癌のこと パート②
前回の続きになります。前回を読んでない方は、ぜひ『癌のこと①』を読んでいただけたらと思います。https://note.com/nijiiro202012/n/n6cc0b4a7484e
近くのクリニックで大きな病院を紹介され、その病院へ行った。そこからは怒涛の検査ラッシュが待っていた。
大腸内視鏡。胃カメラ。CT。MRI。レントゲン。腹部エコー。心電図。呼吸機能検査。採血。他にどんな検査をしたかな。忘れてるな。
そこから、幸いなことに手術は数週間後に行ってもらえることになった。主治医から言われたことは『やはり直腸がんだということ。上部リンパ節に転移している可能性があるかもしれないこと。なので、少し大きめにその部分を切るということ。ステージとしてはⅡ~Ⅲ位。再発率は15~25%程になりそうだということ。』
『腹腔鏡手術を行うということ。おなかに5か所穴をあけること。人工肛門となる可能性もあるということ。手術時間は5時間ほどになること。』そう。例にもましてまた、私はこの告知を一人で聞いていた。
自分は覚悟してたから全然いい。娘たちに伝えることの方が心配で仕方なかった。
娘たちに報告した。娘たちは泣き始めた。3人で泣いた。病名を聞いて詳しいことは分からなくても『ガン』とさえ言えば、それは世間的に重大な病気だということは分かる。
『大丈夫だから。お母さん治るから。良くなるから。』そう言うことしか出来なかった。手術は7月頭。急に決まったのに両親が来てくれた。入院中、娘二人になるから母はしばらく残ってくれることになった。
癌になって、私は心配してもらえる存在なんだ。こうして泣いてくれる人がいる。こうして、駆け付けてくれる人がいる。生きてていいんだって思えた。泣いてくれる人たちの側に、また戻らなくちゃって。
手術前のカンファレンス。消化器外科の先生、麻酔科の先生に説明を受ける。『お願いします。』私に言えることはそれしかなかった。先生からは、ビデオに撮って、研究資料にさせてもらいたいと話があった。『ぜひぜひ!私が少しでもお役に立てるのならなんでも使って下さい!』そう伝えた。
手術当日は、息子たちも来てくれた。なかなかの長時間の手術になる。オペ室に入る私をみんなで見送ってくれた。『頑張ってきて。』『待ってるからね。』そんなみんなの言葉に『うん。』としか答えられない。『行ってくるね。』と伝えてドアが閉まるまで皆がこちらを向いて手を振ってくれる。オペ室のドアが閉まる最後まで。母より父の方がいまにも泣きそうな顔をしているのが、堪らなかった。
今日も読んでくださってありがとうございます!!
次はオペの分かる範囲での様子を書きたいと思います。