「やさしい日本語」で防災チラシ作成ワークショップに参加してきました!
長野県県民文化部主催の「やさしい日本語」で防災力向上講座に参加してきました。
今回はそのレポートです。
講座名「やさしい日本語」で防災力向上講座
この講座は全4回の講座で、今回は第4回の講座のレポートです。
私は地域日本語教育コーディネーターとして、長野県から任命されています。
地域日本語教育コーディネーターは地域の多文化共生社会作りの一つとして、地域における日本語教育の推進のために日々、地域での課題の相談や新規教室の立ち上げサポートなど多岐に渡っての役割を担っています。
地域での相談で、最近ホットな話題はまさに「やさしい日本語」。そして、長野県は2019年の台風19号で大きな被害を受けました。そんな経験から各地で防災教室が行われるようになりました。今回はそんな「やさしい日本語」と「防災」がタッグを組んだ講座です。
参加者は日本人だけでなく、外国籍住民と見られる人の参加もありました。
また、地域の日本語教室の関係の方も多く、知り合いの方も多く参加されていました。
ワークショップの内容は?
講師はNPO法人多文化共生マネージャー全国協議会代表理事の土井佳彦氏。
日本語教育を軸として多文化共生社会のまちづくりを進めている方で、私の推しのお一人です。
さて、内容ですが、前半では外国人が災害にあった時の反応や様子をインタビュー動画や講師の経験談を交えて講義を聞きました。
講座の後半は5名ほどのグループになり、開催地である佐久市に向けてのチラシ、または長野県全体に向けてのチラシを作ることとなりました。
私は長野県全体に向けてのチラシを作るグループに参加することにしました。
チラシを作る上で、講師から
「長野県、または佐久市にはどんな災害があるのか」
「知っておいた方が良いものはどんなことか」
といった問いかけからチラシ作りはスタートしました。
グループワークでチラシ作り
自己紹介から私たちのグループは県外からの移住者や防災士の方といった多様な方が集まっていました。
その中でどんな災害があるかを考えていたとき、県外からの移住者の方が「長野県では初めての冬でちょっと不安なんです。先日、雪かきの洗礼を受けました」とおっしゃった。
そういえば、長野県には中国国籍の住民が一番多く、次いでベトナム、ブラジル、フィリピンが多い。南国出身者が多い。
長野県は豪雪地帯と言われる地域は限られていますが、冬を安全に暮らすための知恵というか、ライフハックは数多くあります。
水道が凍らないように不凍栓を閉めなければいけない
雪道を車で走るにはスタッドレスタイヤ(スノータイヤ)を履かなければいけない
凍った車の窓ガラスにお湯をかけてはいけない
雪道の歩き方などなど
災害時ももちろん大事だけど、日常の生活での呼びかけのチラシにしようということで、上記の内容をチラシにすることになりました。
「やさしい日本語」は難しい・・・?けど
これを「やさしい日本語」で表していくことに本当に難しさを感じました。
私は普段はどちらかというと「やさしい日本語」について解説する側です。
この「やさしい日本語」への変換が難しく、頭を悩ませることもよく理解していたつもりですが、グループワークで複数人での活動がさらに難しくさせていたようです。
メンバーと話し合いながら、一つの作業をすることの難しさと、話し合いながら作業を進める楽しさも味わいました。
与えられた時間は1時間以上とたっぷりあったのですが、やはり最後はもっと時間が欲しくなるものです。
長野の冬の必需品のチェックリストを作ったところでタイムアップ。
他のグループのチラシも全体で鑑賞しました。
印象的だったのは、佐久市独自の防災アプリ「さくステ」を活用方法をチラシにしたグループがあり、「なるほど!」と思いました。
メンバーを見ると地域の日本語教室で活動されている方でいつも感じていたこと、考えていたことを形にされたようでした。
作成したチラシは後日、デザイナーさんが入り、すてきなチラシに仕上げてくださるとのことで、できあがりがとても楽しみです。
最後に
「やさしい日本語」と「防災」というお堅いイメージのある講座ですが、今回の講座は交流を促す活動も散りばめられていて、各地での教室活動としてもできる明るい雰囲気の講座でした。
また、「チラシは、見た人の行動変容を促すために作られる。そのためには相手をよく知ること」という講師の言葉がとても印象的でした。
この言葉から「やさしい日本語」と「防災のチラシ作り」はとても相性が良いのかもしれないなと気づきました。
私もこうした形で「やさしい日本語」と「防災」を通して、地域住民との交流を促進していきたいと強く思います。