ウマ娘3期の構成ちょっと変えた
ウマ娘3期見た。
色々言いたいことはあるんだけど、それよりもこういうのが見たかったんだよというのを出力して溜飲を下げることにする。
キタサンの戦績やスピカというチーム、ドゥラメンテを初めとする同期のライバルといった少し調理すれば美味しくなりそうなキャラクターを脚本が持て余してるなーという印象を受けたので、ちょっと構成変えてなるべく全員活かしてみようかと思う。
序盤を少し厚めに取ってエピソードを盛り、終盤はそれの回収するような構成にすれば1クールでも描き切れそうな気はする。
初めに言っておくとピークアウト無しルートです。
クッソ長文なので注意。
1話
キタサンブラックの回想。
昔からお祭りが好きだった。皆が笑って、騒いで、楽しんで。
そして、その中心にいた父のことを誰よりも尊敬していた。
キタサンブラックとサトノダイヤモンドが仲良くトレセン学園に入学。
テイオーとマックイーンに会いスピカに入りたいと伝えるが、本格化が始まったら是非と言われしばらくは学業に励む。
二人で並走する内に徐々にダイヤが追い付けなくなり、先に本格化が始まったことを感じるキタサン。
クラスメイトのサトノクラウン、シュヴァルグラン、サウンズオブアースらとどこのチームに所属するかを話した際に「スピカ」と答えると、
あの変な勧誘やってるところでしょ…?
菊花賞ウマ娘ゴールドシップさんがいるところ…?
と言われるなど評判は悪そうだったが、憧れのテイオーさんがいるという一点で望む。
ダイヤと1年の差が出来てしまうのは寂しかったものの、いつか有馬記念で一緒に走ろうと約束し、スピカに入る。
スピカの先輩たちに歓迎され、特訓し、デビュー戦も勝利。
順風満帆に見えたクラシック初戦の皐月賞。外から凄まじい豪脚で全員を抜き去ったドゥラメンテによって敗北を喫する。
自分も無敗の三冠ウマ娘という夢は叶えられなかった。それでキタサンはどうするのか聞くテイオー。
強く前を見据え、ドゥラメンテに勝ちたいと闘志を燃やすのだった。
2話
初の敗戦だが落ち込んでもいられず、続く日本ダービーへの準備を始める。
ダービーのことならお任せ。このボクがキタちゃんを勝たせてあげると自身満々に名乗りをあげるテイオー。いやいや自分もダービー勝ってるんだと負けじと声をあげるスペとウオッカ。
この3人を筆頭にスピカメンバー全員で皐月賞との違い、コース形状、ペース配分などを模索し特訓。
その様子を見て良いチームになってきたと感慨深くなる沖トレ。
その後、ダービーこそ勝ってみせるとダイヤの前で力説するキタサン。
そこへドゥラメンテが現れる。キタサンは皐月賞のリベンジと意気込むも、彼女に名前すら覚えられていなかったことにショックを受ける。
そして迎えたダービー本番。
キタサンの様子がおかしい。ドゥラメンテを意識しすぎて普段の走り方が出来ていないことを懸念するスピカメンバー。気付いてと念じるテイオー。
最終コーナーでふと観客席を見たキタサンはその意図に気付くも時すでに遅し。
あんなにスピカの先輩たちが教えてくれた戦法を何も出来ておらず、無駄にスタミナを消費してしまったキタサンは最終直線で脚が動かず、ズルズルと順位を落としていく。
「このボクがキタちゃんを勝たせてあげる!」
憧れの大先輩にここまで言わせておいて何をやっているんだと自分を責めるキタサン。14着という大敗を喫する。
大声で泣きじゃくるキタサン。皐月とダービーの2冠を取り絶頂にいるドゥラメンテ。
明暗分かれる中、ダイヤだけはキタサンの強さを信じていた。
3話
