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chapter2: KUWACHA商品開発

美と健康に関する桑の研究

株式会社岡野は、780年の歴史ある伝統的工芸品「博多織」を受け継いでいます。私は伝統工芸もまた、価値を伝えていかなければ、未来は厳しいものになると考えています。

これまで私の考えに共感してくださる伝統産業の方々と一緒に色々なプロジェクトを行い、新たな価値をリブランディングして世に出してきました。有田焼のアリタポーセリンラボさんと、現代アーティストのコラボレーション作品をプロデュースしたのもそのひとつです。

そのような取り組みの一環として、日本の伝統文化に由来する日常の美と健康を取り戻すための研究を「日本養生院」として行ってきました。絹は、シルクロードができたほど、世界を魅了しました。そして、絹そのものに薬効があることが近代の研究で明らかになってきています。外服薬・内服薬という言葉があるように「服」は元来、薬でもあったようです。

薬として伝わった「茶」も「一服する」と言います。栄西禅師により、喫茶の風習が日本に初めて伝来したと言われています。栄西禅師が建立した日本最初の禅寺「聖福寺」は、博多織の開祖の菩提寺でもあり、実は私たちと深いご縁があります。栄西禅師の著書「喫茶養生記」には、心身を整える効用に関することが記されています。その中でも、私たちが現在服している緑茶や紅茶ではなく、「桑」のことが中心に記されていることに注目しています。現代の科学で、桑に含まれる成分の高い効能が証明されています。

このように日本の伝統文化から紐解かれる美と健康に関する研究をこれからも行ってまいります。

喫茶養生記 茶は養生の仙薬なり

喫茶養生記とは

禅僧「栄西」が承元5 (1211) 年に著述したもので、栄西が鎌倉下向の際、当時の将軍源実朝に献上したと言われています。「茶」は仏教とともに中国から伝来しましたが、平安時代には上流貴族や僧侶の間で「薬」の一種と考えられ、長寿の妙薬とされていました。
栄西も本書で「茶」の製法や効能を説き、喫茶による諸病の治療法を述べ、健康管理の必要を主張しており、栄西が書いた「日本最古のお茶の本」と言われています。
喫茶と喫桑の薬効を説いた本で、当時は医学書として扱われていました。

上巻は、「五臓の調和」が健康の基本であることが書かれ、心臓が必要とする「苦味」は、日常の飲食からは摂取困難で、これを解決するのが飲茶である、とされています。また、木の栽培方法、摘み取り方、お茶の製造方法なども書かれています。
下巻では、当時鬼や妖怪などが横行したことで国土や人心が乱れ、それが様々な病を呼び込むと考えられており、それぞれの症状の解説と、その治療には「桑の木」と「茶木」を用いることが有効とされています。

また桑を服用する10の養生法について、下記のように言及しています。
近年桑の研究が進み、その豊富な栄養素や効能について明確になってきましたが、約800年も前に多くの効能が記されていたことに驚きを隠せません。

豊富な栄養素

桑葉は、青汁の原料として知られるケールと比較しても、さらに多くの栄養素を含んでいます。
ケールと比べ、食物繊維は約9倍、カルシウムは約15倍、鉄分は約11倍、Bカロテンは約9倍、ビタミンEは約18倍、葉酸は約3倍。これだけの栄養素を含んでいますが、その事実はあまり広く知られていません。

私たちはこの桑葉に着目し、「KUWACHA」の商品開発を進めています。

Chapter1でも記載した通り、妊娠期の女性に特に必要と言われる「葉酸」が圧倒的に豊富で、しかも桑茶はノンカフェイン。妊娠中や授乳期も安心して飲んでいただけるうえ、葉酸の接種までできて一石二鳥です。また、体重管理が大切な妊娠期、桑の食物繊維がコントロールにも寄与してくれます。

妊娠、出産期のお祝いにぴったりな桑茶を、大切な方へのギフトにも活用いただきたいと思いKUWACHAを開発しました。ぜひ皆さんもお試しください。

次回、chapter3では、KUWACHAパッケージデザインに込めた想いや、購入後の活用方法などについてご紹介します。


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