見出し画像

3.久しぶりに11月の定例会に出席しました!

11月20日より数日間、愛媛県の実家に帰省したので、25日(金)
久しぶりに〈新居浜家族会ひなぎく〉の定例会に出席してきました。

定例会自体は、大体、月に2回のペースで開催されていますが、前回にも書いたように、私は普段は埼玉県在住。
年に数回帰省した時にしか出席出来ない…という、不真面目な会員です。

「なぜ、そんな遠方の家族会の会員になっているの?」
「拠点である埼玉県内の家族会に参加した方が良いのでは?」

当然、そう思われますよね。
でもこれには私なりの理由があります。

1つは、当事者である兄が暮らす地域の家族会だから。

各家族会の目標、取り組みがあると同時に、その地域ならではの歴史・雰囲気があります。
兄や我が家のことをよく知ってくださっている仲間の存在は、単に「情報共有」「活動」のためだけではない安心感、信頼感があります。
万が一、何かあった時にも、兄が生活している場に相談出来る人がいる。
家族にとっても、どれほど大きな支えとなっていることか・・・
身に染みている私にとって、とても大切な理由です。

そしてもう1つは、父の想いや変化を見てきたから。

そもそも新居浜家族会には10数年前に父が参加するようになって以来、昨年亡くなるまで、ずっとお世話になっていました。

入会した当時の我が家の状況はと言えば・・・
兄の発症から30年近く経っていましたが、症状の改善、緩和はほぼ認められず、兄の将来はもちろん、家族の行く末に希望が見出せずにいた頃です。
当時、実家とも距離を置き、その現実から目を背け、詳しい状況を知りたくないとばかりに兄の話題も避けていた私でしたが、決して楽観出来ない状況だということは、ひしひしと伝わってきていました。

そんな中、母に認知症の症状が出来てきて、兄のことだけでなく生活全般の負担が父の背中にズシリと襲いかかり、そこに追い打ちをかけるように、母の末期癌も発覚、手術や入退院を繰り返すようになりました。

すると、その状況を敏感に感じ取った兄の症状も、みるみるうちに不安定になり、ついに「あわや!?」となる深刻な事件直前まで!
その日から、兄も緊急入院となりました。(入退院は若い頃から繰り返していましたが)

母の病院と兄の病院を行ったりきたりしながら、心身共に疲弊しきった父の様子を見ながら、これはさすがに緊急事態だと、私も毎週のように埼玉と愛媛を往復していました。

父と私だけがどんなに頑張っても事態は変わらず。
2人で相談するにも、前向きな考えなど出るはずもなく。

「もう終わりや・・・」「どうにもならん・・・」
肩を落とし男泣きをしていた父の姿は、今も決して忘れることが出来ません。

誰にも相談出来ないし、何の解決策もない。
そんな中、兄の主治医から家族会の存在を知らされた父が、相談のためにと足を運んだのが、今もお世話になっている〈新居浜家族会〉でした。

はじめのうちは、いかにも "渋々” ”致し方なく” 通い始めた父でしたが、そこから本当に少しずつ少しずつ……何年何年もかけて……
我が家に変化が見え始め、いつしか父にとっても家族会の存在が心の拠り所となり、その後の生き方も、兄の症状も、私の心の向きも、家族関係が大きく変わっていくきっかけになったことは、確かです。

我が家がここに至るまでの詳しい状況や、その後の変化。
新たな展開については、数年前より、様々な場所や方法で(著書出版・各地の家族会や人権福祉イベントでの講演・動画公開など)公表しているので、今後、それらもこの note でも綴っていこうと思っていますが・・・

私自身、あえて遠方であっても、新居浜家族会の一員として活動したいと思った理由は、こうしたいきさつがあってのことです。
父の遺志を継ぐ、とまで語るにはおこがましく感じますが、きっと喜んでくれているとは思います。

そうして、久しぶりに皆様と顔を合わせ、互いの近況報告をしたり、次の交流会を楽しみにする声が聞けたり、配られた来年のカレンダーをを話題にしながら展望を語ったりした時間は、とても心和む時間ちなりました。

場面緘黙という生きづらさをお持ちの方が描いたイラストですが、言葉は「話せ」なくても、このイラストが、その方の豊かな人間性や豊かな想像力を雄弁に語っていました。

私からは、愛媛県らしく?
我が家の庭にたわわになったミカンを持ち込み、皆様にも引き取っていただきました。

今年は家族会への出席は、今年はこの日で最後でした。
でも、この note を通じて参加している気持ちでいます。

来年のカレンダーも、市内の福祉施設と共有しているものです。
新居浜といえば、10月に開催される〈新居浜太鼓まつり〉がとても勇壮かつ華やかで有名です。
故郷の行事、お祭り、年を重ねるごとに懐かしさが増している私です。

新居浜在住デザイナー曽根輝夫氏によるカレンダーは数十年、ボランティアで制作してくださっているでそうです。家族に寄り添う市民の方のおかげで成り立っていることも多いですね。

文:畑 奉枝


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?