ダービーの敗戦以降、明るくは振る舞うもののどこか元気の無いキタサン。
お助け大将の落胆に大丈夫かと心配になる商店街。
夜中、隠れてハードなトレーニングするキタサンを心配し、このままじゃ壊れてしまうと涙ながらに説得するダイヤ。
だが敗戦のショックや焦りで余裕の無いキタサンは、まだデビューもしていないダイヤには分からないと冷たく突き放してしまう。
その瞬間頬に鋭い痛み。顔を上げるとそこにいたのはテイオー。
ダイヤへの暴言を叱責し、闇雲にトレーニングするだけでは強くなれるはずがないと。
また、トレーナーがキタサンのために必死にスケジュールを組んで勝たせようとしていることを伝える。
ハッとして、まだ明かりの点いているトレーナー室へ向かうキタサン。
呆然とするダイヤにテイオーは告げる。キタサンのことは心配しなくて大丈夫。ウチのトレーナーはああ見えて自分を奇跡の復活させてくれた最高のトレーナーだと。
トレーナー室に付いたキタサンは、膨大な資料と転がっている栄養ドリンクを見ると全てを察して泣き出してしまう。
沖トレはキタサンを宥め、かつてテイオーが怪我でレースに出れなかったときも一歩一歩自分に出来ること諦めずにすることで復活したという経緯を話す。
それを聞き自分の我儘な思いを反省。トレーナーの指示に付いていく決意を固める。
一方、ダイヤもまた一つの覚悟を決める。
キタサンのことは全く恨んでいなかった。ただ親友がダービーに負けて悩んでいるのに力になれない自分が不甲斐なくて許せなかった。
サトノ家の悲願であるGI勝利は勿論のこと、親友であるキタサンブラックに追い付きたい、そして一人のライバルとして勝ちたいという思いを胸にチーム「リギル」の門を叩く。
その決意の強さに、おハナさんだけでなく、かつてスペシャルウィークと死闘を繰り広げたグラスワンダーも微笑みで迎えるのだった。
4話
夏合宿回。
宝塚で出遅れにより惨敗を喫したゴールドシップとともに、スピカ内でトレーニングをしたり夜に皆と遊んだりするキタサン。
合宿所でクラスメイトたちと出会い、そこでドゥラメンテが怪我により療養中であることを知る。
同期なら誰もが意識していた2冠ウマ娘の離脱。そこにキタサンはトウカイテイオーの姿を重ねる。
しかし気落ちしている場合ではないと、皆で打倒ドゥラメンテを掲げて遠泳勝負することになる。
普段のレースと同じように、序盤から勢いよく泳ぎ主導権を掴もうとするキタサン。
しかし連日の疲れにより足がつりそうになり一気に後方へ。後ろからのレースなんて滅多にしたことが無いと困惑し前に戻ろうとするも、偶然通りかかった沖トレに焦らず後ろから行くよう指示を受ける。
すると、前を行く皆も疲労で呼吸が荒いことに気付く。ついに耐え切れず大きく息を吸った瞬間、今だとスパートをかけたキタサンが勝利。
まだあんなスパートかけられる体力残ってたのかと驚く皆に、スタミナだけは自信があると応えるキタサン。菊花賞攻略のヒントを掴むのだった。
一方、ダイヤはデビュー前ということで合宿には不参加。個人練習をしていたところに同じリギルのメンバーであるグラスとエルが訪れる。
まだ雌伏の時、親友との決戦のために力を蓄えておくようアドバイスを貰い、いつかその日が来ることを願う。
合宿終わり。
ダービーで負けて元気がなかったキタサンを心配した商店街の皆から次のレースへのエールをもらう。
心配させてしまったことを謝り、菊花賞を全力で戦うことを誓うのであった。
5話
菊花賞本番。
落ち着いた気持ちで臨めたキタサンは、夏合宿で掴んだペースを、そしてスピカの先輩たちに教えてもらった技術を思い出し、軽快に走る。
