「真女神転生5Vengeance」の感想。
メガテン5完全版こと「真女神転生5Vengeance」の新規ルート「復讐の女神篇」をようやくクリアしました。
結論から言うと、「元がめちゃくちゃ面白いからそりゃ面白いに決まってるけど、ストーリーは微妙にズレてない?」っていう感じでした。
いや、システム部分はすごく良かったんですよ。細かい部分が改良されてて、バランス的にも全体的に角が取れてマイルドになった。パラメータがめっちゃ上げやすくなって、ある程度ドーピング力押しができるようになった。「人修羅専用のスキルビルド」とかそこまで詰将棋じみたことをしなくても、ちょっとした対策で裏ボスに勝てるので敷居がかなり下がったなあ、と。
今風のチューニング。対応ハードが増えて、「俺ツエー」みたいなシンプルなプレイを好む人が手に取る機会も増えるだろうし、ちょうど良いんじゃないのかな、と思う。無印で挫折した人も是非。
ストーリー的にも良い部分だってそりゃたくさんあった。無印にもあった冒頭の品川駅の殺人のくだり、犯人のグラシャボラスが出てくるのはとても良かった。核となるカディシュトゥと繋げたのも上手いなあ、と思いました。東京タワーのヒュドラもそう。デザイン的にも当初から蛇神の設定があったのが分かるし、新エピソードの伏線に繋げたのは上手い。ほんと、無印でもうっすらサブクエストで見え隠れしていた「牛神」を表に出して、一方の「蛇神」にフィーチャーしたのは良かった。法の神亡き後の神々の覇権争いというスケールの物語にふさわしいとも思う。
ただ、肝心の導入は相変わらず弱いなあ、と。放課後一緒に帰る人を教室で探すくだりとかは不要なので、魔界に入る前に主人公にユズルと一緒にデビルサマナーやらせるとか、ちゃんと現実から非現実へのシークエンスがあった方が良かった。その方がシャカイナグローリーとかの大ネタが生きるのでは。そもそも品川駅の騒動が分かりにくいのよね。ダァトでユズルに会って察するし、それが意図なんだろうけどもう少しユーザーに情報を与えても良かったんじゃないかな、と思いました。
それと、ユーザーの声を反映して人間ドラマ部分を強化したんだろうけど、それがちょっと裏目に出てる気がした。知恵を奪われた神々といえどもティーンエイジャーの苦悩に振り回されてどうすんねん、というか、神々の策謀に翻弄される人間たちは友情とか生きる意味とか考えてる場合じゃないだろ、って思う。その辺は無印より違和感が大きかった。正直、無印のサホリでさえなんか違う気がしたし。この世界観なら真3くらい観念的な方が良かったっす。あれくらいの方がリアリティがある。
何より、新シナリオは蛇神あるいはカディシュトゥの復讐の物語と至高天の玉座を巡る創世の物語がごっちゃになってどっちつかずになった感じが残念だったなあ、と。その物語のズレだけは惜しかったです。無印と違って成り行きで玉座と対峙する感じが…。
けど至高天の雰囲気は相変わらず最高でしたし、ダァトをソニックっぽく駆け巡るのは単純に楽しい。個人的にはそれだけで満足。
にしても、やっとの思いでサタンさんシバいて合体解放したけど素材足りねえ…。シルエット的に魔王レベル99は閣下なんだろうけど、どうやって作るんだろ。