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「小説が上手くなりたい人」と「結果を出したい人」

小説を書いている人の中には、「小説が上手くなりたい」という人もいれば、「新人賞で結果を出したい」という人もいると思います。

どちらが良いということではありませんが、この2つは目指すところが違うので、そのやり方も自ずと違ってきます。

今回は「上手くなる方法と結果を出す方法の違い」についてです。


ゴールが違えばやり方も違う

「小説が上手くなりたい」
「新人賞で結果を出したい」

小説を書いている人の大半は、この2つの中間的なところを進むのではないかと思います。

つまり、「小説が上手くなったら、新人賞に出してもいいかなあ」くらいの感じですね。

良く言えば現実的、悪く言えばどっちつかずの中途半端な態度だと言えるでしょう。


良し悪しはさておき、この2つはやり方が違うので、その違いをわかった上で「自分はどっちを優先するのか」を考えてみるのも悪くないと思います。

そういうわけで、この2つを、

  1. 小説が上手くなりたいだけの人

  2. 新人賞などで結果を出したいだけの人

と極端にわけて、その最短の方法を説明していきます。


1.小説が上手くなりたいだけの人の進み方

純粋に小説が好きで、ただただ上手くなりたい人向けの方法です。

小説だけに限りませんが、上手くなる最短の方法は1つしかありません。

それは

  • コーチに教えてもらうこと

です。


小説におけるコーチとは、プロ作家小説教室の先生などのことです。

そういった小説の正解を知っている人たちに教えてもらうのが、最も効率の良い上達方法になります。


このことは、上達とは何かを考えればわかると思います。

上達とは、「あなたの小説」を「正しい小説」に近づけていくことです。

近づけるには、「正しい小説」と「あなたの小説」の差を知らなければなりません。

この差を指摘することを「アドバイス」といいます。

ざっくり式にするとこうです。↓

アドバイス = 正しい小説 ー あなたの小説


概念を図にすると、こんな感じですね。↓

いびつな「あなたの小説」を、丸い「正しい小説」にしていくのが、「上達」です。

上達=正しい小説とあなたの小説の差を縮めていく


もちろん、アドバイスするためには、「正しい小説」を知っている必要があります。

そして、「正しい小説」を知っているのは誰かと言えば、プロ作家や小説教室の先生というわけです。

ですから、そういった人たちに教えてもらうのが、原理的に、一番手っ取り早い上達方法なのです。


独力では時間が掛かりすぎます。

おわかりでしょうが、独力で上手くなろうとする場合、自分自身が「コーチ」になる必要があります。

あなたは「小説の正解」を知らないのですから、自分のコーチになるには、たくさんの小説を読んで「小説の正解らしきもの」を掴まなければなりません。

それにはとても時間が掛かるのです。


本気で小説が上手くなりたいなら、独力で小説を書いている場合ではありません。

コーチを探しましょう。

近くの小説教室や小説講座に行く、近所にプロ作家がいれば頼んでみる、ネットで小説講座を探す、などできることはたくさんあります。


2.結果を出したいだけの人の進み方

一方、ただただ結果を出したい人には別の方法があります。

それは

  • 出したい結果から逆算すること

です。

新人賞を狙うなら受賞作品を研究し、ネットの書籍化を狙うならネット小説を研究しましょう。

ゴールから逆算することで、何をすべきかがわかります。


単純に言って、結果を求める人が書くべき作品とは、

  • 出版社が求める作品

  • 読者が求める作品

です。

そこに「自分の好み」が入る余地はありません。

最短最速で結果を出したいなら、「自分」は捨てましょう。

徹頭徹尾、出版社や読者が何を求めているか、というところから考える必要があります。


ここで上手くいく作品を簡単に表現すると、

  1. みんなが好む定番をふまえ

  2. いままでなかった新規性を加えた

作品になります。


定番
とは、上手くいった作品に共通する要素や構造のことです。

新規性とは、読者へのフック(釣り針)となる目新しさのことです。

単純に言うと、定番とは「古さ」のことであり、新規性とは文字通り「新しさ」のことですが、定番だけでも、新規性だけでも上手くいきません。

よく出す図ですが、上手くいくには、古さと新しさの中間の作品を作る必要があるのです。↓

上手くいく作品=定番+新規性

縦軸は上手くいく確率。

横軸は「古い←→新しい」の軸です。

古さの方向に「みんなが好む定番」があり、新しさの方向に「ちょうどいい新規性」があります。

ですから、狙うのはグラフの色の濃い領域です。

そして、もっともバランスよく古さと新しさを融合させた作品が、一番上手くいくのです。

このことを知らなくても、偶然、上手くいくかもしれませんが、結果の再現性を求めるなら、知っておいた方がいいでしょう。


さて、まとめると、結果を出したい人がやることは主に2つです。

  1. 上手くいった作品を分析して「定番」を出す

  2. アイデア発想法やその他の方法をつかって「新規性」を出す

これは新人賞でもネット小説でも、基本的には変わらないはずです。

分析の方法や新規性の出し方などは、以前記事にまとめましたので、以下が参考になるかもしれません。↓


「小説が上手くなりたい人」と「結果を出したい人」

以上、2つの最短の方法をご紹介しました。

小説が上手くなりたい人は、下から積み上げる「ボトムアップ型」で進み、結果を出したい人は、結果から逆算する「トップダウン型」で進む、と考えてもいいかもしれません。


いずれにせよ、ゴールが違えばやり方も違ってきます。

逆に言えば、ゴールが決まっていなければ、やり方もどっちつかずになるでしょう。

中途半端なやり方でゴールにたどり着けるかどうかは、人それぞれです。


さて、あなたはどちらを優先しているでしょうか?

自分がどちらを向いているのかくらいは、ちょっと考えてみてもいいですね。


今回のまとめ

「小説が上手くなりたい人、結果を出したい人」でした。

  1. ゴールが違えばやり方も違う

  2. 小説が上手くなりたいなら = コーチに教えてもらう

  3. コーチとは、プロ作家や小説教室の先生

  4. コーチを探した方が上達は格段に早い

  5. 結果を出したいなら = 結果から逆算する

  6. 書くべき作品は、読者・出版社が求める作品

  7. 自分の好みが入る余地はない

  8. うまくいくのは定番+新規性のバランスが取れた作品

  9. どちらを優先しているか考えてみてもいい

新人賞などを目指しているなら、両方のいいとこ取りをするのが最良でしょう。

コーチについて最速で上達しつつ、市場やネットを研究して書くべき作品を決める感じですね。

それではまたくまー。

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