その姿を見てこれなら行けると確信するスピカ一同。脚質だけでなくその力強さも、ダービーの時と明らかに違うと驚愕するライバルたち。
実力を遺憾なく発揮し、遂にGI初制覇を成し遂げた。
ウィニングライブを大喜びで歌うキタサンを全力で祝福するスピカのメンバー、親友が勝って嬉しいやら羨ましいやらで複雑なダイヤ、来年はお前の番だと背中を押すおハナさん。
そして怪我により参加できなかったドゥラメンテも、ここでキタサンに一目置くようになる。
ウィニングライブの後、見に来ていた地元の商店街の人にアンコールで「まつり」をリクエストされるキタサン。
いきなり演歌を唄い始める菊花賞ウマ娘に会場は困惑し、その日から「お祭り娘」として世間に認知されるようになる。
その後、初めて古バの先輩たちと戦った有馬記念は3着の惜敗となる。
このレースで引退となるゴルシ先輩は結果こそ奮わなかったが観客の前では笑顔を崩さず終えており、ゴールドシップという破天荒なウマ娘に魅せられた大勢のファンによる引退を惜しむ声が耳に残った。
自分が引退するときもこんな風になれるだろうかと思いを馳せていると、ここから先はおめーに任せるぜと直接激励を貰う。来年はもっと強いウマ娘になるという誓いを立て、1年目を終えるのだった。
6話
日本の最長距離GIレースである天皇賞・春へ向けて特訓。
トレーニング後にまだ元気があるので自主練をしようと考えるも、ダービー後のことを思い出し、やっぱりトレーナーに許可を取ってからにしようと思い直す。
自分の頑丈さには自信があると言うキタサンにスピカのメンバーも後押しして、悩みつつも黒沼トレを紹介することにした沖トレ。
ミホノブルボンとライスシャワーによる山間トレーニングを開始する。
元々素質はあったのかメキメキ上達していくキタサン。
ある夜、ブルボンとライスは自分のウマ娘としてルーツを話し、自分の後継者として期待している旨を告げる。
キタサンも自分のルーツを語る。ダイヤとの出会いやテイオーへの憧れ、父親の姿。ゴルシ先輩の引退姿も脳裏によぎる。
そして、幼い自分がそうだったように、今度は自分が走ることにより皆を笑顔にしたいという思いを口に出す。
コーチ陣は貴女ならきっと出来ると太鼓判を押すのだった。
そして迎えた天皇賞・春の本番。
最強のステイヤーを育てあげたとスピカメンバーに豪語するコーチ二人の言葉通り、一皮向けて帰ってきたキタサン。
見事春の盾を掴み、世代最強の一角へと名乗りを上げる。
また強くなったな、と観客席で呟くドゥラメンテはキタサンと目が合う。
決戦は宝塚記念で。
7話
宝塚記念の最終直線。
今度こそ勝つと速度を上げるキタサン。必ず追いつくと末脚を発揮するドゥラメンテ。
しかしその時、ドゥラメンテの脚に激痛が走る。
レース後、病院へお見舞いにいくキタサン。
自分の負傷に気を取られてキタサンが3着まで落ちてしまったことを謝罪するドゥラメンテ(とそれは関係ないと否定するキタサン)。ダービー前に話した時は眼中に無かったが、今の強いキタサンを好敵手として認識していたことを伝える。
そんな風に思われていたことに喜び、一緒に走ったからもう友達だと、次のレースはいつになるかを聞くキタサン。
しかし、想像以上に怪我が重く現役の引退を考えていると伝えられる。幼い頃から最強を義務付けられ、日本ウマ娘初の凱旋門賞制覇も期待されてきたのに無念だと。
そんなドゥラメンテにキタサンはとあるウマ娘について語り始める。
競争能力が無くなる寸前まで行ったが不屈の精神でリハビリを続け、奇跡の復活を果たした偉大なウマ娘の話を。
