者数はどのくらいでしょうか?
ざっと見た感じでは、4〜6人くらいの印象です。
ですので各賞5人としておきましょう。
新人賞の数は12ほどなので、受賞者数は
受賞者数 = 各賞5名 × 12賞 = 60名
となります。
6.受賞確率は?
これで数字が出揃いました。
ライトノベル作家志望者数 = 13000人
受賞者数 = 60人
ですので受賞確率は
受賞確率
= 受賞者数 ÷ 志望者数
= 60 ÷ 13000
≒ 0.5%
つまり、1000人に5人の確率だということがわかりました。
私のときもこのくらいだったので、この数字は感覚としてもだいたい合っていそうに思います。
もうちょっと実感してみる
ライトノベル作家志望者は、全国に1.3万人はいます。
(女性向けやネット小説も合わせると、もっといるでしょう)
関東、関西の主要都市に半分くらいはいると仮定しましょう。
すると、他の1つの県に
6500人 ÷ 40県ほど = 160人くらい
いるはずです。
県庁所在地に半分はいるでしょうから、県庁所在地に住んでいれば、周りに80人くらいはライトノベル作家志望者がいることになります。
県内で1番だと、最終選考に残れるくらいでしょうか。
隣の県も合わせて1番の実力者なら、受賞できそうですね。
今回のまとめ
「新人賞に受賞する確率」の話でした。
目指すジャンルの受賞確率を知っておこう
受賞確率 = 受賞者数 ÷ 志望者数
志望者数を出すには仮定を重ねなければならない
ライトノベルでは受賞確率は0.5%
県内で1番の実力者なら受賞できるかもしれない
他のジャンルの受賞確率も、だいたい同じような数値になりそうな気もします。
だいたい1000人に数人ではないでしょうか。
この確率を見て「わりと高いな」と思うか「そんなに低いの?」と思うかは自分次第です。
それではまたくまー。