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ミステリっぽい小説を書く簡単なコツ3つ

最近、ミステリっぽい作品を書きたいと考えています。

いろいろ読みあさったところ、最低限これくらいわかっておけばミステリっぽい作品が書ける、というポイントがわかってきました。

今回はミステリっぽい小説を書くコツをご紹介します。



コツは3つ

ごくごく簡単なコツを3つほどにまとめました。

とりあえずこれくらいわかっておけば、ミステリを書いたことがない方でもそれっぽい作品を書くことができます。

  1. ミステリの基本構造を知る

  2. 真相に逆転を含める

  3. トリックより設定が楽


それぞれ簡単に説明していきましょう。


1.ミステリの基本構造を知る

まずはミステリの基本構造を知っておきましょう。

ミステリというと難しく考えがちですが、作者としてやることは一つだけです。

  • 真相を隠しておいて、最後に明かす


わかると思いますが、図にするとさらにわかりやすくなるでしょう。

ミステリの基本構造


上は読者が見ている部分、下は隠れている部分です。

最初、真相は完全に隠れています。

ですが、物語の途中でちらっと表面に現れることがあるのですね。

これが伏線です。


「真相を途中でチラ見せしておいて、最後にすべてを明かす」

単純に言って、ミステリでやっていることはこれだけです。


まずはこの基本構造を頭に入れておきましょう。

最初はシンプルにこれだけわかっていれば十分です。


2.真相に逆転を含める

ミステリの基本は、真相を隠しておいて最後に明かせばいいだけだとわかったと思います。

それでは、その真相は一体どういうものがいいのでしょうか?

答えは表題で書いたとおり、逆転を含んだものにするのが望ましいです。


ミステリはオチ(真相)の意外性を楽しむコンテンツです。

意外性とは、

  • (予想や常識)の(範囲外) = 予想や常識の範囲外

だと考えればいいでしょう。


では、予想や常識の範囲外の真相を作り出すにはどうすればいいでしょうか。

図式的に言うと、

  • 予想や常識から角度をつけていく

と考えるのが簡単です。


図にするとわかりやすくなるでしょう。

読者の予想や常識と逆の真相


濃い矢印は読者の予想や常識の方向です。

この矢印に沿った真相は、まったく意外性のない真相になります。

読者の予想どおりですから当然ですね。


意外性を出すには、この矢印から真相をできるだけ外していくことです。

読者の予想や常識から角度をつければつけるほど、意外性は増していきます。

そして、ほぼ逆になったところで最大になるわけですね。

ですから、真相には逆転を含めるのが望ましいのです。


ここで、「逆転」とは具体的にどういうことか見ておきましょう。

たとえば、

  • 男だと思ったのに(予想) → 女だった(真相)

  • 被害者だと思ったのに(予想) → 犯人だった(真相)

  • 良い人だと思ったのに(予想) → 悪い人だった(真相)

などがありますね。


また、トリックも逆転を含んでいることが多いです。

  • ワインで毒殺された

    • 予想:ワインの中に毒がある

    • 真相:ワイングラス(外)に毒が塗られていた

    • 逆転:中と外の逆転

  • 部屋に死体があり、みんなを呼んで戻ってきたら死体がなかった

    • 予想:室内にあった死体が運び出された

    • 真相:よく似た別の部屋に誘導されていた

    • 逆転:内部と外部(環境)の逆転


このように、真相に逆転が含まれていると意外性が増し、その真相を最後に見せることでミステリっぽさが醸し出されます。

「真相を考えるときは逆転を含める」と覚えておきましょう。


3.トリックより設定が楽

さて、上で書いたことを守れば、ミステリっぽいものは書けます。

つまり、

  • 逆転を含んだ真相を隠しておいて、最後に明かす

ですね。


ですが難しいのは「逆転を含んだ真相」を作り出すことです。

特にトリックを考えるのはかなり難しいでしょう。

なぜかというと、トリックは作者自身の認識や常識の逆を考えなければならないからです。


トリックが思いつかないようならさっさと諦めて、もっと簡単な方法に切り替えた方がいいです。

それが、逆転の設定をしておくという方法です。


今まで書いてきたように、逆転を含んだ真相さえあればミステリ風にできます。

ですので、そういった設定を考えて、それを隠しておけばいいのです。


トリックを作るというのは「アイデアを出すこと」と同じで、出ないときはいつまで経っても出ません。

ですが、設定は自分で考えればいいだけなので誰にでもできるのです。


実は、逆転の設定の例はすでに書きました。

  • 男だと思ったのに(予想) → 女だった(真相)

  • 被害者だと思ったのに(予想) → 犯人だった(真相)

  • 良い人だと思ったのに(予想) → 悪い人だった(真相)


これらはただの設定であり、トリックではありません。

ですが、これらの設定を隠しておいて最後に明かせば、簡単にミステリっぽくできます。

もちろん、隠し方やチラ見せの方法は考えなければなりませんが、トリックをひねり出すよりは遙かに楽でしょう。


「トリックを思いつかないのでミステリが書けない!」と悩んでいる方はぜひ、この「逆転の設定を隠しておく」方法を試してみてください。

新しいトリックがあった方がいいに決まっているのですが、思いつかなくて唸っているよりは、それっぽい作品を書いてしまった方が勉強になります。


今回のまとめ

「ミステリっぽい小説を書く簡単なコツ」でした。

  1. それっぽい作品を書くコツは3つ

    1. ミステリの基本構造を知る

    2. 真相に逆転を含める

    3. トリックより設定が楽

  2. ミステリの基本構造を知る

    1. 真相を隠して最後に明かす

    2. やっていることはこれだけ

  3. 真相に逆転を含める

    1. 意外性は予想や常識からどれだけ角度をつけられるかで決まる

    2. 逆転がもっとも意外性がある

  4. トリックより設定が楽

    1. トリックを思いつくのは難しい

    2. 逆転の設定を考えた方が楽


弱いトリックをオチに持ってくるくらいなら、逆転の設定を明かした方が遙かにマシでしょう。

オチが弱いと、読んで損した気分になるからです。

それではまたくまー。


(2024.3.18追記)

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