その苦難の道を追い続け、誰よりも近くで応援してきた者が語るトウカイテイオーの生き様がドゥラメンテの心を打つ。
そんな憧れの人に似ているドゥラメンテこそ生涯のライバルになると思っていた。復帰するまで世代最強の座は自分が受け継ぐから必ず復活して再戦するよう約束させる。
無茶を言う奴だと呆れながらも、"友"との約束なら仕方ないと満更でもないドゥラメンテだった。
その頃、ダイヤは一人でトレーニングに励んでいた。
皐月賞の接触、ダービーの落鉄…誰かが自分に勝つなと言っているかのような不幸にサトノのジンクスを感じざるを得なかった。
そんな中、憧れのマックイーンに声をかけられ、自分の気持ちを打ち明ける。サトノのジンクスが恐ろしい。菊花賞に勝てる自信が無いと。
そんなダイヤに、マックイーンは何かを語る。
2年目の夏合宿が始まる。
今年から参加したダイヤと話すキタサン。
皐月とダービーは惜しかったねと話すと、負けたからといって誰かさんと違って親友に強く当たったりはしないよと冗談を飛ばすなど和やかに笑い合う。
せっかくなので昔のように競争しないかと持ち掛けるダイヤ。
GIウマ娘として胸を貸してあげるくらいのつもりで受けたキタサンだったが、互角の走りを見せるダイヤに驚愕する。
スピカ・リギルの両トレーナーによってレースは中断されるものの、自分の立ち位置まで追いついてきたことを確信するキタサン。
この続きは本番で。あの時約束した通り、有馬記念で決着を付けると宣戦布告を受けるのだった。
8話
ダイヤの回想。マックイーンに自分の境遇を相談したところ、
「兎は亀を見ていた。亀はゴールだけを見ていた」
という言葉を授けられる。
言われてみれば接触のときも落鉄のときも、そのときゴールを見ることをやめてサトノのジンクスを考えてしまっていた。そうじゃなかった。私はゴールだけを見ていればよかったんだ。
マックイーンにメジロ家を重荷に感じたことは無いのかと問う。それに対して自分のレースを見たことがあるのでしょうとだけ告げて去る。
これ以上の言葉は不要。キタサンがずっとテイオーを追いかけていたように、ダイヤもまたずっとマックイーンを追いかけていたのだから。
菊花賞の舞台に立ったダイヤは、かつてのジンクスを恐れどこか不安げな表情を浮かべる少女ではなかった。ジンクスから解放され、世代最強格のキタサンに肉薄した自信で満ち溢れていた。
菊花賞を制し、勝利インタビューでキタサンを倒すと宣言するダイヤ。
一方でキタサンもジャパンカップを制し、勝利インタビューで受けて立つと応える。
否応なく盛り上がるボルテージ。
世間も、現在GI3勝で乗りに乗っているキタサンvs菊花賞を制した新進気鋭ダイヤの幼馴染対決に注目していた。
かつて有馬で激戦を繰り広げたスペとグラスも懐かしみながら見守るなか、ゲートが開かれる。
キタサンは思う。元々ダイヤのことは特にライバルとして見てはなく、ただ一緒に走れる友人だった。そんな彼女が自分に強烈なライバル心を抱いてくれることがたまらなく嬉しかった。でも今日は勝つ。ゴルシさんはお前に任せると言ってくれた。ブルボンさんは貴女なら出来ると言ってくれた。そして何よりドゥラメンテと誓った以上、負けられない!
ダイヤは思う。ずっとずっとキタサンの背中を追い続けていた。彼女が先に本格化が始まって追いつけなくなっていた時の辛さ。まだデビューしていない身ではダービーを負けたキタサンにかける言葉が無い不甲斐なさ。菊花賞、天皇賞と順調に勝利を収める親友がどこか遠くへ行ってしまうような寂しさ。でも今は違う。もうこんなにも手が届くところにいる!
