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「East meets West」東西文化比較~冷温の食事

月曜日からクラス旅行に出かけていた次女が帰ってきた。
前は学校の旅行とかお泊り会というと、ゾンビみたいな顔で帰ってきたけど、今回は顔色は悪くない。
寝られたの?と聞くと、ちゃんと寝たと答えた。
興奮して、楽しすぎて、友だちとずっとおしゃべりしてるというのが定番だったけど、今回は炎天下でのハイキングや、土砂降りの中でのマイン河カヌーなど、日中に体力を消耗したおかげで、寝られたのかもしれない。

でも、「お腹すいた! なんか食べたい!」と。
いつも子どもの帰宅に合わせての昼食なので、うちの昼食タイムは14時なんだけど、私が大学から戻ったのが12時。
(次女は夫が迎えに行って、もう少し前に帰ってきていた)
まだ2時間もあるので、とりあえず余りご飯でおにぎりでもしてやろうかと、ふりかけを出すのに冷蔵庫を開けたら、一昨日の残りの、早く食べちゃわないといけないチェバブチチ(ユーゴスラビアあたりの俵型ハンバーグ)があったので、おにぎらずにしてやった。

出来上がるのを横で待ちながら、食事がおいしくなかったと文句を言う。
まあ、いつものことだ。
多分、日本の子どもだって、学校の旅行から帰ってきたら、「うちのご飯が一番!」と思うだろう。
どうしても大勢用に作る料理というのはうまくない。
生のものや逆に煮込みなどならいいが、焼いたり、ゆでたり炒めたり、というものは時間の経過とともに味が落ちる。

さらに、ドイツは朝晩温かいものを食べないのだ!
いわゆるカルテスエッセン(Kaltes Essen/Cold meal)というやつなのだ。
ドイツの場合は、サワードゥという酵母を用いて発酵させたパン、いわゆる黒パンにチーズやハム、サラミなどをのせて食べるのが夕飯だ。

だから、一晩はパンだけで、1日は朝ご飯のときに自分たちで昼食のサンドイッチをついでに作った(2回コールドミールだった)ので、夕飯はパスタ(固くておいしくない!)とソース(しょっぱすぎる)だったそうだ。
最終日の夕べはバーべーキューだったけど、ヴィーガンやイスラム系の生徒に配慮して、先に代用肉から焼き始め、あまりにお腹が空いていたので、サラダビュッフェをたくさん食べて、結局肉は入らなかったそうw
平日の朝食こそ料理はしないけど、昼夜温かいものを食べる次女には不満だったろう。
週末はオーブンでパンを焼き(オーブンで10分焼くことを想定した半生パンを売っている)、卵をゆで、朝から温かいものを食べるしね。

学生のころ、ドイツを旅行していて、ユースホステルの夕飯にコールドミールとウォームミールがあったのが不思議だった。
そしてコールドミールのが安い!
私はどちらも取らなかったので、違いが分かっていなかった。
当時の私は、夕飯に冷たいものだけを食べるという想像ができていなかったのだ!

また、昔、ドイツに留学に来た学生のブログ(当時はホームページって呼んでた!)で、クリスマスの昼にご馳走が出て、夕飯はもっとすごいだろうと昼を少なく食べたら、夕飯はパンだけだった、というのを読んだことがある。
英語を習ったときに、晩ご飯がDinnerなのじゃなくて、正餐がDinnerで、主に夜に食べるというのがぴんと来なかったけど、ドイツでは、このDinner正餐がクリスマスなどでは昼に来ることが多いのだ。

昔は学校や仕事から一旦帰宅して、昼食に温かいものを食べていたのだろう。
今は昼は大抵の家族がばらばらだろうから、そろって食べるのは夕飯になった。
多文化にもなってきているので、夜に温かいものを食べる家庭も多い。
しかし、その分昼は持参したサンドイッチやサラダ(でっかいボウル!)など、冷たい食事をしている人も少なくない。

私が出産で入院したときも、病院は普通に朝晩がコールドミールだった。
初めての夜、仰々しい円錐の蓋つきのお皿があったから、何だろうと開けてみたら、パンが2枚、チーズが1枚、ハムとサラミが1枚ずつ入っていて、びっくりして、そのあと悲しくなった。
(なので、そのあと友人が入院するときは弁当を届けた)

夫が転地療養に行ったときも、普通食を選択すると夕飯はコールドミールだったそうだ。
結婚するまで30数年間、夕飯はコールドミールだったくせに、私との暮らしですっかり夕飯も温かいものになれた夫はそれがいやで、アーユルヴェーダ食(インド??)にすると、夕飯にスープがつくと聞いて、変更していた。

次女の話を聞いて、コールドミールにまつわるあれこれを懐かしく思い出した。
中でも懐かしかったのが、アイキャッチにつかったこの画像。
ドイツに来たばかりのころ、面白いよねと日本人の同僚が見せてくれたものだ。

Drei Mahlzeiten/三餐

今、調べたら「East meets West」という本にまとめられていて、ベルリンに住む中国系デザイナーが作ったものだと分かった。

Pünktlichkeit-On time/准時
Chef/(中国語が読めない・・・)上司

もっといろいろあるけど、著作権にふれるだろうから、興味のある方は、ぜひ書籍販売サイトで、画像をぱらぱら見てほしい。


デザイナーの事務所のHPに掲載されているこのMeetシリーズには、他に「Man meets Woman」「Today meets Yesterday」「Europa trifft(meetsのドイツ語) USA」などがあり、どれもクスっと思えるものだ。
(これも上記書籍販売サイトからも、中身をお試しで見られる)

取り立てて、「男が、女が」とか、「この国はあの国は」など、いいにくくなってきている現代だけど、違いがあるのが当然。
もちろんステレオタイプなところもあるけど、それを肴に「日本も中国と同じ!」とか「これは日本はドイツ寄りだな!」とか考えるのは面白い。
購入できるようなので、授業のスモールトーク用に1冊購入してみようと思う。

ちなみに、昨日魚を買えたので(イタリア食材店で新鮮な魚介が買える)、昼は鮭丼。
酢飯は冷たいけど、温かい味噌汁つき。
夜は殻付きの海老の殻をとるところからの海老フライだ!
次女よ、お帰り。無事で何より。

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