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【文楽鑑賞】仮名手本忠臣蔵 五段まで 2




【文楽鑑賞】仮名手本忠臣蔵 五段まで 2




【下馬先進物の段】

桃井家の家老、若狭助の家来・本蔵と、

塩冶家の国家老、由良之助 家来の勘平の「違い」が際立っていくシーンです。

忠義とはなにか?考えさせられます。

足利尊氏の執事的な存在、高位の悪徳執事「師直」が、家来の鷺坂「伴内」を連れて、どうしたら「塩冶判官」の妻「顔世」をモノにできるか、話しています。

そこに本蔵が現れ警戒する二人ですが、慇懃に口上を述べて「格別のお取り立てへの心付けに」と贈り物をします。

(金、賄賂に見えます)

【腰元おかる・文使いの段】

師直の次に、塩冶判官の家来「勘平」が登城しますが、それを追うように顔世御前の腰元「おかる」が、顔世からの返歌を携えて勘平に渡します。(※【恋文…】参照)

おかると勘平は恋仲で、逢瀬を楽しみます。

【殿中刃傷の段】

若狭助は城中で師直を討とうと息巻いていますが、本蔵の賄賂で掌を返した師直は、平身低頭、若狭助に謝ります。

毒気を抜かれた若狭助は、渋々師直を許します。

桃井家は難を逃れることができた、と、コッソリ見ていた本蔵は胸を撫で下ろします。

そこへ、遅れてきた塩冶判官。

師直は塩冶の遅刻を責めるも、勘平から受け取った返歌を渡されると、ご機嫌になります。

けれど、それには新古今和歌集の引用


さらぬだに重きがうへにさよ衣わがつまならぬつまな重ねそ


重たい夜具の上にさらに夜具を着るんか?

不貞不義を戒められ、一気に不機嫌になった師直は、塩冶に当たり散らします。

「家にばっかりつきよって、おまえは鮒に似ている!なんか顔も鮒に似ている。勉強のために聞いておけ?鮒侍~鮒侍~」

煽りに我慢できなくなった塩冶は、師直に切りかかります。

【裏門の段】

殿中で刀を抜いた塩冶は、裁判を待つ科人となり、囚人の乗る網乗物に乗せられ館に帰ります。

勘平は、主君の大事に側にいなかったことを悔やみ、自害しようとしますが、おかるに止められ、彼女の実家に身を寄せることになります。

【花籠の段】

鎌倉の扇ヶ谷の、塩冶の館では、閉門の処分を受けた夫を慰めるため、花籠に桜を活けています。

家来たちは、お家の一大事にパニックを起こしかけて、賄賂を渡すべきであったか否かで揉めています。

【塩冶判官切腹の段】

上使に城明け渡しの切腹を言い渡された塩冶判官は、鷹の羽門の障子の一室で家来に囲まれいます。重々しい雰囲気の中で、白装束に居ずまいを正して、榊の葉に囲われた三方の上の刀を手に取り、懐紙でぬぐってから、腹を切ります。

国家老の由良之助に、師直を討ち果たせなかった無念を伝えてこと切れます。

【城明け渡しの段】

由良之助は、明け渡しを命じられ、城を後にしながら、万感の想いをこめて振り返ります。


「はったと睨んで!」


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