最後の直線。力を振り絞りほぼ同時にゴールする二人。
そして勝利の女神は、ダイヤに微笑むのだった。
途方もない悔しさの中でキタサンはダイヤを祝福する。
健闘を称え合う握手をする二人に、観客は惜しみない声援を投げかけるのだった。
その後、スピカの部室で悔しさを爆発させるキタサン。
その気持ちは凄い分かると、かつてライバル対決をギリギリで負けたことのあるスペやダスカらが見守る。
ドゥラメンテとの誓いはどうなったんだと聞くと、あのダイヤモンド頭には必ずリベンジすることとメッセージが来ていた。
じゃあ来年はもっと強くならないとなと沖トレが合図すると、ブルボンとライスが現れキタサンを麻袋に被せて誘拐。再度特訓のし直しと意気込んで、2年目を終えるのだった。
9話
年が明けて初詣に行くキタサンとダイヤ。
大吉が出て喜ぶキタサンと、大凶が出てもっと喜ぶダイヤ。大凶を出して今年活躍したら、それもまたジンクス破りだよねと。サトノのジンクスを破って以来、何だか変なことにハマっちゃったなぁと苦笑するキタサン。
そこへ現れたテイオーとマックイーン。テイオーはかつてキタサンに貰ったお返しとして健康祈願のお守りを。マックイーンもダイヤに同じものを…と思いきや大願成就のお守りを。貴方は今年凱旋門賞に挑戦するのでしょう?と。そんなことを何も聞いてなかったキタサンは驚愕する。
自分も凱旋門に行きたいと沖トレに伝えるキタサン。スピカの面々がそれぞれ凱旋門の挑戦について意見を言う中、以前から凱旋門を視野に入れたトレーニングをしていたダイヤと違ってそのための準備をしていないキタサンではダメだとキッパリ断られる。
以前、十分な準備も無しにゴールドシップを凱旋門に連れて行ってしまったことを沖トレは後悔していた。ゴルシはむしろ楽しかったし感謝していると伝えるが、やはりキタサンは連れて行けないと考えは崩さない。
沖トレに断られた後、ダイヤに相談しに行ったリギルでエルコンドルパサーの話を聞いたり、ブルボンやドゥラメンテ達とも相談するが、特殊なトレーニングを積んだ特別なウマ娘が挑戦すべきという風潮に苛まれる。
自分が3冠ウマ娘だったら違ったのだろうか、と悩むキタサンにゴルシがアドバイスを送る。自分の知ってる中で一番惜しかったのはオルフェーヴルっていう3冠ウマ娘だと。だからキタサンも3冠ウマ娘になっちゃえばいいんじゃね、と。
何を言っているんですかクラシックはもう終わって…と思ったが違う。そう、まだ春古バ3冠ウマ娘の資格が残っている。
その後、大阪杯、天皇賞(春)、宝塚記念を3連勝したら凱旋門へ挑戦させてくれと沖トレに直談判。スピカメンバーの強引な後押しもあり、しぶしぶ承諾をもらうのだった。
たちまち学園内に広まるキタサンが春古バ3冠取ったら凱旋門の噂。クラウン、シュヴァル、アースが直接聞きに行くと笑顔で肯定するキタサン。しかしその目は本気だった。漆黒のオーラに包まれた本気で春3冠を取りに行くという目に圧倒される。
これが世代最強格の圧と思う一方、自身の勝利を微塵も疑わないキタサンの姿に感情が溢れる。
「勝ちたい…勝ちたい…キタサンブラックに勝ちたい!」
10話
シュヴァルグランは姉妹たちにとんでもないやつと同期になっちゃったねと言われるも、かつてないほどのやる気に満ち溢れていた。今までは目標もなく何となく走ってきた。それが勝ちきれない理由だったのかもしれない。でも今はキタサンブラックに勝ちたいという目標が出来たのだと。前言撤回、良い同期に恵まれたねと言われて笑顔を見せる。
サトノクラウンはダイヤと話す。香港ヴァースを勝って、ダイヤとともにサトノの悲願を達成したなんて言われて少し気が抜けてた。でも国内にこんなに強いやつがいるのに足を止めてなんかいられない。キタサンブラックに勝つ。その次はダイヤとも戦いたいと告げる。キタちゃんは強いよと言われるも、そんなことは知っている。だからこそ勝ちたいと。
