新作を書くなら、まず企画を立てよう
公募にしろ、ネット小説サイトへの投稿にしろ、新作を書くなら、その前におおまかでいいので企画を立てるといいです。
簡単に言うと、企画を立てるというのは、たくらむことです。
たくらみがないと、何が良くて上手くいったのか、また何が悪くて上手くいかなかったのかを後で顧みることができません。
今回は簡単な企画の立て方です。
企画を立てるには
(今回は企画といっても、企画の前段階のアイデア出し辺りのことを、企画の最初の一歩として考えていきます)
さて、企画を立てるには、以下のように考えていくといいです。
ゴールを決める
仮説を立てる
仮説に沿って具体化する
それぞれ概略を見ていきましょう。
1.ゴールを決める
創作におけるゴールは人それぞれでしょうが、今回は公募や出版、ネット小説サイトへの投稿などを前提としていますので、おおまかにはこんな感じになると思います。
ゴール
多くの人に読んでもらう
書籍化する
ヒットする
2.仮説を立てる
ゴールが決まったら、次に仮説を立てます。
仮説とは、ゴールに至るための仮の方法論のことです。
簡単にいうと、
「こういう感じの小説を書けば、多くの読者が読んでくれるだろう」
と予想することが仮説を立てることになります。
3.具体化する
仮説を立てたら、その仮説に沿って具体化していきます。
具体化というのは、どういう話にするのかを決めることです。
単純にいって、仮説に沿って決めた話が、企画(の最初の段階)に当たります。
ここまでわかったら、以下から2仮説と3具体化の作業をもうちょっと詳しく見ていきましょう。
ヒットの仮説
まず仮説から見ていきます。
「どういう感じの小説を書けば、多くの人が読んでくれるのか?」
これを考えることが、仮説を立てることでしたね。
とはいえ、仮説を立てるのはかなり難しいです。
ですので、今回は、私が考えるヒットの仮説を使って進めてみましょう。
私の仮説では、ヒット作は以下のような要素で成り立っています。
みんなが好きな定番要素
いままでなかった新規要素
つまりヒット作は、
ヒット作 = 定番要素 + 新規要素
の形に分解できるということです。
それぞれの要素を説明していきます。
定番要素
定番要素とは、ヒット作に共通する要素です。
あるジャンルにおいて、ここ2,3年でヒットした作品に共通する物語構造があれば、それが定番要素だと考えればいいでしょう。
それらの要素は、読者の多くが好きな要素ですから、使わない手はありません。
新規要素
ヒット作には、必ずいままでなかった新規性が含まれています。
定番だけでも勝負はできますが、新規性がなければヒットはしないというのが私の考えです。
後述しますが、新規性はワードの形になっていることが望まれます。
要素の割合
定番要素と新規要素にはベターな割合があるようです。
基本的には、どのジャンルでも定番要素の方が多くなります。
ジャンルによってその割合は異なるでしょうが、おおまかな指針としては、
定番:新規性 = 2:1
程度で考えておけばいいと思います。
以上のように、みんなが好きな定番要素6〜7割に対し、いままでなかった新規要素を3割ほど加えた作品がヒットする確率が高い、というのが私の仮説です。
では、この仮説に従って具体化作業を見ていきましょう。
具体化1:定番要素を出す
まずは定番要素を出していきます。
目指しているジャンルにおける、ここ2,3年のヒット作を見て、共通する物語構造があれば、それが定番要素です。
つまり、多くの読者が好きなお話ですね。
たとえば、私がいる男性向けライトエンタメジャンルでいうと、定番要素は、
逆転人生
力と地位の獲得
知識の活用
ヒーローとしての活躍
恋愛・ハーレム
生死を超える冒険
などが考えられます。
定番要素が見つかったら、そのまま真似しましょう。
ここで妙なオリジナリティを出す必要はありません。
(というより、オリジナリティを出してはいけません)
オリジナリティは次の新規要素で出せばいいです。
共通要素を見つけるのが難しかったら、作品を限定してみるのがオススメです。
限定するというのは、たとえば、「主人公は女性で、異世界に召喚される話」と作品を狭めてみることです。
限定すると、共通性が見つけやすくなるので試してみてください。
具体化2:新規要素を加える
上の行程で定番要素を見つけたら、どれかを採用して、物語の基本の流れをひとまず定めます。
たとえば、
「異世界召喚に巻き込まれた平凡な主人公が、無能力を理由に城を追い出されるが、実は主人公には秘められた能力があり、後日覚醒する」
などですね。
その基本を踏まえつつ、次はそこに新規要素(新規性)を加えましょう。
新規性を加える簡単な方法は、5W1Hを新しくすることです。
Who:主人公の性格、素性、職業、特技など
When:時代、時間など
Where:場所、舞台など
What:すること、やること
Why:理由、理屈、使命など
How:方法、やり方など
たとえば、主人公の特技を「刺繍」にして、その世界には「刺繍魔法」みたいなものがあると設定すれば、そこそこの新規性を加えられるかもしれません。
新規性を考える場合は、ワード(フレーズでもいいですが)の形にすることを意識しましょう。
なぜかというと、その新規性をタイトルに入れたいからです。
読者はタイトルを見て読むか読まないかを決めますが、タイトルに入れておかないと、せっかくの新規性に気づいてもらえません。
(気づかれないなら無いのと同じです)
ですから新規性を考えるときは、展開や理由などの表現が難しいものではなく、職業とか、性格とか、何かの名前とか、わかりやすいワードにできるものの方が望ましいのです。
さて、企画の立て方について、だいたいおわかりいただけたでしょうか。
以上のように考えていけば、最初のアイデア段階でもそれなりに「たくらんだ」ものができているはずです。
まずはご自身で仮説を立ててみるか、あるいは私のヒット仮説を使って、企画の最初の段階を考えてみるといいでしょう。
当てずっぽうで何を書くか決めるよりは、よほど戦略的です。
今回のまとめ
「新作を書くなら企画を立てよう」でした。
企画を立てるには
ゴールを決める
仮説を立てる
仮説に従って具体化する
ゴールを決める
多くの読者に読まれる
書籍化する
ヒットする
仮説を立てる
ゴールに至るための仮の方法論を考える
私のヒット仮説は
ヒット作=みんなが好きな定番要素+いままでなかった新規要素
定番2:新規性1
具体化する
仮説に従い、どういう話にするかを決めていく
私のヒット仮説に従う場合は
定番要素を出す
ヒット作から共通の物語構造を抜き出す
その構造をそのまま使う
新規要素を出す
5W1Hを新しくするのが簡単
新規性はワードになっていることが望ましい
(タイトルに入れるため)
もっと筋のよい仮説があると思います。
そういった仮説が出せれば、少なくとも狙いをつけることはできますね。
それではまたくまー。
(2023.10.6追記)
おー!
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