「根回し」の善し悪し【コトバビタミン】第70回
私は「根回し」が下手である。
他者から「根回し」が下手と言われることがあるので、おそらく下手なのだと思う。
しかしその下手さにはあまり残念さを感じない。
そもそも事を有利に運ばせるために「根回し」しておこうという意識はあまりない。
他者から見ると、私の行動が「根回し」に見えたり、誰かの「根回し」に乗ったケースもあるのかもしれない。
根回しの意味は、交渉などを有利に運ぶための下準備という意味もあるが、非公式での裏工作という意味もある。
その意味にもあるように「根回し」し過ぎて捕まる人もよくメディアで見かける。
恐らくこの世界は、この「根回し」によって上手く回っている部分も少なくないかもしれない。
「根回し」をしておこうと考える人は、権力を持っていることが多いが、その権力もこれまでの「根回し」で得ているケースも少なくない。そして、上に立ってからはその「根回し」を受けて、目をかけている誰かや自分に利益の生まれるよう取り計らう。
以前書いたこちらの話とつながるかも?
しかし、本来のタイミングに本領を発揮できない不安から、保険をかけているケースもあり、自信の無さから裏から先に手を回すという行動に出ていることもあるかもしれない。
あっ、思い出す限り「根回し」をしたことを一つ思い出した。
それはこのコラムの第9回でも書いた内容である。
私が主催したライブで、あるバンドにバックでの演奏をお願いしたときのこと。バンドのメンバー1人とその日のPAさんにだけ、私がハケた後にもう一曲自分のバンドの曲を演奏するよう伝えていた話。
感動するので、お時間あれば!
この「根回し」を思い付いたのは、私が参加していない状態でのこのバンドの出番を見た後。本編で彼らの本領が発揮されていなかった気がしたのでリベンジの機会を作るため。
私の経験的見解では、私を下に見ている人は私への「根回し」はしない。自分より上の立場にある(上の立場と見ている)相手にだけ「根回し」をする傾向にある。
それも何だかダサい気がする。
「根回し」をしてなかったことを怒られるって違うしね。意味的にも「根回し」は本来しておかなくても良いことなので。
もちろん、立場の上下関係なく「報・連・相」は大切!
「必要な事を必要なタイミングで正面切ってやる!」
大切なことはこれだと思う!