サウンズオブアースはカノープスの皆に伝える。キタサンはジャパンカップで2着に入った自分を見ずにダイヤのことばっかり見てたから今度こそ思い知らせてやるのだと。強い子はそういうとこあるよねと賛同するネイチャ。もう一度妥当スピカで宣戦布告するというターボ。そんなメンバーを窘めるように南坂トレーナーは告げる。アースさんの今年の春戦線はドバイですよと。
春古バ戦線が開幕する。
大阪杯。
先団に付くキタサンに付いていくクラウン。しかしキタサンは最終コーナーで一気に加速し先頭に立つと他ウマ娘を突き放してゴール。まずは1冠を手にする。
天皇賞・春。
前を行くキタサンを後ろから警戒するダイヤとシュヴァル。想定以上のハイペースを気にする二人に対して更に加速するキタサン。こんなペースがもつはずが無いという思惑をよそに圧巻のレコードタイムで2冠。
あと1勝で凱旋門。そんな中キタサンはトレーナーが全然凱旋門向けのトレーニングとかやらせてくれない、考えてくれていないのではとダイヤに愚痴るが、きっとそんなことは無いと笑って返される。それよりクラウンが宝塚を本気で勝ちに来てるのに凱旋門のことなんて考えちゃダメだと忠告する。
また、春天負けたのは悔しいけど、自分もキタサンと一緒に凱旋門行けたら嬉しいから応援すると言われ、キタサンは奮起する。
宝塚記念が始まる直前。沖トレからこの宝塚記念のことだけを考えるよう注意を受ける。ダイヤちゃんにも言われてるし、勿論分かっていますと元気よく返答し、スタートへ向かう。
ペースは順調。前方の良い位置も取れた。スパートをするタイミングも頭に入っている。これなら行けると確信を持つキタサン。
ふと「これに勝ったら凱旋門だ」と考えた瞬間、先ほどまで覆っていたオーラが消える。それを見逃すライバルたちでは無かった。全員が示し合わせたかのようにスパートをかけてキタサンを追い抜いていく。が、何故かキタサンは今までのような力が出ない。頭を抱える沖トレ。
どうして…!?と考えた時、レース前の沖トレに言われたことを思い出す。その意図に気付いた時には大敗という結果が残り、凱旋門への挑戦は露と消えるのだった。
そして1着で駆け抜けたクラウンがキタサンに振り返り叫ぶ。
「どうだ見たかキタサンブラック!」
そうだ。皆この一戦に全力を注ぎこんできたんだ。凱旋門のことを考えて不甲斐ない走りを見せた自分を戒めるように声を出す。
「私の負けだよ、クラちゃん!」
11話
宝塚記念で途中凱旋門に気を取られたことを叱責する沖トレ。自分の甘さを痛感するキタサンは、今回のは自分が悪かったと反省し国内の戦線に切り替えていく。
その後沖トレはおハナさんとバーで飲みながら、自分がしっかりと注意できなかったせいでキタサンが宝塚に勝てなかったことを懺悔する。貴方がリギルに来て土下座で頼み込んできたキタサンの凱旋門用トレーニングメニューも無駄になってしまったと少し悲しそうなおハナさん。会計を沖トレに任せて出ていくのだった。
そして迎えたファン感謝祭。
キタサンとダイヤが二人で楽しんでいると、それぞれのファンだという幼いウマ娘達に話しかけられる。レースを見て感動したと、いつか貴方たちのようになりたいと。
それはかつて自分たちが幼いときにトウカイテイオーとメジロマックイーンに感じた思いと同じだった。自分が誰かの憧れになれたことを誇りに思う二人。
頑張ればきっと自分たちのようになれると伝え、いつかトレセン学園で会おうと約束。彼女らから次のレースへのエールも貰い、キタサンは国内戦線、ダイヤは海外戦線を戦い抜くことを誓うのだった。
ファン感謝祭のラスト。
今年活躍したウマ娘を中心にトレセン音頭で盛り上がる。さっきの幼い子たちも一緒に楽しんでくれているようだ。自分はきっとこの光景が見たくて頑張っていたのかもしれない。かつて父親がそうだったように。
キタサンは自分の夢。皆を笑顔にするウマ娘という夢が叶ったことを実感するのだった。
