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イラスト・デザイン・印刷〜出版までの行程を見てみよう(6)

崖っぷち作家のニジマルカです。

「出版までの行程を見る」6回目です。

5回目はこちら。↓


出版までの行程

出版までの行程はこんな感じです。↓

1.アイデア出し
2.企画書づくり
3.企画会議
4.執筆
5.推敲・改稿
6.校正
7.イラスト・デザイン
8.印刷

9.告知・宣伝
10.発売

今回は、7.イラスト・デザイン、8.印刷です。


各種オファーがはじまる

原稿がだいたい仕上がったところで、表紙や挿絵などのオファーが始まります。

イラストが入る本ならイラストレーターさんへのオファー、絵がない本ならデザイナーさんへの発注になります。

イラストのある典型的なライトノベルでは、以下のようなイラスト作業が発生します。

・キャラクターデザイン
・表紙絵
・口絵(カラー見開き2,3枚)
・挿絵(モノクロ10枚前後)

担当さんがイラストレーター候補を上げてくれるので、絵柄を見て、オファー順を決めるなどすればいいです。

作家がイラストレーターさんを指定できるかというと、指定はできますが、実際にそうなるかどうかは担当さんの判断やイラストレーターさんのスケジュールに寄ります。

最近はイラストレーターさんが不足しているようで、名の売れた方はスケジュールが詰まっていることも多いようです。

イラストで売上が変わるかというと、明らかに下手でない限り、そこまで差がつかない印象です。
(もちろん上手いに越したことはありません)


イラスト作業がある場合は、適宜、作家にも絵が届くので、どうして欲しいかフィードバックを返します。

よくわからなければ、担当さんにお任せすればいいでしょう。

イラストのない本は出したことがないので、すぐにデザイン作業に入る場合はどういう行程になるのかわかりません。

スケジュール的にはもうちょっと早い段階で打ち合わせが始まると思います。
(イラストがある場合は、絵の指定があるため、最終稿ができてからのオファーになります)


デザインに入る前に

表紙のデザインなどが始まる前に、タイトルと、あらすじがあるならあらすじを決める作業があります。

仮タイトルはあると思いますが、本当にそれでいいのか、よくよく吟味した方がいいです。

何度も同じことを書いていますが、作家ができることで直接売上に影響するのは、タイトルあらすじだけです。

タイトルとあらすじを良いものにするだけで、売上に決定的な差が出ます。

ですから、原稿が終わったら、タイトルとあらすじに全力を注いだ方がいいです。

私がいるエンタメジャンルでは、以下くらいは最低限考えておきたいところです。

タイトル
・新しそうに見えるか
・わかりやすいか
・パワーワードが入っているか

あらすじ
・読むとどう得するかわかるか
・抽象的な表現や奇抜な造語を使っていないか
・ネタバレになっても上手くいくところまで書いてあるか

もしタイトル付けで苦労するなら、たいていの場合、アイデアが足りていません。

タイトルに書くべきアピールポイントがないのですね。

そういう場合は、ほぼ失敗します。

最初のアイデアが悪いと、どれだけ上手く書いても挽回できません。

ですから、何度も書いているように、最初のアイデアこそが最も重要なのです。

とはいえ、もう出版するしかないのですから、できるだけのことはしてみましょう。

タイトルとあらすじを良くすることで、売上に下駄を履かせることはできます。

ここで注意ですが、売りたいからといって、タイトルやあらすじで嘘をついてはいけません。

たとえばタイトルで「切ない系の恋愛」を匂わせたのに、内容がほぼコメディだったとしたら、次巻はほぼ売れないでしょう。

読者を裏切ると次はないのです。


表紙・帯デザイン

表紙や帯のデザインは、通常2、3案送られてくると思います。

イメージがあるなら最初に伝えておいた方がいいですが、最初の作品は特に右も左もわかりませんから、全面的に担当さんにお任せすればいいです。

帯の文言なども担当さんから提案があると思います。

帯についてはよくわからないのですが、帯を見て手に取る人がいるのかどうかは微妙な感じがしています。

一般小説では「〇〇氏推薦!」みたいな有名人の顔写真つきの帯もありますよね。

ああいうのは少しは効果があるのかもしれません。


作家側から帯の文言などを提案することもできますが、そこまで売上に影響するかというと、それほどでもないというのが今のところの印象です。

ですので、自分は全部担当さんにお任せしています。


印刷

イラスト、表紙デザイン、帯デザインなどが全部終わったら、印刷に進みます。

この辺りは出版社側の作業なので、こちらでやることはありません。

ジャンルによって違うと思いますが、私がいるジャンルではだいたい出版の1ヶ月前くらいが入稿締め切りの感じです。

出版部数は会議で決められます。

最初の刷り部数は初版部数と言われますね。

印税はこの部数を元に一括で支払われます。

重版(再印刷すること)しない限りは、本を出して頂ける印税は最初の1回だけです。

最近は電子書籍もあるので、電子の印税はまた別途支払われます。

出版前に契約書も送られてきます。

本当はちゃんと読んだ方がいいのでしょうが、普通にサインして問題ないと思います。


今回のまとめ

出版までの行程を見る6回目「イラスト・デザイン・印刷」でした。

1.イラストがあるならイラストレーターさんへのオファーが始まる
2.イラストは適宜送られてくるのでフィードバックを返す

3.デザインは2,3案送られてくるので選ぶ
4.帯はそこまで重要ではない印象
5.印刷は気にしなくていい

次回は「告知・宣伝」です。↓

それではまたくまー。

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