後日、ダイヤは凱旋門賞のためにフランスへ旅立つ。お互いに頑張ろうねと約束し合った二人。
キタサンは心の中で覚悟を決める。
今年で最後。これが私の引き際だと。
12話
過去のアルバムを整理する沖トレ。
キタサンがスピカに入った日、トレーニングしている姿、菊花賞、有馬、春天…。時が経つのは早いものだと思いを馳せているとノックが鳴る。
そこにいたのはキタサンだった。大事な話があると告げる。
ついにやってきたダイヤの凱旋門本番。皆で応援しようと集まるウマ娘たち。
生憎の重バ場だったがダイヤは構わず走る。指導してくれたトレーナーやエル先輩、応援してくれた幼い子、一緒に頑張ると誓ったキタちゃん。そしてマックイーンさんの言葉を思い出す。
最終直線に入る。頑張れ、頑張れと必死に応援する日本のウマ娘たち。しかしダイヤは最後まで伸びず15着という大敗に終わった。だがインタビューでダイヤは涙を見せなかった。きっといつかこのジンクスを打ち破れると信じていると、次世代に思いを託すのだった。
あまり落ち込んでなくて良かったと思ったのも束の間、キタサンの元にダイヤから電話が来て、親友にしか明かせない本音を見せる。勝ちたかった。あんなに練習したのに。自分が不甲斐ない。
まるでダービー後の自分を見ているかのようなダイヤの嘆き。その気持ちは痛いほど分かっていた。ダイヤが頑張っていたことは皆知ってる。胸を張って帰ってきて、皆待ってるよと声をかけるのだった。
その後、荒れた天気の中の天皇賞・秋を勝ち切るキタサン。勝利インタビューで、今日は異国の地で頑張った親友のためにも絶対勝ちたかったと告げる。そして、今季いっぱいでの引退を表明するのだった。
たちまち駆け巡るキタサンブラックの引退の報。あのキタサンブラックが引退する。現在GI6勝ウマ娘。間違いなく世代最強の、あのキタサンブラックが引退。
僕はまだ一度も勝てていない。そう思ったシュヴァルグランは居ても立ってもいられず走り出す。打倒ドゥラメンテを誓ったあの夏とは違う。キミは遠くへ行ってしまった。でも、でも…僕だってキミに勝ちたい!
迎えたジャパンカップ。
最終コーナーで先頭に立つキタサンを追うシュヴァル。そして何としてでも勝ちたいという思いが弾け、今まで大声を出したことのなかった彼女が叫び、強烈な、強烈な一歩を踏み出す。あのシュヴァルグランが叫んだ!?と会場もざわめく中、かつてない末脚を見せて一気に抜き去るシュヴァル。
GI初勝利を、それもキタサンブラック相手にもぎ取ったことで感激の極みで困惑するシュヴァル。今日のシュヴァルちゃんは凄かったと素直に認めて握手するキタサン。初のGI勝利でレース場の全員が自分を見ているという事実に照れながらも、最高の笑顔を見せるのだった。
13話
有馬記念を控えたある日。ダイヤを連れて二人で旅行することにしたキタサン。その旅の最後、改めて今年の有馬記念で引退することをダイヤに告げる。ファン感謝祭で薄々感じていたが、キタちゃんは夢が叶ったんだねと。
今まで色々あったと語り合う二人。テイオーやマックイーンを追いかけていた幼い頃、トレセン学園への入学、ダービー後の言い争い、夏合宿での模擬レース、そして二人で対決した有馬記念…。
引退した後はどうするのかを聞くダイヤ。キタサンはゆっくり話し出す。
ライスさんがかつて天皇賞春のレコードを更新したときは3分17秒1だった。そのライスさんの教えを受け継いだ自分が3分12秒5。自分だけの力じゃない。今まで様々な人にレースのことを教えてもらってきたおかげでここまで来れた。後輩が入ってきたら今度は教えてあげたいし、自分の教えを受け継いだ誰かがいつかこの記録を超えてくれたら、それは誇らしいことだと思うと。
それがキタちゃんの新しい夢なんだね、と言うダイヤは自分も負けてられないと引退してもライバルで親友だと誓うのだった。
ラストランとなる有馬。スピカやダイヤ、ドゥラメンテらが見守る中ゲートが開く。
前半からハナに立ち良いペースで進むキタサン。それを解説する実況、沖トレ、そしてみなみとますお。ライバルたちも先頭のキタサンを追っていた。華々しく活躍するキタサンを今までずっと追ってきた。今日こそは勝ってやるとスパートをかけ始める。
「勝負だキタサンブラック!」
そんな思いを背中に感じ、思わず微笑みが零れるキタサン。楽しい。いつまでもこうして皆と走っていたい。でも決めたんだ。これが最後だって。
「これが、私の引き際だー!」
誰にも追いつかせないまま1着でゴールを駆け抜けるキタサン。GI7勝という偉業を成し遂げ、歓喜の声に包まれながらウィニングライブを踊る。
そして菊花賞のときとは違い、今度は会場全員から「まつり」をアンコールされる。
商店街のお助けキタちゃんを超え、皆の愛バとなったキタサンはファンの期待に応え笑顔で歌い上げるのだった。
エピローグ。
脚の調子を戻したドゥラメンテと対峙する。必ず復活してくれると信じていたと言うキタサン。GIもたくさん勝てたし夢も叶った。でも一つだけ心残りがあった。憧れの人に似ているキミに、まだ一度も先着できていない。そう。
「ドゥラメンテ、キミに勝ちたい」
ああ、その思いでここまで走ってきたのか。これほどの偉業を成したウマ娘が、自分に勝ちたいと願い続けてきた。その事実に自然と口角が上がる。受けて立とうと応えるドゥラメンテ。
その時、ちょっと待ったと今まで一緒に走ってきた仲間たちが現れる。あの夏打倒ドゥラメンテを誓ったのはキタサンだけじゃないと。更には聞きつけてきたダイヤも混じり、6人で出走するのだった。
位置について、よーいドン!
うーーーー(うまだっち!)
うーーー(うまぴょい うまぴょい)
(うまぴょい伝説のBGMをバックにスタッフロールが流れる)
うぴうぴはにー3 2 1(うーーFight!!)
(レース後と思われる、出走メンバー6人の記念写真が映る)
完。
円盤特典(17天皇賞秋)
台風が近づいていた。
かつてない大荒れの天皇賞になるだろうという予報。そして相手は道悪巧者のサトノクラウン。厳しい戦いになると予想されていた。
しかしキタサンに迷いや不安は無い。荒れた芝でも走れるパワーには自信があった。そして何より、慣れない異国の地で走った親友に比べればこの程度何てことないと思っていた。
本番。
スタート直後でぬかるみに足を取られ後方からのレースとなるキタサン。観客からは悲鳴があがり、ライバルたちはキタサンが脱落したと喜ぶも、クラウンだけはキタサンがこの程度で終わるはずが無いと確信していた。
冷静に進路を考えるキタサン。
こういう時は分かってるよなと観客席で呟くゴルシに呼応するように、荒れたバ場を皆が嫌ったため空いている最内を選択するキタサン。まるでゴールドシップの皐月賞だと解説が入る。
そのまま最内でクラウンをピッタリとマーク。この荒れたバ場でここまで走れるとはとクラウンも警戒を強める。
最終コーナーで早めにスパートをかけ一気に先頭に立つと荒れた最内から外に切り込み、クラウンの進路を塞ぎにかかる。
なんて強引なコース取りと驚嘆の声が上がる。一方ベテラントレーナーからは敢えて最内を通る中盤、ぬかるみを抜けつつ進路を塞ぐクレバーな走り方に、相当レース技術を叩き込まれてるなと沖トレに注目が集まる。
クラウンも逆に内へ切り込みキタサンを抜きにかかる。
二人のデッドヒート。逃げるキタサン、追うクラウン。
そして仁川の悲鳴は杞憂に終わり、わずかにキタサンが早くゴールを切ったのだった。
健闘を称え合う二人。
宝塚の借りは返したと言うキタサンに、次こそまた自分が勝つと宣言するクラウン。
キタサンが勝利インタビューでダイヤのために頑張ったことを告げると、自分もダイヤのためだったんだけどなぁと一人涙を流すのだった。
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